言語処理100本ノック 2015の挑戦記録です。環境はUbuntu 16.04 LTS + Python 3.5.2 :: Anaconda 4.1.1 (64-bit)です。過去のノックの一覧はこちらからどうぞ。
第5章: 係り受け解析
夏目漱石の小説『吾輩は猫である』の文章(neko.txt)をCaboChaを使って係り受け解析し,その結果をneko.txt.cabochaというファイルに保存せよ.このファイルを用いて,以下の問に対応するプログラムを実装せよ.
###42. 係り元と係り先の文節の表示
係り元の文節と係り先の文節のテキストをタブ区切り形式ですべて抽出せよ.ただし,句読点などの記号は出力しないようにせよ.
####出来上がったコード:
# coding: utf-8
import CaboCha
import re
fname = 'neko.txt'
fname_parsed = 'neko.txt.cabocha'
def parse_neko():
'''「吾輩は猫である」を係り受け解析
「吾輩は猫である」(neko.txt)を係り受け解析してneko.txt.cabochaに保存する
'''
with open(fname) as data_file, \
open(fname_parsed, mode='w') as out_file:
cabocha = CaboCha.Parser()
for line in data_file:
out_file.write(
cabocha.parse(line).toString(CaboCha.FORMAT_LATTICE)
)
class Morph:
'''
形態素クラス
表層形(surface)、基本形(base)、品詞(pos)、品詞細分類1(pos1)を
メンバー変数に持つ
'''
def __init__(self, surface, base, pos, pos1):
'''初期化'''
self.surface = surface
self.base = base
self.pos = pos
self.pos1 = pos1
def __str__(self):
'''オブジェクトの文字列表現'''
return 'surface[{}]\tbase[{}]\tpos[{}]\tpos1[{}]'\
.format(self.surface, self.base, self.pos, self.pos1)
class Chunk:
'''
文節クラス
形態素(Morphオブジェクト)のリスト(morphs)、係り先文節インデックス番号(dst)、
係り元文節インデックス番号のリスト(srcs)をメンバー変数に持つ
'''
def __init__(self):
'''初期化'''
self.morphs = []
self.srcs = []
self.dst = -1
def __str__(self):
'''オブジェクトの文字列表現'''
surface = ''
for morph in self.morphs:
surface += morph.surface
return '{}\tsrcs{}\tdst[{}]'.format(surface, self.srcs, self.dst)
def normalized_surface(self):
'''句読点などの記号を除いた表層形'''
result = ''
for morph in self.morphs:
if morph.pos != '記号':
result += morph.surface
return result
def neco_lines():
'''「吾輩は猫である」の係り受け解析結果のジェネレータ
「吾輩は猫である」の係り受け解析結果を順次読み込んで、
1文ずつChunkクラスのリストを返す
戻り値:
1文のChunkクラスのリスト
'''
with open(fname_parsed) as file_parsed:
chunks = dict() # idxをkeyにChunkを格納
idx = -1
for line in file_parsed:
# 1文の終了判定
if line == 'EOS\n':
# Chunkのリストを返す
if len(chunks) > 0:
# chunksをkeyでソートし、valueのみ取り出し
sorted_tuple = sorted(chunks.items(), key=lambda x: x[0])
yield list(zip(*sorted_tuple))[1]
chunks.clear()
else:
yield []
# 先頭が*の行は係り受け解析結果なので、Chunkを作成
elif line[0] == '*':
# Chunkのインデックス番号と係り先のインデックス番号取得
cols = line.split(' ')
idx = int(cols[1])
dst = int(re.search(r'(.*?)D', cols[2]).group(1))
# Chunkを生成(なければ)し、係り先のインデックス番号セット
if idx not in chunks:
chunks[idx] = Chunk()
chunks[idx].dst = dst
# 係り先のChunkを生成(なければ)し、係り元インデックス番号追加
if dst != -1:
if dst not in chunks:
chunks[dst] = Chunk()
chunks[dst].srcs.append(idx)
# それ以外の行は形態素解析結果なので、Morphを作りChunkに追加
else:
# 表層形はtab区切り、それ以外は','区切りでバラす
cols = line.split('\t')
res_cols = cols[1].split(',')
# Morph作成、リストに追加
chunks[idx].morphs.append(
Morph(
cols[0], # surface
res_cols[6], # base
res_cols[0], # pos
res_cols[1] # pos1
)
)
raise StopIteration
# 係り受け解析
parse_neko()
# 1文ずつリスト作成
for chunks in neco_lines():
# 係り先があるものを列挙
for chunk in chunks:
if chunk.dst != -1:
# 記号を除いた表層形をチェック、空なら除外
src = chunk.normalized_surface()
dst = chunks[chunk.dst].normalized_surface()
if src != '' and dst != '':
print('{}\t{}'.format(src, dst))
####実行結果:
以下、結果の先頭部分です。
吾輩は 猫である
名前は 無い
まだ 無い
どこで 生れたか
生れたか つかぬ
とんと つかぬ
見当が つかぬ
何でも 薄暗い
薄暗い 所で
じめじめした 所で
所で 泣いていた
ニャーニャー 泣いていた
泣いていた 事だけは
事だけは 記憶している
吾輩は 見た
ここで 始めて
始めて 人間という
人間という ものを
ものを 見た
結果全体はGitHubにアップしておきました。
###記号の除去
記号の除去は、品詞(Morph.pos
)が記号
のものを除く実装にしました。前問で作ったChunkクラスにnormalized_surface()
を追加し、そこで記号を除いた表層形を返すようにしています。
それ以外のクラスや関数は前問のままです。
43本目のノックは以上です。誤りなどありましたら、ご指摘いただけますと幸いです。
実行結果には、100本ノックで用いるコーパス・データで配布されているデータの一部が含まれます。この第5章で用いているデータは青空文庫で公開されている夏目漱石の長編小説『吾輩は猫である』が元になっています。