この記事の対象読者
- WEB系の仕事に就きたいけど、エンジニアかデザイナーか、ふわっとしたレベルで迷っている人
- デザイナーだけどプログラミングできたり、エンジニアだけどデザインが好きで、ジョブチェンジも視野に入れている方
...そんな人いるのかしら??と思いつつ、自分が迷ったことだから、他にも迷っている人はいるはず!...と思い筆を取りました。
自分について
平日はエンジニア、週末はデザイナー
自分はというと、普段はWEB系の受託開発企業でエンジニアとして働いています。そして週末は主にデザイナーとしてお付き合いのある企業や団体さんからDTPやWEBのデザイン業務を請け負っています。
▼WEBデザインから、チラシ、冊子、ノベルティなど。依頼があればなんでも作ります。
どうしてこうなった?
大学は美術系でしたが、社会人をしてしばらくの間はエンジニアでもデザイナーでもありませんでした。一方で、ベンチャー企業でなんでも取り組める環境に長らくいたので、自分の担当するプロジェクトの広報物などは自分で作っていましたし、それをSNSで友人・知人に宣伝したりもしていました。
▼エンジニアにもデザイナーにもなる前の私(左)。小さな組織だったので、業務に使うチラシ等は自作することもありました
そんな中、ある日**「エンジニアになりたい!動くものを作って社会に貢献したい!」**と思い立ってプログラミングスクールに通い、友達に「前職辞めてWEBの勉強するので、お仕事ください!」と呼びかけたところ、
絵を描いたりチラシを作ったりしているイメージが強かったのか、次々と友人がチラシやWEBデザインのお仕事をくれるようになりました。
また「コードをバリバリ書きたい!」と思って飛び込んだ企業でも、なぜかデザインの部署に回され、そこで素敵なデザイナーさんに鍛えていただきデザインの腕はバリバリ向上しました
今は念願のコードを書ける環境に移動できたので、エンジニアとして修行を積んでおります
器用貧乏? → マルチポテンシャライトと言いたい!
思えば昔から、、、
思えば昔からよく言われます。
- 器用貧乏だよね
- 一つのことに集中しなさい
- なんでも中途半端なんだから
そうそう、わかっています。でも、どうしてもダメなんです。職人的に一つのことを極めようにも、すぐ他のことに興味がむいてしまうし、また、なぜかいっつもマルチな道を歩んでしまう。そんな人、きっと他にもいますよね
マルチポテンシャライトという本
そんなあなたを、全面的に肯定してくれる本があります!
『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』という、音楽、アート、映画制作、法律を学んだキャリアコーチの方が書いた本です。
もう、作者さんからして多様な人生を歩んでいらっしゃる
この本では、さまざまなことに興味が湧いて、さまざまなことを探究する人は、アイディアの統合や適応力、学習の速さなど、さまざまな長所があり、それらは仕事でも必要とされる能力であると述べています。
TEDの講演で大まかな内容は把握できるので、クイックに内容を知りたい方はこちらをご覧になるのがおすすめです。
マルチポテンシャライトのキャリアの築き方色々
マルチポテンシャライトの詳しい紹介は上記をご覧いただければ良いととは思いますが、ここでは、書籍に書かれていたマルチポテンシャライトのキャリアの築き方を紹介させてください。きっとそれは、マルチな人のキャリアの助けになると思うので。
書籍では、一口に多才な人と言っても、実際に多くのスキルを活かして働くパターンはさまざまであると述べられています。
- グループハグ・アプローチ ...ある一つの多面的な仕事に就き、その中でいくつもの分野を行き来する
- スラッシュ・アプローチ ...パートタイムの仕事やビジネスを掛け持ちし、精力的にその間を飛び回る
- アインシュタイン・アプローチ ...安定した「ほどよい仕事」をしながら、情熱を注げる取り組みをほかに持つ
- フェニックス・アプローチ ...数ヵ月、数年ごとに業界を移り、興味を一つずつ掘り下げていく
同じマルチポテンシャライトでも、人によってどのキャリアの築き方が合っているのかは異なってきます。そして、自分の特性に合わせてキャリアの歩み方を選ぶのが良いと書籍では述べられています。
私は常に二足の草鞋を履いているタイプだったので、「グループハグ・アプローチ」か「スラッシュ・アプローチ」が向いていたように思います。必要な学習量の関係から、今の平日エンジニア、週末デザイナーでいるのが自分にはちょうど良いなと感じています
よかったこと
そんなふうに仕事をしていて、よかったことも大変だったこともあり...。まずはよかったことを紹介します。
デザイナーさんともエンジニアとも話ができる
デザイナーの方がどこに気を遣ってデザインしてくれているのがわかるので、それを大切に実装したいと思いますし、エンジニア泣かせなデザインがどのようなものなのかも感じ取れるので、実装前のできるだけ早い時点でデザイナーにフィードバックを返すこともできます。
つまり、両方の気持ちを汲み取りながらより良いプロダクトに向けて動くことができます。
デザインの現場、エンジニアリングの現場でとがった意見が言える!
