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非同期処理と同期処理の違い(Promiseの例)

Last updated at Posted at 2023-08-26

モチベーション

「複数の仕事をする際に、反応を待たないで次の処理を実行する」という概念を現実的なシナリオに当てはめてみます。あなたのライフスタイルを通じて、非同期処理の考え方を理解しましょう。

非同期のライフスタイル

あなたは趣味でトマトをプランターで栽培しています。最初に、トマトの種をプランターの土に埋めました。トマトの成熟するまでの時間は分からないものの、実ったら美味しいカプレーゼを楽しもうと妄想します。その後、あなたはいつも通りの生活を過ごします。

あなたはプログラマーで、いつも家の窓際でPC作業をしています。時々窓の外に目を移して、プランターの様子を伺います。

2か月後、ついにその日がやってきました。赤いトマトが実ったのです!計画通り、トマトでカプレーゼを作ることにしました。トマトをスライスし、モッツァレラチーズと交互に並べ、オリーブオイルを完成!そして、辛口の白ワインと舌鼓、ああ、至福の時間…。

解説

この場合、あなたの振る舞いは非同期的です!あなたはトマト栽培とプログラミングのタスクを抱えていますが、トマトの成熟する間に他の作業もこなしています。もしいつ成熟するか分からないのにプランターの前で座していれば、プログラミングの仕事も進まないでしょう。実に賢明です。

そして、トマトが実ったら、待ってましたとばかりにカプレーゼに仕立て上げた手際も見事です!前々から調理するところを妄想していましたからね。

このように、トマトの成熟を待つ間に他の作業をこなし、成果を最大にする姿勢は非同期処理のイメージそのものです。

Promiseの例

このシナリオをTypeScriptで表現すると以下のようになります。

function live() {
  const tomatoEnjoy = new Promise<string>((resolve) => {
    // トマトが成熟する、これは時間がかかる処理
    // resolve(トマト);
  });

  tomatoEnjoy.then((トマト) => {
    // トマトをスライスする
    // トマトとチーズを交互に並べる
    // オリーブオイルをかける
    // 白ワインと一緒に楽しむ
  }).catch((error) => {
    // トマトが枯れてしまった…
  });

  // ここで、プログラミングの仕事を繰り返す
}

live();

Promiseを使った場合、then()の中でPromise完遂した時(トマトが実った後)にどうするかを記述することになります。また、catch()の中でPromise失敗した時(トマトが枯れた後)にどうするかを記述できます。

同期のライフスタイル(?)

もしくは、あなたはプランターの前でトマトが実るのを待つかもしれません。実る時期も、実るかどうかすら分かりません。それでもカプレーゼが楽しみで仕方がないのです!

Promiseの例

プログラマーの仕事(それだけでなく、食事や睡眠も!)をカプレーゼの後に行うことを選ぶなら、トマトの成熟をawaitしましょう。

async function live() {
  const tomatoEnjoy = new Promise<string>((resolve) => {
    // トマトができる、時間がかかる処理
    // resolve(トマト);
  });

  await tomatoEnjoy.then((トマト) => {
    // スライスする
    // チーズと交互に並べる
    // オリーブオイルをかける
    // 白ワインと一緒に楽しむ
  }).catch((error) => {
    // トマトが枯れてしまった…
  });

  // ここで、プログラミングの仕事を処理を繰り返す
}

live();

ここで、live()メソッドにも async キーワードが付加されていることに注目してください。awaitを使用する際には、それを含むメソッドをasyncに変更する必要があります。つまり、live()メソッド全体を非同期にします。

解説

こんなふうに考えるかもしれません。「トマト栽培とプログラミングを順番=同期的に行ったのに、どうして非同期なんだ!?」と。

じっくりと考えてみましょう。あなたがプログラミングの仕事に取りかかるタイミングは、いつトマトが実るかに影響されています。あなたの上司は、あなたがいつ与えたタスクを完了してくれるのか分かりません。あなたの奥さんは、あなたがいつ植木鉢とのにらめっこをやめて、家事を手伝ってくれるのか分かりません。

確かにあなたは自分の行動を同期的に進めています。しかし、あなたの周囲の人々にとって、あなたの生活は非同期的すぎるのです!おそらく、トマトが終わるのを見計らって、上司から次のタスクを、奥さんからお皿洗いの手伝いを頼まれるでしょう。

トマトを栽培しつつ、同期的に生活する(かつ、人間関係を損なわない)なんて無理な話なのです。トマトが成熟するタイミングが分からないのですから…

おまけ:動くコード

ぜひ、TypeScript Playgroundで試してみてください。

function live() {
  const tomatoEnjoy = new Promise<string>((resolve) => {
    let crop = 'tomato';
    let harvestPeriod = 5000;

    // 収穫に失敗した場合
    // throw new Error();

    // 収穫に成功した場合
    setTimeout(() => {
      resolve(crop);
    }, harvestPeriod);
  });

  // ここにawaitを加えることで、トマトの成長を待つことができる
  // その場合functionの先頭にasyncを加える
  tomatoEnjoy.then((crop: string) => {
    console.log('Cooking!');
    console.log('Enjoy ' + crop + '!');
  }).catch((error) => {
    console.log('Failure...');
    console.log(error);
  });
  
  console.log('programming life...');
}

live();

TypeScript初学者なので、解釈が間違っていることもあるかもしれません。何かお気づきの点がございましたら、ご指摘いただけると幸いです。

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