はじめに
皆さんはタスク管理、どうしてますか?
ソフトウェア開発系の業務であれば、何らかのプロジェクト管理ツール(兼ソースコードリポジトリ?)を使用していると思いますが、管理が必要な開発以外のタスクやTo Doも決して少なくないと思います。
期日だけであれば、Googleカレンダー等に入れてもよいのですが、状態・進捗管理や情報共有が必要なものも多いのが悩ましいところです。
kanban boardを使えば、期日・状態・進捗管理と情報共有が一箇所でできます。
Kanban boardとは
狭義では、日本のトヨタ生産方式が米国に渡ってソフトウェア開発手法として研究された、いわゆる「Lean software development」系開発で使用されるツールです。
製造業の「Visual signal」(見える化)と「Work In Progress (WIP) Limits; 仕掛り数制限」(pull生産; 後工程引取り)をソフトウェア開発向けに再構成・再定義したものと言って良いかと思います。よく、ホワイトボードに付箋を貼って行っている図を目にしますね。
アジャイル・スクラムにおけるKanban boardの運用の仕方は以下が詳しいです。
https://ja.atlassian.com/agile/kanban/boards
広義では、狭義のkanban boardの見た目だけを拝借して、タスク管理を行うツールを指します。(Wikipediaなら独自研究と言われますね)
とはいえ、実際には「狭義」の意義を支えるのは、ほぼ運用方法・運用ルールなので、ツールとしては広義/狭義は関係ないかもしれません。
以下に普通のタスク管理に(そして、アジャイル・スクラムにも)、Kanban boardとして使えるサービス、プラットフォームをご紹介します。
Trello
kanban boardによるタスク管理専用のサービスです。
操作・使い方も簡単で、かつ、無償プランでも十分に使えます。
プロジェクト管理ツールやLow-code platform (ロー・コード・プラットフォーム)未導入であれば、最も楽に始められるサービスではないでしょうか。
Jira
スクラムを意識したkanban boardが使用できます。
kanban boadにはissueの登録ができます。
GitHub
Project boardがあります。リポジトリに対して作成できます。
また、Organizationに対して作成して、組織・個人のリポジトリのリンクを含めることもできます。
Issue以外も登録できます。
開発に関係ない業務全般も個人のプライベート・リポジトリを1つ作ってしまえば、そこでタスク管理できますね。
GitLab
Project(注: ≒リポジトリ)に対するIssueのビューとしてIssue Boardが用意されています。
Project外およびIssue以外を登録することはできません。
但し、Group機能でGroupに所属する複数Projectを横断的にboard表示することはできます。
Projectに複数のboardを作るには有償プランにアップグレードする必要があります。
GitHub同様、開発以外のタスクも管理できそうです。
有償プランでは、バーンダウン・チャートも使えます。
Backlog
~~標準機能では用意されていませんが、~~OSSではこちらのbacklog-boardがあります。
2020年2月より標準機能として提供されるようになりました。(2020/3現在β)
Salesforce
新UI(Lightning Experience)では、すべてのオブジェクト(DBテーブルに相当)の標準の一覧画面で、kanban表示が可能です。
レコードや承認ワークフローを自由に定義できるのがメリットです。
カレンダー表示もできます。
注: データはdeveloper editionサインアップ時のデモ・データです。
やはり、営業担当者というのは、世界的にガチガチに状態管理され、発破をかけられる運命なのでしょうか?
Microsoft Planner
遅れてきた本命?かもしれないアプリです(2016年GA)。法人向けOffice 365の上位プランにのみ含まれているため、私自身は使用したことがありませんが、画面レイアウトはややTrelloに近いかと思います。チャット(Teams)、Outlook、添付ファイルはOne Driveと連携しており、タスク管理単体アプリのように情報が分散しません。
kintone
標準機能では用意されていませんが、公式のTipsではjkanbanを使ったカスタマイズを紹介しています。
私も、表示専用ですがkanban-board-for-kintoneを公開しています。
宜しければご活用ください。
2019-06-20 追記
DnDによるステータスおよびレーン変更に対応しました。
Salesforce同様、レコードや承認ワークフローを自由に定義できるのがメリットですね。
開発業務では、リポジトリとのissue連動が難しい(Webhookでできるかな?)ので、お薦めしません。
こちらも、カレンダー表示可能です。
Kanban Board App
拙作のアプリです。バックエンドはCouchDBを使用しています。
(サービス提供はしていませんので、各自静的サイトとしてホストしてご利用ください)
kanbanビューとカレンダービューを切り替えることができます。また、yamlでデータ・設定を一括編集できます。
Service workerを実装しており、またローカルDBとしてPouchDBを使用しているので、オフラインでも動作します。
こちらでホストしています。是非お試しください。
https://shellyln.github.io/knbn/#/
さいごに
煩わしい管理に手間は掛けたくないものです。
最初に一手間掛けて、kanbanで一箇所に集約して可視化すれば、手間も掛からず漏れも無くなります。
編集履歴
- 2019-06-10 初回作成
- 2019-06-20 kanban-board-for-kintone の記述を更新
- 2019-09-29 Microsoft Planner, kanban-board-app を追記
- 2020-03-03 Backlogの記述を更新