例えばデザイナーさんのいない現場で、エンジニアが画面を考える必要がある時、「これはこうだからこうした方が良い」と根拠を持ってUIの配置を提案することができます。また、デザインの現場でも**「これはやりたいことの割に実装コストが高いぞ」**というものも感じ取れるので、同じUXをより少ない実装コストで実現するにはどうすれば良いのかも提案できます。
一つのプロダクトをまるっと作って喜んでもらえる!
私はこれが一番よかったと思うところなのですが、小さな事業者さんや団体さんのプロダクトを作るときに、情報設計からデザイン、実装まで丸っとお手伝いできるのが非常に楽しいです。友人・知人から頼まれて物を作ることがほとんどなので、最近では「私に相談すればなんとかなる」と思っていただけて、いろいろ頼ってもらえて嬉しいです。まだ頼りないですが
ここは大変!
逆に、大変だったこともいろいろあります。。。
勉強は人の1.5倍、日常生活のあらゆる場面を勉強にしても足りない
私がエンジニアもデザイナーもどちらも未経験から同時に始めたせいもありますが、必要な学習量が多すぎてとにかく大変でした。仕事前・仕事終わり、土日、朝起きた後、寝る前に勉強する生活を2年半近く続けていますが、それでもまだまだ足りません
楽しくなかったら絶対続かなかったと思います。
赤魔道士的な立場、どちらも中途半端になりがち
**その道一本を極められた方と比べると、やはり実力は中途半端。どちらも中級止まりになりがちです。**自分の場合、ここは早々に諦めて、デザインもわかる変化球的なエンジニアを目指すことにしました。スペシャリストになろうとするよりも、マルチポテンシャライトの長所を生かした方が幸せに働けそうです。
役割分担がはっきりしている場所で、居場所を見つけるのが大変
「フロントエンドエンジニア」「バックエンドエンジニア」「UIデザイナー」「UXデザイナー」etc...とはっきり役割が分かれている求人には、正直、尻込みしちゃいますよね 自分が転職先を探す時にも、「個人の裁量が大きい会社」「提案すればなんでもできそうな会社」であるかどうかを重要なポイントにして仕事を探しました!
才能が活かせる場所?
こんな職場なら活躍できそう
先に、**「個人の裁量が大きい職場」**を重要なポイントとして挙げましたが、そのほかにも、こんな場面ならマルチポテンシャライトの才能がいかせるのでは?と思っています。
- 小さな現場
- 個人で請け負う仕事
- 起業
- ディレクター?
最後の「ディレクター」はやったことがないので想像ですが、さまざまな立場の人のことを考えながら、統合的に物事を進められる真ルチポテンシャライトは、物事を統合する立ち位置で働くことで幸せに働けるのではないでしょうか?
希望:マルチな人の活躍できる場所が増えるといいな
でも、本当はもっとマルチな人に合いそうな求人がもっと増えてくれれば良いなと思っています。
長文になってしまいましたが、もし採用に関わる方がこの記事を読んでくださっていたら、
- オープンポジション
という募集をもっと増やしていただけると、**「わ、この会社面白そう!」**と思うマルチポテンシャライトが増えそうです
最後にちょっぴり宣伝になりますが、今の会社は技術がメインの会社でありながら、考えたことをバリバリ提案できるので、楽しく過ごさせてもらっています!
詳しくは、明日12/2に会社のアドベントカレンダーに書くので、そちらもぜひみてくださいね!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
それでは皆様、ハッピーエンジニア&デザインライフを