この記事は Raycast Advent Calendar 2025 の 14日目の記事です。
はじめに
Raycast はとても多機能なランチャーアプリです。
なんなら Script Commands を作りこめばこの世の全てが実行可能です。←
今回の記事では、Script Commands の中でも printf のみ使うだけでも幸せになれる場合があるよ という話をお伝えします。
解決する悩み
- たまに必要になる静的な情報がある
- その情報へのアクセスするのに時間をかけたくない
- そもそもファイルを開くのがめんどくさい
ケース1 Git のコマンド
説明
1つ目の例として、Git のコマンドのチートシート を表示する例を表示します。
実行する頻度が少ないコマンドは、チートシートを参考に実行することでストレスなく作業が進められるはずです。
もちろん内容をコピーしてターミナルに貼り付けることも可能です。
設定
以下を cheat-git.sh などの名前で保存し、Raycast の Script Commands に紐づけるだけです。(設定方法は こちら がわかりやすいと思います
)
#!/bin/bash
# Required parameters:
# @raycast.schemaVersion 1
# @raycast.title git command
# @raycast.mode fullOutput
# @raycast.packageName Git Cheat Sheet
# Optional parameters:
# @raycast.icon 🐥
printf "%-40s %s\n" "git commit --amend --no-edit" \
"直前のコミットに変更を吸収"
printf "%-40s %s\n" "git restore --staged ." \
"ステージングだけを取り消す"
printf "%-40s %s\n" "git tag v1.2.3 && git push origin v1.2.3" \
"タグを作成してそのまま push"
補足
今回の例では printf を用いているため、もちろんフォーマットを変えることもできます。
git tag に関するコマンドを以下のように書き換えれば、実行のたびに書き換える箇所を明確にすることができます。
printf "%-40s %s\n" \
"$(printf "git tag \033[31mv1.2.3\033[0m && git push origin \033[31mv1.2.3\033[0m")" \
"タグを作成してそのまま push"
ケース2 アイドル曲のコール
説明
作業中に音楽を流すことあると思います。
シャッフル再生をしていて、急にコールしたい曲が流れることもあると思います。
(でも、口上をはっきりおぼえていない ... )
そんなときにチートシートを見ながら、堂々とコールを叫ぶことによって仕事のストレスを銀河の果てまで吹き飛ばすことができます!
設定
下記のようにコールの部分のみ赤くして目立てせてあります。
#!/bin/bash
# Required parameters:
# @raycast.schemaVersion 1
# @raycast.title mahoroba
# @raycast.mode fullOutput
# @raycast.packageName まほろばアスタリスク
# Optional parameters:
# @raycast.icon ✡︎
printf "%s\n" "明日 君と"
printf "%s\n" ""
printf "%s\n" "話す事を"
printf "%s\n" ""
printf "%s\n" "グルグル 考える"
printf "%s\n" ""
printf "%s\n" "1人の夜"
printf "%s\n" ""
printf "\033[31m%s\033[0m\n" "銀河に轟く歌声と"
printf "\033[31m%s\033[0m\n" "地球に花咲くその笑顔"
printf "\033[31m%s\033[0m\n" "お前が好きだと輝き叫ぶ"
printf "\033[31m%s\033[0m\n" "行くぜ全力どこまでも"
printf "\033[31m%s\033[0m\n" "光のごとく駆け巡る"
printf "\033[31m%s\033[0m\n" "好きじゃねぇ (手拍子)"
printf "%s\n" ""
printf "\033[31m%s\033[0m\n" "バーモス"
printf "\033[31m%s\033[0m\n" "ティグレ フェゴ シベル フィブラ"
printf "\033[31m%s\033[0m\n" "ブゾ ビブラル ヘルセイ"
printf "\033[31m%s\033[0m\n" "ボラーレ (手拍子)"
printf "%s\n" ""
printf "\033[31m%s\033[0m\n" "リンピアパラブリサス"
printf "%s\n" ""
printf "%s\n" ""
printf "%s\n" ""
printf "%s\n" "11月の夜空 賑わう"
printf "%s\n" ""
printf "%s\n" "冬に向け きらめきは強く"
まとめ
静的な情報を Raycast で瞬時に出力するミニマムな例を紹介しました。
これを応用することで、あらゆる情報を出力できるようになると思います。
参考までに自分は下記のような情報をこの方法で管理しています。
- 自社製品の価格表
- 急に営業さんに呼ばれてお客様と話すときに助かる
- 自社のインフラ構築の命名規則
- 頭に入っているつもりでも、最後にちらっと確認したくなる
- 年末調整の手順
- 年に一度しかないのでやること忘れがち
- 実施して詰まったところなどをメモしておくと助かる
最後に Raycast の強み・思想は、Raycast AI・Raycast Notes でも特徴的である ウィンドウのフローティング にあると思っています。
作業のコンテキストに影響を与えないレイヤーで、サクッと他の作業ができるという体験がもっと広まってほしいなと思います!
Raycast Advent Calendar 2025 が無事に完走できることを願っています!
追記:この記事の完成後に偶然見つけたのですが、Obsidian の拡張機能 がほぼ同じことができ、メモの管理も簡単そうなのでそちらのほうがおすすめかもしれません ... (今回のような用途だと Bookmarked Notes というコマンドがマッチしそう)


