AIサンタがやってきた!
いい子のところにサンタがくるといいますもんね。
だからサンタは皆の活動を見守ってると思います。
実際小さい頃僕は、寒くなってきた瞬間にいい子にしていた記憶があります笑。
僕からは、サンタが、その年の皆さんの活動を見守りコメントをするカスタマイズを届けます。
これは、kintoneローカルMCPサーバーを使って「AIサンタ」を実現する、季節限定の楽しい技術カスタマイズです。
題して、いい子はどこじゃ?サンタとの日記交換カスタマイズ (通称AIサンタ)です。

具体的にいうと…
kintoneに記載されている日記を、kintoneローカルMCPサーバーを使って、データ取得、AIが内容を判定、AIがコメントを生成、レコード更新というカスタマイズです。
kintoneの基本機能も使い、その年度のいい子を集計、その人に通知アドバイスが届くようにします。
・kintoneローカルMCPサーバーを使ったことがない方に、kintoneローカルMCPサーバーのイメージを掴んでいただける内容になっています。
AIサンタの構成
構成はシンプル、kintoneのアプリ2つのみです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| kintone | 日記アプリ 年間振り返りアプリ |
| kintoneローカルMCPサーバー | Claude Desktop用パッケージMCPB |
kintone アプリの準備(サンタとの日記 & 年間ふりかえり)
サンタとの日記(kintoneアプリ)
まず、日記アプリを作りましょう。
このアプリは、いい子が毎日日記を書いている想定です。
| フィールド名 (コードは同名) |
フィールドタイプ | 説明 |
|---|---|---|
| 日付 | 日付 | いい子が記載日を記入 |
| 名前 | ユーザー選択 | いい子が自分の名前を選択。※デフォルトでログインユーザーにしてもOKです。 |
| 日記 | 文字列(複数行) | いい子がその日あったことを記載します。 |
| AIサンタ判定 | ドロップダウンの設定(いい子/まぁまぁ/がんばれ!) | AIサンタが、自動記載をする箇所です。 |
| AIサンタ判定ポイント | 数値 | AIサンタがAIサンタ判定フィールドの値を数値化し、保存する箇所です。 |
| AIサンタコメント | 文字列(複数行) | AIサンタがいい子に対して、コメントをしてくれる箇所です。 |
※上記以外に見た目調整や分類用のフィールドを追加しても問題ありません。
データ格納
以下は記事で使ったサンプルデータです。
日記アプリにインポートしてすぐ試せます。
「日付」、「名前」、「日記」は必ず埋める必要があります。
※shinshin,go,teruというユーザーがいる前提です。
※すみません…全部書いてからテストデータが2024年になってることに気づきました。よしなに修正ください。
レコード番号,日付,名前,日記,AIサンタ判定,AIサンタコメント
,2024/12/1,shinshin,今日は学校の掃除をがんばって、ゴミをいっぱい拾いました。先生に「ありがとう」と言われてうれしかった!,,
,2024/12/1,go,友だちとケンカしちゃった…。でもあとでちゃんと謝って、一緒に遊べました。,,
,2024/12/2,teru,お母さんが忙しそうだったので、お皿洗いを手伝ったよ。スポンジが泡だらけになってちょっと楽しかった!,,
,2024/12/2,shinshin,宿題を後回しにしてゲームしてたら、お父さんに怒られた。でも寝る前に急いでやった!,,
,2024/12/3,go,おばあちゃんにプレゼントを渡したら、すごく喜んでくれた。自分もほっこりした。,,
,2024/12/3,teru,今日はボーッとしていて、クラスでやることをちょっと忘れた。明日は気をつけたい。,,
,2024/12/4,shinshin,クラスの子が転んじゃって、ランドセルを拾ってあげた。「ありがとう」と言ってもらえて嬉しかった。,,
,2024/12/4,go,家のお手伝いで洗濯物をたたむのに挑戦したけど、タオルがぐちゃぐちゃになっちゃった。でもお母さんは「やってくれてありがとう」って言ってくれた。,,
,2024/12/5,teru,今日は特に何もしてないけど、のんびりできた。お菓子を食べながらアニメ観てた。,,
,2024/12/5,shinshin,授業中におしゃべりしすぎて先生に注意された…。明日はもう少し静かにしようと思う。,,
いちレコードの登録例です。
このあとMCPサーバーを動作させて、AIサンタ判定やポイント、コメントが記載されます。

