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インフィニティ、ページネーション、もっと見る... は、けっきょくどれ?

Last updated at Posted at 2020-03-23

インフィニティ、ページネーション、もっと見る... は、けっきょくどれ?

  • Web UIにおいて頻出するリスト表現
    • リストUI、フィードリスト などと呼ばれる
    • 複数の情報ブロックが縦に、あるいは数カラムのグリッド構造などで羅列された、リスト状のUI
    • Twitter、Facebook、Instagram ともに、メインUIにリスト構造が採用されている
    • Google 検索結果もリスト構造
  • リスト表現の多くは、対象情報の件数が多量になる場合がある
    • 1回の表示件数を数十件以内に抑えて、UX や Webパフォーマンス を担保することが一般的
      • 情報の続きを追加表示する手段を提供する必要がある
  • 情報の続きを追加表示する手段の例
    • インフィニティスクロール
    • ページネーション
    • 前後ボタン
    • "もっと見る"ボタン
  • 本考察においては表示デバイスをスマートフォンと仮定する
  • 遷移やリクエストなどの各挙動ごとにURLは書き換えられ、SEO性は担保できていると仮定する

情報の続きを追加表示する手段

インフィニティスクロール

  • インフィニティスクロール、無限スクロール、ロングスクロール、Infinite scroll、Infinite Scrolling などと呼ばれる
  • ユーザーのスクロール操作により1回分の情報表示の終端が表示される際に追加情報を表示する
  • SNS(SP UI) の多くが採用

ページネーション

  • ページネーション、ページング、ページャー、Paging、Pagination などと呼ばれる
  • 書籍における"ページ"に例えて2ページ目、3ページ目のように追加情報を遷移表示する
  • PC UIにおいて散見される
  • スマートフォン UIでは限られた画面サイズの中で十分なUXを提供しづらい場合がある
  • ebay が採用

ebay の ページネーション ナビゲーション

https://www.ebay.com/

前後ボタン

  • 市場においてこのUIについての呼び名が存在するかどうか不明...
  • 前ページ、次ページのみの遷移ナビゲーション
  • 1回分の情報表示の終端に前ページ、次ページへの遷移ボタンのみ配置される
  • ページネーションのページ数リンク部分を削除したようなナビゲーションデザイン
  • Airbnb、Amazon が採用

Airbnb の 前後ボタン ナビゲーション

https://www.airbnb.jp/

Amazon の 前後ボタン ナビゲーション

https://www.amazon.co.jp/

"もっと見る" ボタン

  • もっと見るボタン、Show more button、Load more button などと呼ばれる
  • 1回分の情報表示の終端に「もっと見る」等とラベリングされたボタンを配置する
  • ユーザーのボタンタップ操作により追加情報を表示する
  • Google検索結果が採用

Google検索結果 の "もっと見る" ボタン ナビゲーション

https://www.google.com/

ユーザー観点における比較

インフィニティスクロール

  • ユーザーにとって、操作コストが低い
  • 機能に対するUIパーツが一切不要
  • ユーザーに、画面の状態に応じて"自動的に処理してくれている"感覚を提供する
  • ユーザーにとって、操作の"主導権を奪われている"感覚を与える可能性がある

ページネーション

  • ユーザーに対して操作コストを要求する
  • "ページ"というメタファにより、情報の全量や序列を把握しやすい
  • ユーザーに、堅苦しいイメージを与える可能性がある

前後ボタン

  • ユーザーに対して操作コストを要求する
  • 情報の全量や序列を感覚的に伝える装置が排除されている
  • シンプルなUIが提供できる
  • ユーザーに要求する操作は簡潔
  • 1アクションの操作が簡潔であるがゆえに、操作コストに納得感を得られない可能性がある

"もっと見る" ボタン

  • ユーザーに対して操作コストを要求する
  • シンプルなUIが提供できる
  • ユーザーに要求する操作は簡潔
  • 1アクションの操作が簡潔であるがゆえに、操作コストに納得感を得られない可能性がある

メリデメ(pros and cons)による比較

インフィニティスクロール

メリット pros

  • ユーザーアクションコストが低い
  • コンテンツ利用の集中力が持続しやすい
  • 利用しやすいと感じられるケースが多い

デメリット cons

  • 再訪性へのケアが必要
  • 遷移フロー設計のコストが高い
    • 遷移フローが破綻しないための仕様定義
    • 大量に表示したリストから遷移後のもどるボタンの挙動へのケア
  • コンテンツフッターを基本的には配置できない
  • 大量にスクロールした場合のブラウザパフォーマンスへのケアが必要
  • スクリーンリーダーユーザーにとって意図しない挙動へのケアが必要

ページネーション

メリット pros

  • 画面フローが破綻しない
  • ユーザーにとって自身の操作の状態を把握しやすい

デメリット cons

  • ユーザーに対して操作を要求する
  • スマートフォンUIにおいてUXが減損する場合がある

前後ボタン

メリット pros

  • 画面フローが破綻しない

デメリット cons

  • ユーザーに対して操作を要求する
  • ユーザーにとって自身の操作の状態を把握しづらい

"もっと見る" ボタン

メリット pros

  • アクションが直感的でハードルが低い
  • コンテンツ利用の集中力が途切れにくい

デメリット cons

  • ユーザーに対して操作を要求する
  • 再訪性へのケアが必要
  • 遷移フロー設計のコストが高い
    • 遷移フローが破綻しないための仕様定義
    • 大量に表示したリストから遷移後のもどるボタンの挙動へのケア
  • 大量にリストを表示した場合のブラウザパフォーマンスへのケアが必要

著者の個人的な所感まとめ

  • あくまで著者の予測であり、検証には開発実践やユーザーテストによるエビデンスが必要

インフィニティスクロール

  • メリデメの数に比例して要件仕様も増大するため、実装コストは他の選択肢と比較するとはるかに大きくなる
  • 再訪再現性のケアに関するコストが高い
  • ユーザー満足度は高いため、実装コストが十二分にかけられる場合は選択したい
  • アクセシビリティ課題にどう取り組むか、も、選択のポイント

ページネーション

  • 安心確実な実装
  • スマホUIにおいては、面積をとりすぎたり、省スペース化するため本来の効果が得にくい
  • 実装コストはそこまで低くないので、得られる結果を考慮するとコストパフォーマンスが高いとは言えない

前後ボタン

  • スマホUIにおいて割り切った実装であり、ユーザーにとって直感的で抵抗が少ないことが期待できる
  • アウトプットに対する実装のコストパフォーマンスが優れていると判断できる

"もっと見る" ボタン

  • シンプルではあるがインフィニティスクロールの半分程度の要件仕様は発生する
  • インフィニティスクロールと同様、再訪再現性のケアに関するコストが高い
  • 実装コストに一定以上の余裕があれば選択肢になる
  • もっと見るボタンと前後ボタンのABテストが必要と感じる
    • どこかに実績があれば教えてください m(_ _)m

最後に

  • 以上は4者択一とは限らない
    • 4者のうち2者複合のような実績も存在する
    • ユーザー選択式のようなアイディア提案もなされている
  • また、以上の4択以外の定番も今後間違いなく生まれてくる
  • つまり、新定番を発明する余地がまだまだ存在する分野である
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