以下のソースコードがA+言語のHelloWorld!です。
'HelloWorld!'
…いや、ただの文字列リテラルじゃないか!?、というツッコミが来そうなので解説していきます。
A+言語はAPLを拡張した言語です。
HelloWorld!レベルの解説であればAPLでもA+でも変わらないことや、公式サイトが既になくなりInternet Archiveに当時の資料が残されているだけになっていることから、ここからはAPLについて解説していきます。
APLは「a programming language」の略で、1966年という、かなり昔に作られた言語です。
このAPLは対話的に数式を処理します。現代で言うところのREPLやJupyter Notebookなどに近い形です。
以下の記事を見ると対話的に式を処理している様子がわかりやすいです。
なので、文字列を表示したい場合にはprint関数などは必要なく、そのまま 'HelloWorld!' と出力するだけでOKです。
また、APLはとても特徴的な言語です。ASCIIコードに存在しない記号を多く使い、現代の多くのプログラマにとってはソースコードが暗号にしか見えないかと思います。
深淵なるAPLのソースコードの紹介はWikipediaなどに譲りますが、個人的にAPLを調べていて最も面白かった点は出力の方法です。
ブラウン管が普及する以前の出力方法は紙にタイプライターで文字を印字することです。
なので、このAPLの特殊文字たちを出力するためにタイプライターの活字部分を特注で作り、APLで開発するときにそれを用いていたようです。
以下の動画はAPLとは関係ないですが、当時に使われていたタイプライターが動作している動画です。
文字を印字するたびに回転をしているパーツがタイプホイールというもので、この球面に活字が彫られています。
APLを使うときには、このタイプホイールをAPL用の特注品に交換していたようです。
なお、入力方法も特殊でしたが、こちらは出力方法ほどの特殊性はなかったので、割愛します。
気になる方は各自で調べてみてください。
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