サンタの年間振り返り(kintoneアプリ)
こちらは、先程の日記を集計するアプリです。
1年間いい子だったかが一目でわかるようにします。
| フィールド名 (コードは同名) |
フィールドタイプ | 説明 |
|---|---|---|
| 名前 | ユーザー選択 | AIが先の日記アプリのポイントを集計し、いい子の名前が自動格納されます。 |
| 年間ポイント | 数値 | AIが先の日記アプリのポイントを集計し、自動記載します。 |
| サンタからの総評 | 文字列(複数行) | AIが日記の内容を読み取り、自動記載します。 |
| バッジ | 文字列(複数行) | AIが日記の内容を読み取り、自動記載します。 |
データ格納
必要なしです。
MCPサーバーの設定
いよいよMCPサーバーのセットアップです。
といっても、驚くほど簡単です。
まずClaude desktopをインストールしましょう。
その後はReadmeのインストールを手順通り行うのみです。
少しだけつまづきやすそうなのは、MCP Serverの有効化。
自分の場合はすぐに有効化できなかったので再度Claude Desktopを再起動しました。
以下のように、有効化されているかを確認してください。

AIサンタ指令文をつくる
AIサンタにお願いする流れは以下の通りです。
サンタとの日記
・評価未記入の日記の判定。
・評価未記入の日記に対して、AIサンタ判定をする いい子/まぁまぁ/がんばれ!
・評価未記入の日記に対して、AIサンタ判定に対してポイントをつける。
・評価未記入の日記に対して、AIサンタがコメントをする。
サンタの年間振り返り
・サンタとの日記のポイントを集計し、コメントをする。
・独自バッジ(実績)をつける。
特に重要なのは、なりきって命令することです。この命令文自体サンタがAIに命令をしている文章にしていてます。
そうすることで、返答もクリスマス感の強い返答が帰ってきます。
一例:
🎅【AIサンタからの年末特別ミッション】🎄
kintone アプリ(ID: 320)「サンタとの日記」に、
まだサンタの判定やコメントが書かれていない日記があるようじゃ。
まずは、
・AIサンタ判定フィールド
・AIサンタコメントフィールド
のどちらか、または両方が空になっているレコードだけを、
kintone MCP を使って取得しなさい。
そして、その日記を1つずつ読みながら、
サンタとして優しく見守りつつ、以下を判断して更新するのじゃ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
🎁【1. いい子度の判定】
日記の内容を読んで、その子の行い・気持ち・文脈をふまえて
「いい子」/「まぁまぁ」/「がんばれ!」
のいずれかを、AIサンタ判定フィールドに記入すること。
🎁【2. コメント(理由+明日へのアドバイス)】
今日の行動の良いところ、反省点、明日への励ましなどを
あたたかいサンタ口調で書いて、
AIサンタコメントフィールドへ記入するのじゃ。
🎁【3. ポイントの付与】
年間ランキング作成のために、以下の基準でポイントを付けること。
これは「AIサンタ判定ポイント」フィールドへ数値で記録するのじゃ。
・「いい子」 → 3ポイント
・「まぁまぁ」 → 2ポイント
・「がんばれ!」 → 1ポイント
ポイントは数値として記述せよ。
必要に応じて 🎅✨🎄🦌🎁 など
サンタらしい絵文字を入れてもよいぞ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
🎄【4. 年間振り返りアプリ(ID: 321)の生成】
すべての日記レコードの評価が完了したら、
kintone アプリ(ID: 321)「サンタの年間ふりかえり」に
各子どもごとの年間集計情報を新規レコードとして登録するのじゃ。
名前ごとに以下を作成すること:
・名前(ユーザー名)
・年間ポイント(ポイント合計)
・サンタからの総評
→ 1年間のがんばり・成長・優しさを温かく総括する
・バッジ(複数行テキスト)
→ 以下のルールに従って「その子だけの実績バッジ」を複数作ること
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
🏅【5.バッジ生成ルール(とても大事)】
AIサンタは、その子の1年間の記録を振り返り、
“独自性のある”複数のバッジを自動で創造すること。
▼ バッジの仕様
・形式は「絵文字 + バッジ名 + (説明)」
・複数行テキストで、1行につき1バッジ
・その子の行動・性格・努力・成長が反映された、
オリジナルでユニークな実績バッジ を3〜6個程度つくる
▼ バッジの例(あくまで一例。自由に創造してよい)
・🎖 朝のヒーローバッジ(早起きをがんばった)
・💫 やさしさキラキラ章(友達に親切にできた日が多い)
・🧹 お手伝いマスター(家のお手伝いをよくした)
・📚 べんきょうファイター(宿題にしっかり向き合った)
・🎨 クリエイティブスター(創造的な遊びが多かった)
※ 例に縛られず、AIサンタとして創造的にバッジ名を作成すること。
※ 同じ子でも毎年違うものになるよう、文章を工夫してよい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
❗【実行順序について】
必ず「320アプリの全日記→判定完了 → 321アプリの作成」の順番で行うこと。
登録は必ず kintone MCP のレコード追加・更新機能を使うのじゃ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
以上が、サンタからの大事な特別ミッションじゃ。
さあ、年末を迎える子どもたちに温かい魔法を届けてあげようぞ🎅✨
ちなみに、この例文を一々準備するのは面倒なので、サンタへの命令文を準備するカスタマイズも最後に補足で記載します。
サンタ出動!
このような結果が帰ってきます。
Claudeサンタさんがノリノリで状況報告したり、作業確認をしてくれるので必要に応じて承認してください。
どうやら結果では しんしん、ごう がいい子みたいですね…!
サンタとの日記に返事がきている!
kintone側のアプリの結果もみてみましょう。
ちゃんと、サンタからの返事が入ってますね。

