はじめに
デジタルデータの世界では、データ量を表すためのさまざまな単位が存在します。これらの単位を理解することは、コンピュータシステムやデータ通信の基礎を学ぶ上で非常に重要です。
本記事では、ビット、バイト、ニブル、オクテット、ワードといった基本的なデータ量の単位について詳しく解説します。
これらの単位は、データのサイズやメモリの容量、ストレージの容量などを表すために使われます。例えば、テキストファイルのサイズ、コンピュータの RAM やハードディスクの容量などです。
ビット
コンピュータ上では、あらゆるデータが 2 種類の電気信号 ( 0
と 1
に対応 )で表現されています。つまり、コンピュータ内部のデータは 2 進法によって表現されています。
コンピュータが扱うことのできるデータの最小単位はビット( bit )として表されます。ビットは、12b
(12 ビット)のように小文字の「b
」として表されることもあります。
ビットは 0
または 1
のいずれかの値を持つことができます。つまり、n ビットは 2n 通りのデータを表現できます。(例: 2 ビットでは 00
, 01
, 10
, 11
の 4 通り)
ビット | 1 | 2 | ... | n |
---|---|---|---|---|
データの種類 | 2 | 4 | 2n |
2 進数で数を表すときに、0110
のように上位の桁が 0
であっても 0
をそのまま記述することがあります。
これは、コンピュータ内部でその数を表すために何ビット使用されているかを明示するためです。例えば、00001010
は 8 ビットが使用されていることを明示しています。
ビットはコンピュータの最も基本的なデータ単位であり、全てのデジタルデータはビットの集合として表現されます。
バイト
ビット以外にコンピュータでデータ量を表す単位として、バイト(byte)があります。1 バイトは 8 ビットで構成されます。したがって、1 バイトでは 28 = 256 通りのデータを表現することができます。
バイト | 1 | 2 | ... | n |
---|---|---|---|---|
ビット | 8 | 16 | ... | 8n |
データの種類 | 28 | 216 | 224 |
コンピュータのメモリは、バイト単位で管理されており、1 バイトごとにアドレスと呼ばれる番号が割り振られています。
バイトは、厳密には 8 ビット以外を指すこともあります。必ず 8 ビットのことを指すものとして、後述するオクテットが使われます。
バイトの上位単位
データ量が大きくなると、キロバイト(KB)、メガバイト(MB)、ギガバイト(GB)、テラバイト(TB)など、バイトの上位単位が使用されます。これらの単位は 1024 の累乗で計算されます(2 の 10 乗 = 1024)。1 キロバイト(1 KB)は 1024 バイト、1 メガバイト(1 MB)は 1024 キロバイト、1 ギガバイト(1 GB)は 1024 メガバイト、1 テラバイト(1 TB)は 1024 ギガバイトに相当します。
単位 | ビット(bit) | バイト(Byte) |
---|---|---|
1 ビット | 1 | 1/8 |
1 バイト | 8 | 1 |
1 キロバイト (KB) | 8,192 | 1,024 |
1 メガバイト (MB) | 8,388,608 | 1,048,576 |
1 ギガバイト (GB) | 8,589,934,592 | 1,073,741,824 |
1 テラバイト (TB) | 8,796,093,022,208 | 1,099,511,627,776 |
ニブル
ニブル(nibble)は 4 ビットで構成される単位で、1 ニブルでは 24 = 16 通りのデータを表現することができます。
ニブルはバイトの半分の大きさで、16 進数の 1 桁です。1 バイト(= 8 ビット)のうち、上位 4 ビットを上位ニブル、下位 4 ビットを下位ニブルと呼ぶことがあります。
オクテット
オクテット(octet)は 8 ビットで構成される単位で、バイトと同義です。特にネットワークや通信分野でバイトと区別して使われることがあります。
ワード
ワード(word)は CPU が一度に処理できるデータ量を表す単位であり、コンピュータのパフォーマンスに影響を与えます。一般的に 16 ビット、32 ビット、または 64 ビットで構成されます。
- 16 ビット CPU:1 ワードは 16 ビット(2 バイト)
- 32 ビット CPU:1 ワードは 32 ビット(4 バイト)
- 64 ビット CPU:1 ワードは 64 ビット(8 バイト)
近年の CPU は 64 ビットが主流になっています。
おわりに
データ量を表す基本単位であるビット、バイト、ニブル、オクテット、ワードについて紹介しました。これらの単位を理解することで、デジタルデータの扱いやすさが増し、コンピュータシステムやネットワークの理解が深まります。