ABC284(AtCoder Beginner Contest 284) A~E問題の解説記事です。
灰色~茶色コーダーの方向けに解説しています。
その他のABC解説、動画などは以下です。
更新時はツイッターにて通知します。
https://twitter.com/AtCoder4
A Dif:10
まず各入力をリストに受け取ります。
次にリストの内容をひっくり返します。
最後にリストの内容を順に出力します。
この問題では
・リストの使い方
・リスト内容をひっくり返す(逆順にする)方法
・リストの内容を順に出力する方法
を知っている必要があります。コンテスト中でもわからなければググりましょう。
・リストの使い方
リストは複数の要素を入れられる箱のようなものです。
まず空のリストを用意しましょう。名前をAとします。
A=[]
次にN回入力を受け取り、順にAへ格納します。
N回処理を行うときはfor i in range(繰り返し回数)と書きましょう。
リストへの追加は.append(追加する要素)と書きます。
for i in range(N):
S=input()
A.append(S)
リストの内容をひっくり返す(逆順にする)には
リスト名[::-1]
と書きます。
A=A[::-1]
最後にリストの内容を順に出力します。
for i in range(N)と書くことでi=0,1,2,3,...,(N-1)と順番に代入しながら処理ができます。
Aの最初の要素はA[0]、次がA[1],...となっているので、A[i]を出力すればOKです。
入力の受け取り、出力がわからない方は以下の記事を参考にしてください。
【提出】
# 入力の受け取り
N=int(input())
# 空のリストを用意
A=[]
# i=0~(N-1)
for i in range(N):
# 入力の受け取り
S=input()
# SをAに追加
A.append(S)
# Aの内容をひっくり返す
A=A[::-1]
# i=0~(N-1)
for i in range(N):
# A[i]を出力
print(A[i])
B Dif:14
まず制約を確認しましょう。
Nは最大100なので、Aそれぞれの要素が奇数かどうか確認する方法だとテストケース1個あたり100回の計算が必要になります。
更にテストケースは最大100個なので計算量は最大で100*100=10000回になります。
pythonでは制限時間2秒以内にだいたい10^6=1000000回の計算ができますのでこれなら余裕で間に合います。
Aの各要素が奇数かどうかは2で割った余りが1になっているかで確認します。
【提出】
# 入力の受け取り
T=int(input())
# T回
for i in range(T):
# 入力の受け取り
N=int(input())
A=list(map(int, input().split()))
# 答え
ans=0
# i=0~(N-1)
for i in range(N):
# A[i]を2で割った余りが1ならば
if A[i]%2==1:
# 答えにカウント
ans+=1
# 答えの出力
print(ans)
C Dif:193
BFS(幅優先探索)で解きます。
BFSは幅優先探索(breadth first search)の略称で、グラフを探索するアルゴリズムです。
BFSの解説動画を作りましたので、本問が難しいと感じた方は是非御覧ください。
(1)つながっている頂点を記録する
(2)各頂点が訪問済みかどうかを記録するリストを作る
(3)頂点i=1,2,3,...について訪問済みでなければ答えにプラス1してBFSを開始
(4)キューに頂点iを入れ、訪問済みにする
(5)キューの左端から頂点の番号を取り出す=今いる頂点
(6)今いる頂点から行ける頂点が未訪問ならば、訪問済みにしてキューへ追加
(7)キューが空になるまで(5)~(6)を繰り返し、空になったら(3)へ戻る
※キューについてわからない人は下部の「dequeについて」を御覧ください。
実際にやってみましょう。
(1)つながっている頂点を記録する
これはconnectという二次元配列に記録します。
例えば頂点①と頂点②がつながっているので
connect[1]=[2]
となります。
頂点②は頂点①,頂点④とつながっているので
connect[2]=[1,4]
となります。
これらの関係を全て記録します。
(2)各頂点が訪問済みかどうかを記録するリストを作る
訪問済みかどうかなので名前をvisitedとします。
例えばvisited[1]=Falseなら頂点①は未訪問、=Trueなら訪問済みです。
(3)頂点i=1,2,3,...について訪問済みでなければ答えにプラス1してBFSを開始
i=1、すなわち頂点①からスタートです。頂点①はvisited[1]=Falseで未訪問なので答えにプラス1してBFSを開始します。
答え:1
(4)キューに頂点iを入れ、訪問済みにする
キューに頂点①を入れます。
キュー:1
訪問済みにします。
visited[1]=True
(5)キューの左端から頂点の番号を取り出す=今いる頂点
キューには頂点①が入っているので取り出します。
キュー:(空)
(6)今いる頂点から行ける頂点が未訪問ならば、訪問済みにしてキューへ追加
頂点①から行けるのは頂点②です。
頂点②は未訪問なので訪問済みにしてキューへ追加します。
キュー:2
visited[2]=True
(7)キューが空になるまで(5)~(6)を繰り返し、空になったら(3)へ戻る
キューはまだ空でないので(5)へ戻ります。
(5)キューの左端から頂点の番号を取り出す=今いる頂点
キューには頂点②が入っているので取り出します。
キュー:(空)
(6)今いる頂点から行ける頂点が未訪問ならば、訪問済みにしてキューへ追加
頂点②から行けるのは頂点①,頂点④です。
頂点①は訪問済みなので無視です。
頂点④は未訪問なので訪問済みにしてキューへ追加します。
キュー:4
visited[4]=True
これを繰り返すと頂点①,②,④,⑤が訪問済みになり、キューが空になります。
空になったら(3)へ戻ります。
(3)頂点i=1,2,3,...について訪問済みでなければ答えにプラス1してBFSを開始
i=2はすでに訪問済みです。(つまり頂点①とつながっている=連結成分の内にあるということです)
i=3は未訪問です。(つまり頂点①,頂点②とつながっていない=連結成分でないということです)
頂点③を含む連結成分を追加するので、答えにプラス1します。
これを繰り返すことで連結成分の数を数えることができます。
dequeについて
dequeはリストのようなものですが、先頭から要素を取り出す操作をO(1)で行うことができます。
(リストだとO(N)かかります)
インポート:from collections import deque
作成:変数名=deque()