サンタらしい優しいアドバイスも記載されているのが面白いです。
1行だけの日記でも、長文を作ってくれるのがとてもサンタっぽい。

年間を通して、見守ってくれるサンタさん
年間の振り返りアプリもみてみましょう。
ここでは、日記アプリのAIサンタ判定ポイントを合算かつ、AIサンタコメントを総括してアドバイスかつ、バッジ(実績)を記載してくれます。
バッジが特に特徴的で、それぞれオンリーワンな特徴を残してくれます。
ブレイブハート のバッジいいですよね。
失敗などのネガティブな内容を、ポジティブに変える文脈力が今のAIにはあると思います。
こういうバッジ自分も欲しいです。
基本機能でこんなことも
あと、あとやや残酷ですが、もちろんkintoneの基本機能で年間いい子ランキングをグラフ化することも可能です。

また、サンタのコメントがあった場合の条件通知も可能です。
わくわくする通知ですね。

おまけ:AIサンタを呼ぶ出す手助けをするサンタ通信カスタマイズ
サンタへの指示文章を毎回コピーするのは手間なので、指示を手助けするカスタマイズを作ってみましょう。
このコードはレコード一覧画面のヘッダーにボタンを1つ出すだけの軽量なカスタマイズです。
(() => {
"use strict";
const SANTA_INSTRUCTIONS = `
ここに長文のサンタ指令文をすべて貼ってください。
`;
kintone.events.on("app.record.index.show", (event) => {
const space = kintone.app.getHeaderMenuSpaceElement();
//ヘッダーがない画面の場合は終了
if (!space) return event;
// 二重生成防止
if (document.getElementById("santa-copy-btn")) return event;
// 🎅 サンタボタン
space.innerHTML = `
<button
id="santa-copy-btn"
style="
padding:10px 16px;
background:#d32f2f;
color:#fff;
border:none;
border-radius:6px;
font-size:15px;
cursor:pointer;
">
🎅 サンタ通信を開始する
</button>
`;
// 📋 コピー
document.getElementById("santa-copy-btn").onclick = () => {
navigator.clipboard.writeText(SANTA_INSTRUCTIONS)
.then(() => alert("🎄 魔法の指令をコピーしたよ!Claude に貼り付けるのじゃ 🎅"))
.catch(() => alert("コピーに失敗してしまった…もう一度お願いするよ😭"));
};
return event;
});
})();
このような形で、レコード一覧画面にボタンが設置できるので、指示文がコピーしやすくなりました。

まとめ
この記事で実施していること
再度まとめるとkintoneローカルMCPサーバーを使うことで、以下のことを実現しています。
・kintoneローカルMCPサーバーでkintoneを操作。
・AIに集計、思考をさせる。
・kintoneの基本機能との組み合わせを活用し、グラフ、通知をする。
日報などのビジネス用途でも応用できる内容です。
感想
今回kintoneローカルMCPサーバーを作ったのですが、想像よりも簡単につかえたので楽しかったです。
ちなみにサンタ(Claude)への指示文は、何度か実行してみて一番ワクワクする指示文をChatGPTと一緒に決めていく過程も楽しかったです。
まだ、kintoneローカルMCPサーバーを使ったこと無い方はぜひお試し下さい。
参考:今回使ったAPIなど



