はじめに
Sequence MakerはExcelから測定器を制御可能にするアドインです。今回は友人(以下N氏)がSequence Makerを使用してA&Dの電子天びん(EK-iシリーズ)から測定値(質量)を取得できたとのことなので、記事にまとめておきます。
なお、Sequence Makerについての詳細は以下の記事を参照ください。
お断り
本記事の内容はSequence Maker開発元の公式見解ではなく、あくまでも個人が趣味の範囲内で執筆しているものです。記事の内容について開発元へ問い合わせることはお控えください。ご質問・要望などは各記事のコメント欄へお願いいたします。
電子天びん(EK-iシリーズ)
A&Dが発売している「コンパクト天びん EK-iシリーズ」は卓上で使えるコンパクトな電子天びんです。通信インターフェイスを搭載しているので、Sequence MakerのRS-232C通信を使用すると測定値をExcelに取り込むことができます。
(https://www.aandd.co.jp/products/weighing/balance/bal-personal/ek-i/ より引用)
RS-232Cでの接続
まずはPCと電子天びんをRS-232Cで接続する必要があります。パソコン側にRS-232Cのポートが無い場合は、USB-RS232C変換器などを使用しましょう。
そして、通常はPCと測定器をクロスケーブルで接続するのですが、EK-iはコンピュータとの接続にはD-sub 9ピンストレートケーブルを使用します。
(https://www.aandd.co.jp/pdf_storage/manual/balance/m_ekew-i.pdf より引用)
Sequence Makerのインターフェイス設定
Sequence Makerのインターフェイス設定を電子天びんの設定に合わせます。EK-iは通信スピード(ボーレート)とデータビットを設定可能です。デフォルトはボーレート2400bps、ビット長7ビット、even(偶数)となっています。
(https://www.aandd.co.jp/pdf_storage/manual/balance/m_ekew-i.pdf より引用)
今回は ボーレート9600bps、ビット長7ビット、even(偶数)で通信してみる ので、Sequence Makerでは以下のように設定しました。
通信コマンド
ここまで準備ができたら、あとはコマンドを送るだけです。EK-iシリーズでは3つのコマンドが用意されています。
(https://www.aandd.co.jp/pdf_storage/manual/balance/m_ekew-i.pdf より引用)
測定値(質量)を取得する場合は、
Q
を送るだけです。ただし、Sequence Makerではコマンドに「?」が含まれていないと、送信後に受信をしてくれないので、強制的に受信するためにSequence Makerの専用コマンドと組み合わせて
#QUERY(Q)
こんな感じに送ります。
実際にやってみると…
ほらできた。これでもういろんなものの質量を精度良く測りまくれる!!
測定値がなんか👻化けるんだけど?
さて、一発で上記のようにうまくいけば良いのですが、今回N氏の場合は文字化けが発生してしまいました。以下のような感じです。
なんだか部分的に測定値が取れているような気もしますが、、、??やっぱりおかしい。化けている。
このようになるのはEK-iで設定しているビット長と、Sequence Makerで設定しているビット長が合っていないためです。例えば、EK-iのビット長の設定が:7bit/evenでSequence Makerの設定が8bit/Noneだと…
こんな感じに中途半端に化けます。ビット長の設定をちゃんと合わせれば大丈夫なはずです。
全く応答が返ってこないんだけど?
使用しているRS-232Cケーブルがストレートケーブルか確認しましょう。
ケーブルの種類がわからなければ、ケーブル両端をテスターであたってみましょう。1pinから9pinが以下のように結線されていればストレートケーブルです。
まとめ
今回はN氏がSequence Makerで電子天びんを制御した内容を記事にしてみました。通信ができるようになれば、あとは好きなタイミングで測定値が取得できるので、いろいろな事に使えると思います。
おまけ
EK-iの取説の最後に重力加速度マップが載っていて感動した!
重力加速度を使ってキャリブレーションできるらしい。
(https://www.aandd.co.jp/pdf_storage/manual/balance/m_ekew-i.pdf より引用)