概要
VSCode + C# + .Net 7で自作マスターデータツールをネイティブ出力して実行結果の共有
背景
.Net Core3.1で開発していたが2022/12でサポートが切れてしまったので.Net 7に移行
奇数バージョンは18ヶ月サポート(STS)で、偶数バージョンは36ヶ月サポート(LTS)なので
.Net 6を使うか.Net 8が出るまで待つか迷ったが、.Net 7にネイティブ出力機能があったので試してみた
環境
Visual Studio Code: 1.74.3 (user setup)
C# for Visual Studio Code (powered by OmniSharp).：1.25.4
.Net Framework SDK：7.0.2
ビルド環境
4パターンのビルドを行い、実行ファイルサイズや動作速度を比較する
.Net Core3.1
dotnet publish -c Release -r win-x64 --self-contained true /p:PublishSingleFile=true /p:PublishTrimmed=true
- シングルEXEファイル
- ユーザーのランタイムインストール不要
- トリミング
.Net 7 (Core3.1と同じ)
dotnet publish -c Release -r win-x64 --self-contained true /p:PublishSingleFile=true /p:PublishTrimmed=true
- シングルEXEファイル
- ユーザーのランタイムインストール不要
- トリミング
.Net 7 (トリミングなし)
ビルドコマンド
dotnet publish -c Release -r win-x64 --self-contained true /p:PublishSingleFile=true
- シングルEXEファイル
- ユーザーのランタイムインストール不要
.Net 7 (ネイティブ)
dotnet publish -c Release -r win-x64 --self-contained true /p:PublishAot=true
- シングルEXEファイル
- ネイティブEXE
- トリミングは自動的にされるっぽい
動作比較
解析Excel数: 414
解析総セル数: 2,624,362
個別計測
| Core3.1 | .Net 7(Coreと同じ) | .Net 7(トリミングなし) | .Net 7(ネイティブ) | |
|---|---|---|---|---|
| Exeサイズ | 43,490KB | 18,708KB | 71,980KB | 21,259KB |
| Excel解析時間 | 2.783秒 | 3.405秒 | 2.583秒 | 1.944秒 |
| バイナリ出力時間 | 0.261秒 | 0.299秒 | 0.183秒 | 0.158秒 |
| C#コード出力時間 | 0.196秒 | 0.204秒 | 0.124秒 | 0.120秒 |
| csv出力時間 | 0.461秒 | 0.546秒 | 0.301秒 | 0.197秒 |
| htmlマニュアル出力時間 | 0.063秒 | 0.064秒 | 0.030秒 | 0.030秒 |
| 総合時間 | 3.896秒 | 4.710秒 | 3.304秒 | 2.468秒 |
順位表
| Core3.1 | .Net 7(Coreと同じ) | .Net 7(トリミングなし) | .Net 7(ネイティブ) | |
|---|---|---|---|---|
| Exeサイズ | 3位 | 1位 | 4位 | 2位 |
| 実行速度 | 3位 | 4位 | 2位 | 1位 |
結果
ネイティブ
総合的にバランスが良いのがネイティブという結果になった
欠点としては、WindowsとLinuxのみでmacOSには非対応ということだ
このツールはWindows、macOS、Linuxの3プラットフォームで提供しているため、macOSだけは別のビルドを使う必要がある
.Net 7(Coreと同じ)
ファイルサイズが一番小さいが、実行速度は一番遅い結果となった
.NetCore3.1と同じビルドオプションなのに実行速度が遅くなるのは気になる
.NetCore3.1と比べてファイルサイズが大きく減るのは、OSSもトリミングを行っているからのようだ