健全なWebの危機
Mozillaがなくなるとどうなるか。
- ブラウザはBlinkとWebkitだけになり、
- GoogleとAppleの思惑ベースの、
- 標準化とは無縁な、
- Webという名前の独自企業プラットフォームができあがる
と考える。
もともと、MozillaはGoogleに資金の大半を依存している。
これはGoogleの独占に関する思惑な訳だが、同時に、「Google検索が廃れたらMozillaは終わる」ことを意味する。
Web標準に不可欠なMozillaが、いつでも消え失せる可能性がある状態は、まさに危機と言えるだろう。
EUの思想とMozilla
EUは、脱「IT基盤のアメリカ・中国への強い依存」を進めているわけだが、そのなかに「ユーザにブラウザの選択肢を与える」というものがある。
MozillaのGeckoが無くなったら、EUはこれを達成できなくなるのは明白だ。そうなってしまうと、EUはGAFAへの規制強化の「実行根拠」を失うことになりかねない。
EUがMozillaに気づくべき
EUには、GAFAに対する規制の実績も、資力もある。
例えば、EUがMozillaを支援した場合、現在はGoogleとAppleに傾きがちなW3Cの議論に、Mozillaを通して参加できる可能性がある。
支援云々はどうでもいいが、最悪の展開は、EUがMozillaの重要性に気づかないままMozillaが衰退することだ。
だから、まずEUはMozillaに気づくべきだと思う。