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IETF 124 Preliminary Agenda

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GMOコネクト 菅野でございます。

気づいたら、もう少しでIETF124が近づいてきた今日この頃です。
Preliminary Agendaが公開されたため、個人的に注目している WG/RG をピックアップしてまいります。
まずは会合に関する情報を振り返ってみませう。

会合情報

そんでもって公開された IETF 124 Preliminary Agenda のURLはコチラ↓

IETF 124会合の正式なセッション(Session I~IVやIIIなどの枠内で開催される各WG/BoF等)を全て数えると、
32(Monday)+33(Tuesday)+28(Wednesday)+29(Thursday)+23(Friday)=145 件(なお、
Plenary や Reception、Hackathon などは含めず)となります。
まだ、Side meetingなどが盛り込まれていないので、ここからまだまだ増加する流れとなります。
セッションの並行開催が多いので...毎回どれに出るかを悩みます。

気になるWG/RG

開催日毎に状況をピックアップしてみます。

2025年11月1日(土曜日) & 2025年11月2日(日曜日)

  • Hackathon

    • URL:https://wiki.ietf.org/meeting/124/hackathon
    • 概要:
      • IETF Hackathon は、標準化提案を実際に実装・検証するための実践的な開発イベントで、プロトコルやドラフトをターゲットに、相互運用性テスト、リファレンス実装、デモ開発などが行われます。競争ではなく協調が重視され、WG 間の連携促進や新技術の成熟を目指すしております!オンライン・現地の双方から参加可能で、成果は会期中の報告セッションでも共有されます。
  • HotRFC

    • URL:https://datatracker.ietf.org/group/hotrfc/about/
    • 概要:
      • HotRFC(Hot RFC Lightning Talks)は、IETF 参加者が新しいアイデアやドラフト、研究トピックを短時間で紹介するライトニングトーク形式のセッション。4分程度のプレゼンテーションを通じて、関心ある参加者間のつながりを促し、仲間探しや後続の WG や BOF の議論に発展させることを目的としています。討論よりも「話題の火付け役」として機能するのが特徴なのです。

2025年11月3日(月曜日)

  • Dispatch jointly SECDISPATCH

    • URL:https://datatracker.ietf.org/group/dispatch/about/
    • 概要:
      • Dispatch ワーキンググループ(および SECDISPATCH との共同セッション)は、IETF 全体で新たに提案された作業項目を検討し、どの WG が扱うべきか、あるいは新 WG の設立が適切かを判断する「割り当て(dispatch)」の場です。特定のプロトコル開発に限定されず、セキュリティやアプリケーション領域を横断した提案を初期段階で議論する。今回は SECDISPATCH と共同開催され、特にセキュリティ関連の新提案についても、WG 間の調整・方向性の決定が行われる想定です。
  • Crypto Forum

    • URL:https://datatracker.ietf.org/group/cfrg/about/
    • 概要:
      • CFRG(Crypto Forum Research Group)は、暗号技術に関する研究成果を IETF の標準化活動へ橋渡しする役割を担う。安全性モデルや新しい暗号アルゴリズム、パラメータ選定、耐量子暗号への移行など、理論と実装の両面から議論が行われます。TLSやIPsec、SSH など多様な WG と連携し、現実的かつ安全な暗号基盤の整備を進めます。
  • Transport Layer Security

    • URL:https://datatracker.ietf.org/group/tls/about/
    • 概要:
      • TLS ワーキンググループは、安全なトランスポート層通信を提供するための標準仕様を策定・維持することを目的としてます。TLS 1.3 の普及や拡張、鍵交換メカニズムの改善、Ciphersuiteの更新、耐量子暗号対応などが主な議題しており、実装報告や相互運用性検証も活発に行われてます。

2025年11月4日(火曜日)

  • Limited Additional Mechanisms for PKIX and SMIME

    • URL:https://datatracker.ietf.org/group/lamps/about/
    • 概要:
      • LAMPS(Limited Additional Mechanisms for PKIX and S/MIME)は、X.509 証明書や S/MIME メールセキュリティの枠組みを拡張・補強する追加メカニズムを検討します。新しい証明書拡張や属性、鍵管理、署名強化、失効情報の効率化などを通じ、既存インフラの信頼性と柔軟性を高めることを目的としています。
      • 取り扱うInternet Draftが異常に多いのが特徴です笑
  • PKI, Logs, And Tree Signatures BoF

