この記事はGitLab Advent Calendar 2025の11日目のエントリーです。
GitLabのドキュメントを日本語で読む・理解する・質問する
GitLab を使っていると、設定の背景を確認したり、機能の詳細を調べたりするために、製品ドキュメントを参照する場面がよくあります。
英語のまま読んでいる方もいれば、自動翻訳を併用して理解してきた方もいると思います。情報の正確さは高い一方で、英語があまり得意でない場合は、内容に理解するのに少し負担を感じる場面もあったのではないでしょうか。
その状況が、本日大きく変わりました。
2025 年 12 月 11 日、GitLab 公式の日本語ドキュメントサイト が公開されました。
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👉 https://docs.gitlab.com/ja-jp/
この公開によって、GitLab を日常的に利用するエンジニアや DevSecOps チームが、情報へアクセスしやすくなり、これまでよりスムーズに技術理解を深められるようになります。
さらに、昨今の AI ツールの進化によって、「読む」だけでなく「質問して理解する」 という新しい調べ方が生まれています。
ChatGPT / Claude / Gemini のようなAIツールと組み合わせることで、GitLab ドキュメントをナレッジベースとして扱い、対話形式で壁打ちや詳細仕様の確認、更には学習することができるようになりました。
この記事では、
- 公開された日本語ドキュメントがもたらす価値
- AI を使った、これからの “新しい調べ方”
- GitLab Docs を参照して回答する Claude(Project)の設定例
を紹介します。
1. 日本語ドキュメントによって情報アクセスのハードルが下がる
GitLab のドキュメントは非常に幅広く、CI/CD、Runner、Duo、セキュリティ、Geo、Kubernetes 連携など多くの領域を網羅しています。
たとえば、
- CI/CD の制御構文やパイプラインの構成
- GitLab Duo や AI 機能の仕様
- Geo レプリケーションの仕組み
- セキュリティスキャンや脆弱性管理のプロセス
- Runner や Executor の違い
など、情報は多岐にわたります。
今回の 日本語版ドキュメント公開 によって、これらの内容へより簡単に/日本語でアクセスできるようになりました。
2. GitLab 日本語ドキュメントの特徴
GitLab はドキュメントを「Docs-as-Code」として管理しており、英語版と同じプロセスで日本語版も生成・更新されます。
そのため:
- 最新版の情報がすぐ反映される
- 検索・ナビゲーションが日本語で統一される
- 未翻訳の箇所は英語に自動フォールバック
といった特長があり、安心して使える品質となっています。
👉 https://docs.gitlab.com/ja-jp/
3. 日本語ドキュメント × AI で学び方が変わる
日本語化の恩恵は非常に大きいですが、そこに AI を組み合わせると、ドキュメントの調べ方そのものが大きく変わってきます。
AI に GitLab Docs を参照させることで、
- Duo Agent Platform の構成を質問する
- 各エージェントの役割を理解する
- Self-hosted で AI を利用する場合の仕組みを確認する
- セキュリティスキャンの動作を整理する
- CI/CD の制御ロジックを対話的に確認する
といったことが、製品ドキュメントの堅苦しい文章から解放され、従来よりも速く正確に行えるようになります。
特に GitLab Duo Agent Platform や GitLab Knowledge Graph のような新しい概念は、質問して理解する方法が相性抜群 です。例えば「GKGについて教えて」と質問するだけで、体系だった説明と具体的な機能、具体的なアーキテクチャの説明までしてくれます!!(Claudeで試してみましたが、まぁわかりやすく、情報量の多いこと。こりゃプリセールスいらずですなぁ)
4. GitLab Docs を参照しながら回答する Claude Projects の設定例
ここでは、GitLab ドキュメントを参照しながら正確に回答する Claude の「Project(プロジェクト)」 の作り方を紹介します。
Claude Projects は、特定の指示・役割・ドキュメント参照ルールを恒常的に記憶させられる ため、GitLab の仕様を確認したい際には非常に重宝することウケアイです。
📘 Claude Project 用プロンプト例(日本語・推奨)
以下を Claude の Instructions にそのまま貼り付けてください。
あなたは GitLab の製品仕様・アーキテクチャ・CI/CD・セキュリティに詳しい技術アシスタントです。
回答を行う際は、必ず GitLab 製品ドキュメントを一次情報として参照し、参照したページの URL を回答内に明示してください。
参照先は以下とします:
- 日本語:https://docs.gitlab.com/ja-jp/
- 英語:https://docs.gitlab.com/
ルール:
1. 日本語ページが存在する場合は必ず日本語ページを優先すること
2. 日本語が未整備の場合のみ英語版を参照すること
3. バージョン差異や Edition(Free / Premium / Ultimate)の違いがある場合は説明すること
4. 回答の推測は禁止し、必ずドキュメントの根拠に基づくこと
5. リンク切れ・不明点がある場合は「ドキュメントに明記なし」と明確に述べる
最初の質問:
「GitLab Duo Agent Platform に含まれる各エージェントの役割を整理してください。」
このプロンプトは Claude に「推測ではなく、GitLab Docs を根拠に答える」という行動方針を強制することで、公式ドキュメントベースでの回答を実施するというガードレールになります。
4-1. Claude Projects の設定方法
以下は、Claude で GitLab 技術アシスタントを作る手順です。(ちなみにChatGPTでもGeminiでもほぼ同じ内容で問題ありません。Geminiとかは正確に回答するための様々なテクニックが推奨されていますが、私はこのプロンプト/インストラクションで問題なく使えています)
🔧 手順フロー
🔎 1. Claude にアクセス
https://claude.ai/
🔎 2. 左メニューの「Projects」を開く
ここに GitLab ドキュメントの専用アシスタントを登録します。
🔎 3. “New Project” を作成
名前はたとえば:
- GitLab Docs AI Assistant
- GitLab Expert Bot
- GitLab 技術仕様アシスタント
とかとかとか。
🔎 4. Project Description にプロンプトを貼り付ける
先ほど紹介したプロンプトをそのまま使用できます。
🔎 5. 保存して利用開始
以降、このプロジェクトから作成したチャットでは GitLab Docs を参照しながら技術回答してくれる AI として機能します。
プロジェクトに「スター」を付けておくと、左側のサイドバーに常に表示されるので便利ですよ。
この Claude Project を利用すると、以下のような高度な使い方も可能です:
- Duo Agent Platform の構成設計の壁打ち
- Runner / Executor の選択判断
- GitOps や Kubernetes との連携方法の整理
- ドキュメントの差分確認(英語 vs 日本語)
GitLab の幅広い領域に対して「正しく公式ドキュメントを根拠に回答する」アシスタントを誰でも作れるようになります。まさに 「AIプリセールスくん
」の誕生です !!
5. 新しい調べ方で GitLab をさらに使いこなす
GitLab は非常に広範な領域をカバーするプラットフォームです。
今回の日本語ドキュメント公開により、基本的な学習が以前よりずっと進めやすくなりました。
さらに AI を組み合わせることで、
- 読む(日本語ドキュメント)
- 調べる(検索・参照)
- 質問する(AI に壁打ち)
という 3 つのアプローチを自在に行き来しながら理解を深めていけます。
GitLab の理解をより深めたい方や、プロジェクトでの活用を加速したい方は、ぜひ日本語ドキュメントと AI を組み合わせた新しい調べ方を試してみてください![]()
🔗 まずはこちらから
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🇯🇵 日本語ドキュメント
https://docs.gitlab.com/ja-jp/ -
🇺🇸 英語ドキュメント
https://docs.gitlab.com/