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DAMA-DMBOKの11の知識領域と関連フレームワークについて

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データマネジメントを体系的に学ぶ中で、DAMA-DMBOKについて、自分なりに整理してみました。


1. DAMA-DMBOKの11の知識領域

DAMA-DMBOK(Data Management Body of Knowledge)は、データマネジメントにおけるベストプラクティスを体系的に整理したフレームワークで、以下の11の知識領域で構成されています。

領域名 概要
データガバナンス データやデータ関連資源の管理と利用に関する計画、監視、統制を行うプロセス群。組織全体の「仕組み」を作る重要な領域。
データアーキテクチャ エンタープライズアーキテクチャの一部としての、データおよびデータ関連資源の構造を設計する。
データモデリングと設計 データ要件の分析、設計、構築、テスト、保守を行う(旧版DMBOKでは「データ開発」と呼ばれていた領域)。
データストレージと運用 構造化データの物理的な保存、配備、管理に関わる活動(旧版では「データ運用」)。
データセキュリティ プライバシー、機密性、アクセス制御を確保し、個人情報やネットワークの保護を実現。
データ統合と相互運用性 データの取得、抽出、変換、移動、複製、仮想化などを通じて、統合的な活用を支援。DMBOK2から新たに加わった領域。
文書とコンテンツ管理 非構造データ(電子ファイル、紙文書など)の保護、インデックス化、アクセス制御を実施し、構造化データとの連携を可能にする。
リファレンスデータとマスターデータ 重複を排し、標準的な定義と使い方によって、共有データの品質を維持する。
データウェアハウスとBI 意思決定支援のためのデータ分析環境の管理と整備。
メタデータ管理 メタデータの収集、分類、保守、制御、提供などを通じて、データの文脈と意味を明確化。
データ品質 データの正確性・完全性・一貫性を定義、監視、維持し、品質向上に取り組む。

2. Peter Aiken's Data Management Framework(ピラミッド)

Peter Aiken氏のフレームワークでは、データマネジメントの成熟度をピラミッド構造で表現しています。下層ほど基礎的で必須、上層ほど応用的な領域となっており、下が整っていなければ上は成立しません。

ピラミッド構造の概念:

  1. インフラ管理(Storage/Access)

  2. 統合(Integration)

  3. 管理(Governance/Quality)

  4. インテリジェンス(BI/Analytics)

この構造を理解することで、「分析の前にデータの土台整備が必要」という本質を捉えることができます。


3. ゆずたそ氏の「データマネジメントが30分でわかる本」

この書籍は、難解になりがちなデータマネジメントの世界を、やさしく・実践的に・テンポ良く解説した良書です。印象に残ったポイントをいくつかピックアップします:

  • データマネジメントは「仕組み作り」である
  • 組織におけるデータの役割を「人」「プロセス」「ツール」の視点で整理することが重要
  • DAMAの11領域を理解することは、実務での応用力を高める近道
  • 「ガバナンス」はルール押し付けではなく、“目的に向けて仕組みを整える”行為である

この本のおかげでDMBOKの抽象的な概念が現場感覚で理解できました。


まとめ

データマネジメントを体系的に学ぶことで、現場での「なぜこの取り組みが必要なのか?」に対する納得感や判断基準が強化されました。今後も実践の中でフレームワークを参照しつつ、地に足のついたデータ活用を目指していきたいと思います。


各知識領域における注意点と留意事項(個人的メモ)

知識領域 注意すべきこと 頭の片隅に置いておくべきこと
データガバナンス 単なるルール押し付けでは機能しない 組織文化に合わせた“合意形成”が肝
データアーキテクチャ 技術優先でなく業務要件と整合させる EA(エンタープライズアーキテクチャ)との連携を意識
データモデリングと設計 現場の実態と乖離しない設計が必要 モデルは生き物。定期的な見直しが重要
データストレージと運用 パフォーマンスとセキュリティのバランスを取ること 可観測性(モニタリング)も設計の一部
データセキュリティ 全部ロックすると逆に業務阻害になる 利用者視点のアクセス制御が鍵
データ統合と相互運用性 サイロ化したデータの存在を前提とする データカタログやAPI設計の整備が効果的
文書とコンテンツ管理 「非構造」ゆえに放置されがち 検索性とアクセス制御の両立が重要
リファレンス&マスターデータ 「誰が正なのか?」を曖昧にしない ガバナンス体制(RACI)が明確か
DWH&BI 技術導入だけでは使われない ユースケース起点で考えること
メタデータ管理 書かれない・更新されない課題がある 業務と連携した“メタデータ文化”が必要
データ品質 “正しい”の定義は業務によって異なる 品質KPIは定義・継続運用が命
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