概要
最近は本当にCognos Analyticsへの移行の話が多いですね。
もちろんCognos 10.2.Xがもうすぐサポート期間終了なので、当然と言えば当然ですが。
Cognos BI 10.2.Xのサポート期限と延長サポート
https://qiita.com/shinyama/items/4b66a728e211a0942064
色々とCognos Analyticsへの移行の案件をサポートした結果、自分なりに注意すべきあるあるパターンをまとめましたので、Cognos Analytics移行を考えている方は是非ご一読下さい。
※2018/3/29時点の、Cognos Analytics(~11.0.10)に対する話ですので、今後各種制限が変更になる可能性はあります。
サポートポリシーの変更の話
Cognos Analyticsでは、基本的に四半期ごとに新しいバージョンがリリースされ、各バージョンはリリース後、基本2年、延長1年のサポート期間となります。
そのため、Cognos Analytics移行後は、常に新しいバージョンにリリースアップし続けて行くのが通常の運用です。
Cognos BIでは、何年も同じバージョンで塩漬けしている環境が多いと思いますが、Cognos Analyticsではそれは通用しないので、予めサポートポリシーの変更は知っておく必要があります。
Cognos Workspace Advancedは無い
Cognos Analyticsでは、Cognos Workspace Advancedはありません。
自由分析を行う場合は、「レポートの機能」というReport Authoringの後継の機能の中で、ページ・プレビューモードで自由分析を行っていきます。
これにより自由分析自体は行えるのですが、Cogons BIでCognos Workspace Advancedのオペレーションで自由分析に慣れているエンドユーザーの方は、オペレーションが変わってしまう事になりますので、移行前から認識しておく必要があります。
ページの機能も無い
「ページの機能」は、ポータルみたいな画面にレポートを表示したり、メニュー的なものを表示したりに重宝していましたが、Cognos Analyticsではありません。
「レポートの機能」で、ポータル画面のようなレポートを作って、レポートリンクを置いていくとか、そういう代替を考える必要があります。
ちなみに、コンテンツのインポート機能により「ページ」コンテンツのインポートは可能で、そのままの形で動かす事はできます。が、編集等のメンテナンスはできません。
<2018/5/18追記>
Cognos Analytics 11.0.11でページの機能関連で機能拡張がありましたので、こちらもご参照下さい。
Cognos Analytics 11.0.11 新機能 - Portal Pages の機能
https://qiita.com/shinyama/items/69fd135c10a326a7a568
WebSphereへの実装
Cognos Analyticsが使用できるアプリケーションサーバーは、組み込みのWebSphere Libertyのみです。
Cognos BIでは、p2pd.earを作成し、WebSphereのBaseにデプロイするとか、他のアプリケーションサーバーで動かすとかしていましたが、それらは一切出来ません。
何が困るかというと、補助的なアプリケーションを作成し、WebSphere Baseにデプロイして、Cognosと連携させている様な環境で、同じ実装を引き継げないという事です。
組み込みのWebSphere Libertyは、通常のWebSphere Libertyとは違い管理画面も無く、カスタマイズは基本的にサポートされません。
別の通常のWebSphereを導入して、補助的アプリを実装とか必要になってきますのでご注意下さい。
UIカスタマイズ
Cognos Connectionとか、Cognos ViewerのUIをカスタマイズして、社名のロゴを入れているとか、Cognos BIでは色々な見た目の変更をsystem.xmlファイルで行っていました。
Cognos Analyticsでは、system.xmlは使用できません。
「カスタマイズ」の機能でUIのカスタマイズを行いますが、system.xmlと同じ事が全てできるわけではないので、UIをカスタマイズしている環境では、移行前に「カスタマイズ」の機能で実現できるか調べた方が良いです。
認証
SSO S/Wとかの連携で、/ibmcognosというコンテキストの変更が必要な時があります。
Cognos Analyticsでは、デフォルト構成ではGatewayは入らず、Libertyのみで動作する、http://hostname:9300/bi というURLになり、この/bi部分は変更不可能です。
そのため、OptionalのGatewayを入れて、IHSやIISの上で動作させて、というのが必要ですが、OptionalのGatewayは後から追加インストールできないので、最初にCognos Analyticsをインストールする時に、Optional Gatewayを入れておきましょう、という話です。
Cognos Analytics のSSO実装時に要注意な事もう一点
https://qiita.com/shinyama/items/19adfa25de591e3d0a07
データ系の新機能でDISK使用量が増える
「ファイルのアップロード」という、ユーザーがWebブラウザからExcelファイルなどの自分のデータをCognos Analyticsにアップロードして使用する機能がありますが、<Cognos Install>/data領域を使用します。
ユーザーが自由に使っていると、ここの領域が圧迫され、「DISK容量見積もりはCognos BIの時と同じで良いだろう」にはならないのでご注意下さい。
また、「データ・セット」の機能は、Content Storeの領域を使用します。
Content StoreのDB領域の容量もCognos BIと同じではないので、ご注意下さい。
JavaScriptでのカスタマイズ
レポートの中で、「完全な双方向性」をデフォルトの「はい」にしていると、JavaScriptの実装に影響が出るのでご注意下さい。HTML ItemにJavaScriptを書き込み、というこれまでの実装ではなくなります。
こちらは読んでおいて下さい。
Cognos AnalyticsでのJavaScriptの扱いについて
https://qiita.com/shinyama/items/0bc310fc909465c277a6
運用への影響
cogserver.logのファイル名称が変わったので、ハウスキーピングとか、ログ監視とかやってる場合、その運用変更が必要です。
Cognos Analytics 11.0.7 でログが色々と変わった話
https://qiita.com/shinyama/items/50b384d33379521f24a4
あと、Cognos Analyticsで監視するプロセスとか。
Cognos Analytics on Linux & AIX で監視すべきプロセス
https://qiita.com/shinyama/items/f4d20c1d0678bc04923b
以上です。
Cognos Analyticsに移行の際には、ちらりとでも読んで頂ければ、致命的な移行の失敗を避けられるかも知れないので、是非ご活用下さい。