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プロジェクトの始まりでは、まず"価値観"をすり合わせよう!

Last updated at Posted at 2025-03-21

こんにちは、株式会社Schooのタキザワです。

今回は、プロジェクトの始まりでは、まず"価値観"を合わせることが大事だよね、という気づきがあったので、背景やそれを踏まえ今回行った取り組みを、Schooの開発現場の雰囲気と合わせて、お話したいと思います。

ここでお話すること

  • 取り組みの紹介
  • この取り組みをするに至った背景
    • プロジェクトの始まりではどのような問題が発生したのか
    • 課題は何だったのか

想定読者

  • 議論が平行線になりがちなプロジェクトに在籍するマネージャーやメンバー

取り組みの紹介

私がマネジメントを担当しているプロジェクトにて、オフサイトミーティングという形で
キックオフミーティングを開催しました。
今回は、私を含め、プロジェクトに主として関わる17名のメンバーに参加してもらいました。

個人の基本的な価値観への理解

まず、個人の基本的な価値観への理解促進として、wevox社の価値観カード (values card)を活用しました。

4名または5名のグループになるように分かれ、それぞれのグループでワークショップをしましたので、それを通して分かってきたSchooメンバーの価値観を一部紹介したいと思います。

プロダクトマネージャーの価値観
プロダクトマネージャー
デザイナーの価値観
デザイナー
エンジニアの価値観1
エンジニア
エンジニアの価値観2
エンジニア
プロジェクトマネージャー(私)の価値観
プロジェクトマネージャー(私)

改めて、このプロジェクトは多様な価値観を持つメンバーで構成されていることが分かりました。(改めて、とはどういうことかについては後述します。)

やってみて良かったと感じた点は次のとおりです。

  • 懇親会1でも会話のきっかけとなっており、メンバーに興味を持つことへの一助となった
  • カードの取捨選択を通して、普段あまり考えられていない「自身の価値観」に向き合うことで自身への理解が深まった
    • 「おもしろい」というカードを引いたときに、「面白くなければいい仕事にならない」と新卒のころに先輩から言われたことが、今でも自分自身の考え方に根付いていると気づきました
    • やはり体調は大事ですね!(年齢を重ねるたびに強まっています)
  • なぜそのカードを捨てるのか、という理由の共有のときにSchooのフィロソフィーと照らしてどう考えたのかという会話が多く出ており、Schooのフィロソフィーをどう捉えているのかを知ることにも繋がった
    • 「学習を捨てます。学習が大切じゃないというわけではなくてもはや前提だから、あえて手元に残してフィーチャーする必要はないかなと思いました」という会話が印象に残っています

プロジェクトに対する価値観

個人個人の価値観が見えてきたところで、次のトピックとして「プロジェクトで大事にすべきことは何か」を付箋に書き出し、議論を深めました。

全体像の雰囲気
(雰囲気をお伝えするため、画像は加工した状態で掲載しています)

その中でも、一部取り上げてご紹介したいと思います。

僕らはワンチーム

「僕らはワンチーム」だよね、という大前提の認識合わせであったり、

3秒はぬるい

Aさん(プロダクトマネージャー)「サイトは3秒以内に表示されてほしいと思ってます」
Bさん(エンジニア)「3秒はぬるいです!」
Aさん(プロダクトマネージャー)「3秒はちょっと遠慮しちゃってたかも、1秒がいいですね」

といったプロダクトへのチャレンジングな目標に関する会話がありました。

また、開発の進め方では、

ミーティングの是非

Dさん(プロダクトマネージャー)「MTG2はどんどんしよう」
Eさん(エンジニア)「MTGが多くて作業が進まないので減らしたい」

といった対立項に関する議論であったり、

及第点を目指す

完璧を目指すのではなく、及第点(80点)を目指して、及第点になったらどんどんリリースしていこう、といった温度感についても認識合わせができ、有意義な時間となったと思います。

この取り組みをするに至った背景

ここからは、上記の取り組みに至った背景についてお話します。

今回取り上げたプロジェクトは、最近発足したプロジェクトチームで、特にプロジェクトに関わるメンバーについて以下の状況でした。

  • メンバーの参画状況や関係性が多種多様
    • 気心が知れた仲
    • 顔と名前は知っているけれど一緒のチームで働いたことはない
    • 最近Schooに参画した
  • 関わる職種も多種多様
    • プロジェクトオーナー
    • プロジェクトマネージャー
    • プロダクトマネージャー
    • アドバイザー
    • デザイナー
    • QAエンジニア
    • アプリケーションエンジニア
    • インフラエンジニア

また、プロジェクトに関わるステークホルダーも多く、連携に難しさを伴うこのような状況でプロジェクトを成功させるには、プロジェクトが目指す方向とメンバーが向かう先を揃えることが肝要だと考えています。

ということで、下記の内容をすり合わせするためのキックオフミーティングを企画しました。

  • 目的と目標
  • 成功基準
  • スケジュール
  • 体制

問題が発生

キックオフミーティングの準備を進めつつ、事前に作業できるところは進行させていたのですが、以下のトピックについて会話をしたときに問題が起きました。

『トレードオフが発生した際に何を優先するか』

実際に会話をしてみると、メンバー各々が自分の立場や観点で優先すべきと思っている項目を見ており、折り合いがつかない状態となっていました。

私は思いました。

このままキックオフミーティングをしても、方向がすり合わない!

どうするのが良いのか、課題を改めて考えてみる

様々な方とお話したりアドバイスをいただく中で、根本的には下記のような「価値観のズレ」が起こっているのではないかという仮説を立てました。

スーパーエンジニア「ここ、工数かけて設計しました(キリッ」
プロダクトマネージャー「ありがとう!(あー…そこ大事じゃないから、なくしても良かったんだけどな…)」

私は、プロジェクトを成功させる要素として「プロジェクトが目指す方向とメンバーが向かう先を揃えること」があると考え、向かう先を揃えるにあたって対処すべき課題を「目的・目標」に向けていたのですが、「役割・価値観」といったものへのアプローチが抜け落ちていたのです。

そこで、急遽キックオフミーティングの内容を見直し、主に2つの価値観をクローズアップする方針にしました。

  • 個人の基本的な価値観
  • プロジェクトに対する価値観

このような方針のもと、前述のキックオフミーティングを行うこととしました。

まとめ

キックオフミーティングをとおして、価値観を合わせることで、次のような効果が得られました。

  • メンバーが多種多様で人数の多いプロジェクトでも気軽に意見交換を行いやすくなった
  • 議論が平行線にならずプロジェクトや開発のルール作りが円滑に行えるようになった
  • 当初のキックオフミーティングで考えていた、目的・目標に対する理解度や納得感も自然と増した

また、メンバーから「他の人の、普段の業務からは見えない想いや人柄を知ることができ、仕事のやりやすさが圧倒的に上がった」という意見もいただきました。

この取り組み自体は2月に行ったものですが、その後、3月のプロジェクト中間の振り返りでも、進行状況は価値観と照らして乖離がないか確認して、点や改善点など踏まえネクストアクションにつなげています。
初期の問題点の解決だけでなく、その後の活用においても有用であると感じています。

プロジェクトでモヤモヤを抱えたとき、価値観のすり合わせができているのか という観点でも考えてみると良いかと思います。


Schooでは、『あたたかい革命』が起こり続ける社会を残すために、一緒にプロダクトを創っていただける方を探しています!

  1. キックオフミーティング後にそのまま懇親会も実施しました

  2. ミーティングを略してMTGと記載しています

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