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Amazon WorkDocs サービス終了事例から学ぶ「ライフサイクル管理」の重要性

Last updated at Posted at 2025-08-27

はじめに

クラウドサービスを利用する上で、そのライフサイクル管理は避けて通れない重要な課題です。サービスの終了は、ビジネスに大きな影響を及ぼす可能性があります。

本記事では、Amazon WorkDocsのサービス終了という具体的な事例を通して、サービスのライフサイクル管理の重要性とサービス終了時の適切な対応について説明します。

WorkDocs 終了の概要

WorkDocsは、AWSが提供していたクラウドベースのドキュメント管理・コラボレーションサービスです。ファイル共有、共同編集、バージョン管理などの機能を提供していましたが、2025年4月25日をもってサービスを終了しました。

WorkDocs 終了のタイムライン

AWSはWorkDocsのサービス終了について、2024年4月26日から2025年5月1日までの期間に合計17回にわたり、AWS Health Dashboard に情報提供することで利用者への対処を促してくれました。主なイベントは以下の通りでした。

1.最初のイベント

2024年4月26日にAWS Health Dashboard へWorkDocsのサービス終了に関する最初のイベントがありました。この時点で、サービスの終了と今後のスケジュールが示されました。

2.バナー表示開始

サービス終了日が近づいた2025年2月8日に、コンソール画面にもサービス終了を告知するバナーが表示され始めました。

WorkDocs_20250425.JPG

3.移行完了後のサイト削除

2025年2月22日には、イベントの内容に移行完了後、WorkDocs サイトを削除し不要な料金の請求を防ぐための具体的な手順と注意点が追加されました。

If you have successfully migrated your data and are satisfied with the migration process, you may proceed with deleting the WorkDocs site as outlined in the instructions [4]. This action will prevent unnecessary usage charges. Please note that deleting a WorkDocs site is irreversible, and data recovery is not possible once deleted.

4.最終調整

サービス終了直前の2025年4月7日には、イベントの開始時刻が1時間早まるという、細かな変更の通知もありました。

5.終了後のコンソール

サービス終了日を過ぎた2025年4月28日に確認したところ、この時点ではサイトは削除されず存在していました。また、コンソールのバナーのタイトルはサポート終了通知からAmazon WorkDocs のサポート終了に変わっており説明文も変更されていました。

WorkDocs_20250428.JPG

6.サイト完全削除

さらにその後、2025年5月7日にはAWSによってサイト自体が削除されたことを確認しました。

WorkDocs_20250507.JPG

残存リソース問題

今回のサービス終了で特に注意すべきは、WorkDocsと連携していたAWS Directory Serviceのリソースは、利用者が意図的に削除しない限り、WorkDocsの終了後も残ってしまう点です。
これは、WorkDocsに限らず、他のAWSサービスでも同様のことが起こると想定されます。

1.終了後のイベント

WorkDocsのサービス終了後、2025年5月23日にDirectory Serviceに関する課金変更のイベントが発生しました。
このイベントには、WorkDocsバックエンドの終了作業に伴い、Directory Serviceのリソースは削除されない旨が明記されていました。そして、2025年6月3日以降は、これらのDirectory Serviceリソースに対して課金が開始されるという内容でした。

Why am I not able to delete these directories before June 3, 2025?

As a follow-up from WorkDocs end-of-support on April 25, 2025, AWS will complete the WorkDocs backend decommissioning activities before June 3, 2025. Starting June 3, 2025, you should remove all associated WorkDocs directories from your AWS account.

Why am I receiving this email?

On June 2, 2025, your WorkDocs site(s) will be disassociated with the underlying Directory Services directory(ies). When this happens, your associated directory(ies) will start incurring billing charges. To avoid these charges, you should delete the affected directories beginning June 3, 2025 [1]. AWS will provide credits for any charges related to these directories upon request [2]. Please note that your eligibility for these credits will expire on August 3, 2025, if the directories remain active.

2.データ削除と残存リソース

サービス終了の期限を過ぎると、WorkDocsに保存されていたデータは削除されました。一方で、今回のケースでは、上記の理由でDirectory Serviceのリソースは削除されませんでした。

一般的に、基となるサービスが削除されれば、それに紐づくリソースも自動的に削除されると期待されます。しかし、本件のようにサービス終了期限を過ぎ、AWSによってサービスが削除された場合、連携するサービスのリソースは残るため、意図しない課金が生じる可能性を認識しておく必要があります。

まとめ

Amazon WorkDocsのサービス終了は、「サービスのライフサイクル管理」の重要性を改めて教えてくれました。今回のプロセスから、以下の具体的な対応や留意すべき点が見えてきました。これらは基本的なことかもしれませんが、クラウドサービスを安全に運用するために実践すべき重要なポイントです。

1. 事前準備と早期行動

AWSサービスに関する重要なイベントが通知されるよう事前に設定し、確実に把握できるようにすることが不可欠です。今回のWorkDocsの事例では、2024年4月26日の初回のイベント時点で、速やかに移行計画を立て、着手することが求められました。AWS Health Dashboardで提供される情報を、AWS User Notificationsなどの通知サービスを通じて、メール、Slack、モバイルアプリなどで受け取れるよう設定し、早期に把握して期限までに対処することが重要です。

2. 段階的な状況変化への対応と継続的な確認

移行作業が完了するまでは、スケジュールや内容に変更がないか継続的に確認し、対応できる体制を整える必要があります。WorkDocsの事例では、「移行完了後のサイト削除」で移行後のサイト削除手順が追加され、「最終調整」で開始時刻が1時間早まるといった、変化がありました。対処が完了するまで、これらの変化に対応できるよう、最新の情報を確認することが求められます。

3. 残存リソースへの注意と自発的な削除

サービス終了時は、連携するサービスのリソースの残存に注意し、不要なものは自ら削除することが重要です。今回のケースでは、WorkDocs削除後もAWS Directory Serviceのリソースが残りました。そのため、課金発生の可能性がありました。これは、基となるサービスが削除されても、それに紐づくリソースが自動的に削除されない場合があるという教訓です。意図しない課金を防ぐために、サービス終了時は関連するリソースの棚卸しと、不要なリソースの削除を徹底する必要があります。


クラウドサービスを利用するためには、そのライフサイクルを理解し、適切なタイミングで計画的な対応を行うことが不可欠です。

本記事が皆様のクラウド運用の一助となれば幸いです。

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