1. はじめに
これは「imtakalab Advent Calendar 2024」の15日目の記事です。
2. 著者について
- 私立理系大学の学部4年生
- 基礎数学勉強会(微分積分学)担当者
- とうとう「卒論」が迫ってきてかなり追い詰められている💦
3. 対象読者
- 研究室のメンバー
- 画像処理に興味を持っている方
4. 背景
私たちの生活の中で、画像や映像は欠かせない存在であり、付随して 、さまざまな場面で画像処理技術が活用されています。
僕自身、最近になって「Instagram」を使い始めた影響で、写真を撮影したり、それらを加工する機会が増えてきました(笑)
本記事では、フーリエ解析がどのように画像処理に応用されているのかをわかりやすく解説します。身近な画像加工技術を通じて、数学の持つ応用力と可能性に興味を持って貰えると嬉しいです!
5. フーリエ解析とは?
フーリエ解析とは、「フーリエ級数展開」や「フーリエ変換」などの数学的なテクニックを駆使して、「複雑な波」を「単純な波の足し合わせ」で表すことで、さまざまな波や信号を解析する手法のことです。
$$
f(x) = (\frac{\pi}{4}) \lbrace \sin x + \frac{1}{3}\sin{3x} + \frac{1}{5}\sin{5x} + \cdots + \frac{1}{2m-1} \sin(2m-1)x \rbrace
$$
上の式で、足し合わせる sin
関数(単純な波)の個数を徐々に増やしていくと、波の形が「方形波」と呼ばれる四角い波(複雑な波)に近づいていきます。
そして、「複雑な波」は「ある関数のグラフ」として見做せ、これをフーリエ級数の形(sin
関数とcos
関数の無限の足し合わせ)で表すことが可能です。
ここで重要なことは、適切なフーリエ係数を設定することであり、この値を求めるには「三角関数の直交性」が関わってくる。そして、ここでは積分計算が必要になっているが、そこまでの解説は本記事では行いません。
6. フーリエ解析と画像処理
これまでは「1次元の波」の例として音声信号を扱いましたが、画像は2次元のデータであるため、2次元フーリエ変換を利用します。2次元フーリエ変換を使うと、画像の「周波数成分」を抽出し、さまざまな画像処理が可能になります。
1. 周波数成分とは?
画像の周波数成分は、以下のように解釈できます:
- 低周波成分: 全体の輪郭や背景など、ゆるやかな変化を含む情報
- 高周波成分: エッジやディテールなど、急激な変化を含む情報
たとえば、写真の中で滑らかなグラデーションは低周波成分に、シャープな輪郭や細かな模様は高周波成分に該当します。
2. フーリエ変換を使った画像処理の例
フーリエ解析を利用すると、画像データに対して以下のような処理を行うことができます:
-
ぼかし処理(ローパスフィルタ)
高周波成分を除去することで、画像をぼかします。これにより、ディテールを隠して全体を滑らかにすることが可能です。モザイクやぼかし処理の基礎にもなっています。 -
シャープ化(ハイパスフィルタ)
低周波成分を抑え、高周波成分を強調することで、画像の輪郭や細部をシャープにできます。 -
ノイズ除去
ノイズは通常、高周波成分として現れます。適切な周波数フィルタをかけることで、画像のクオリティを向上させることができます。
下記のリンクでは、実際のプログラムがあります。
7. おわりに
いかがでしたでしょうか?
フーリエ解析は、単なる数学的なテクニックにとどまらず、画像処理や信号処理など、私たちの生活に深く関わる技術を支えています。
ぜひ、次に写真を加工したり、画像を扱ったりする際には、その裏に隠された数学の力を思い出してみてください。
拙い文章ですが、読んでくださり、ありがとうございました😁