    • URL:https://datatracker.ietf.org/group/plants/about/
    • 概要:
      • PLANTS(PKI, Logs, And Tree Signatures)BoF では、証明書ログ(Certificate Transparency)や Merkle Tree ベースの署名技術などを組み合わせた新しい PKI 構造を議論する。ログの改ざん検出、効率的な証明生成、署名検証のスケーラビリティ向上を目指し、監査可能な信頼モデルの確立を狙っております。
      • BoFなのでこの話題がどっちに向かうのかが気になるところです。

2025年11月5日(水曜日)

  • Authenticated Transfer BoF

    • URL:https://datatracker.ietf.org/group/atp/about/
    • 概要:
      • ATP(Authenticated Transfer BoF)は、エンドツーエンドの認証と完全性保証を組み込んだデータ転送プロトコルを検討する場。暗号署名や証明書を用いたデータ整合性検証、転送経路上の改ざん検出、低遅延環境での安全転送をテーマとしている。信頼性を担保しつつ、効率的な設計を狙っているようです!
      • BoFなのでこの話題がどっちに向かうのかが気になるところです。
  • Secure Evidence and Attestation Layer

    • URL:https://datatracker.ietf.org/group/seal/about/
    • 概要:
      • SEAL(Secure Evidence and Attestation Layer)は、デバイスやソフトウェアの状態を証明するための「Evidence」と「Attestation」の仕組みを議論するWGです。信頼された実行環境(TEE)との連携、証拠形式の標準化、軽量な検証手順などが焦点とされています。
      • ターゲットとしてIoT やクラウドなど幅広い領域への応用を想定しています。
  • Transport Layer Security


2025年11月6日(木曜日)

  • Secure Shell Maintenance

    • URL:https://datatracker.ietf.org/group/sshm/about/
    • 概要:
      • SSHM(Secure Shell Maintenance)は、SSH プロトコル群の保守と拡張を担当する。新しい鍵交換アルゴリズム、認証方式の更新、運用ガイドライン整備などを扱い、既存実装との互換性を確保しながら安全性を高めることを目的とします。
      • SSHプロトコルも色々なところで利用されているのでメンテナンス大事ですよね!
  • IP Security Maintenance and Extensions

    • URL:https://datatracker.ietf.org/group/ipsecme/about/
    • 概要:
      • IPsecME WGは、IPsec と IKEv2 のメンテナンスと新機能追加を行っています。新しい暗号アルゴリズム対応、モビリティ環境での利用、ハイブリッド鍵交換方式、運用性改善などを検討しております。最近は、PQC関連の検討が中心ではありますが笑
      • 安全なネットワークトンネリングの基盤を維持し続ける役割を持っています。
  • Post-Quantum Use In Protocols

    • URL:https://datatracker.ietf.org/group/pquip/about/
    • 概要:
      • PQUIP(Post-Quantum Use in Protocols)は、PQC実装と各種プロトコルへの統合や移行に関する議論を実施しています。
      • 主にTLS、IPsec、SSH、QUIC などにおける PQC ハイブリッド構成、移行方針、鍵サイズ・性能・相互運用性の課題を中心に検討が進んでます。
      • 今回は、IPsecME WGと同じ時間帯なのでもう少し気をつけてセッション組んでくれ事案...
  • Crypto Forum

    • URL:https://datatracker.ietf.org/group/cfrg/about/
    • 概要:
      • 過去を振り返ると開催されないIETF会合もあった CFRG ですが、誤植でなければ今回のIETF124では2セッションもある模様! そんなに議論することあるの!? あの話? Mailing listでプチ炎上しているあの話しちゃうの?とドキドキしています。

2025年11月7日(金曜日)

  • Security Area Open Meeting

    • URL:https://datatracker.ietf.org/group/saag/about/
    • 概要:
      • SAAG(Security Area Advisory Group)のOpen Meeting では、セキュリティエリア全体の活動報告と今後の方向性が議論されます。WG 間の課題整理、新しいセキュリティ提案、暗号技術の進展、標準化の優先順位づけなどを扱い、IETF 全体のセキュリティ戦略を共有する場となってます。
      • 金曜日に持ってくるのは正直ツラい...木曜日でいいじゃない?笑

まとめ

  • Preliminary Agenda が投稿されて、いつこのセッションがあるってのがわかったので、どこに参加しようかなーを立案できる状況になりましたが...各WG/RGのAgendaが公開されていないのでもう少し待つ必要がありそうです。
    • あと Side Meeting も公開されていないので、各WG/RGのAgendaが公開され始めたら、どんな議論があるかを見てみるのも面白いかもしれませんね!

最後に、GMOコネクトでは研究開発や国際標準化に関する支援や技術検証をはじめ、幅広い支援を行っておりますので、何かありましたらお気軽にお問合せください。

お問合せ: https://gmo-connect.jp/contactus/

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