先頭(左端)に要素追加【O(1)】:変数名.appendleft(要素)
末尾(右端)に要素追加【O(1)】:変数名.append(要素)
先頭(左端)から要素を取り出して削除【O(1)】:変数名.popleft()
末尾(右端)から要素を取り出して削除【O(1)】:変数名.pop()
【使用例】
# インポート:from collections import deque
from collections import deque
# 作成:変数名=deque()
que=deque()
# 先頭(左端)に要素追加【O(1)】:変数名.appendleft(要素)
que.appendleft(1)
# 末尾(右端)に要素追加【O(1)】:変数名.append(要素)
que.append(3)
# 先頭(左端)から要素を取り出して削除【O(1)】:変数名.popleft()
x=que.popleft()
# 末尾(右端)から要素を取り出して削除【O(1)】:変数名.pop()
y=que.pop
詳しく知りたい人は以下のページを見てください。
【提出】
# 入力の受け取り
N,M=map(int, input().split())
# つながっている頂点の記録
connect=[[] for i in range(N+1)]
# M回
for i in range(M):
# 入力の受け取り
A,B=map(int, input().split())
# A→Bがつながっている
connect[A].append(B)
# B→Aがつながっている
connect[B].append(A)
# dequeのインポート
from collections import deque
# 答え
ans=0
# 訪問済みかどうかの記録
visited=[False]*(N+1)
# i=1~N
for i in range(1,N+1):
# もし頂点iが訪問済みでなければ
if visited[i]==0:
# 答えにプラス1(新しい連結成分)
ans+=1
# 頂点iを訪問済みにする
visited[i]=True
# キューを作る
que=deque()
# キューにiを追加
que.append(i)
# キューが空になるまで
while 0<len(que):
# キューの左端から取り出し(今いる頂点)
now=que.popleft()
# to:今いる頂点から行ける頂点
for to in connect[now]:
# 頂点toが訪問済みでなければ
if visited[to]==False:
# 訪問済みにする
visited[to]=True
# キューに追加
que.append(to)
# 答えの出力
print(ans)
D Dif:658
重要なことは以下の2つです。
・p,qのどちらかがわかれば他方も簡単にわかる
pがわかればq=N//p^2
qがわかればp=√(N//q)
と計算できます。
・p,qのどちらかは必ず10^7より小さい
仮に両方が10^7だと
p^2*q=(10^7)^2*(10^7)=10^21
となるのでNの制約を超えてしまいます。
以上よりx=2,3,4,...と試し割りし、p,qのどちらかを見つければよいということがわかります。
pythonでは間に合わないのでpypyで提出します。
【提出】
# pypyで提出
# 平方根計算用にsqrtをインポート
from math import sqrt
# 入力の受け取り
T=int(input())
# T回
for i in range(T):
# 入力の受け取り
N=int(input())
# x=2~10^7
for x in range(2,10**7+1):
# Nがx^2で割り切れる場合
# ⇔p=x
if N%x**2==0:
# q=N//x^2
print(x,N//x**2)
# 次のNへ
break
# Nがxで割り切れる場合
# ⇔q=x
elif N%x==0:
# p=√(N//q)
print(int(sqrt(N//x)),x)
# 次のpへ
break
E Dif:1043
実際に単純パスを作りながら数えていきます。
pathというsetを作り、DFSで頂点を回りながら経路に含まれる頂点を追加していきます。
進める頂点がなくなったらpathから削除して戻ります。(最も深い場所に来た場合やループの場合)
ちなみに【提出】のコードはpythonだとACしますがpypyだとTLEするので、普段pypyで提出している人は注意してください。
再帰関数やDFSを書いた経験のある人は比較的簡単に理解、実装できると思いますが、そうでない場合は難しいです。
本問の前に簡単なDFS問題で練習することをおすすめします。
ABC213Dがおすすめです。
ABC213D:https://atcoder.jp/contests/abc213/tasks/abc213_d
解説:https://qiita.com/sano192/items/f4e7c64184714dce6ebf#d---takahashi-tour
また、DFSの解説動画もあるのでそちらもぜひご覧ください。
【提出】
# 再帰回数上限を10^6へ変更(再帰関数を使うときは必須)
import sys
sys.setrecursionlimit(10**6)
# 入力の受け取り
N,M=map(int, input().split())
# つながっている頂点の記録
connect=[[] for i in range(N+1)]
# M回
for i in range(M):
# 入力の受け取り
A,B=map(int, input().split())
# A→Bへ行ける
connect[A].append(B)
# B→Aへ行ける
connect[B].append(A)
# 答え
ans=0
# 経路に含まれる頂点
path=set()
# DFS(今いる頂点)
def DFS(now):
# path,ansを更新できるように
global path,ans
# pathに今いる頂点を追加
path.add(now)
# 答えにプラス1
ans+=1
# もし答えが10^6になったら
if ans==10**6:
# 出力
print(ans)
# 終了
exit()
# to:今いる頂点から行ける頂点
for to in connect[now]:
# 行ける頂点が経路に含まれていなければ
if to not in path:
# 次のDFSへ
DFS(to)
# 今いる頂点から進める頂点がなくなったら経路から削除
path.remove(now)
# 頂点1からDFSスタート
DFS(1)
# 答えの出力
print(ans)
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