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ABC259 A~D問題 ものすごく丁寧でわかりやすい解説 python 灰色~茶色コーダー向け #AtCoder

Last updated at Posted at 2022-07-11

ABC259(AtCoder Beginner Contest 259) A~D問題の解説記事です。
灰色~茶色コーダーの方向けに解説しています。

その他のABC解説、動画などは以下です。

更新時はツイッターにて通知します。
https://twitter.com/AtCoder4

A - Growth Record Dif:34

X≤Mならば身長の伸びが止まっているので答えはTcmです。
M<Xならば(X-M)年Dcmずつ身長が伸びた結果Tになったわけなので答えは(T-(X-M)D)cmです。

これらをifで条件分岐します。

入力の受け取り、出力がわからない方は以下の記事を参考にしてください。

【提出】

# 入力の受け取り
N,M,X,T,D=map(int,input().split())

# X≤Mならば
if X<=M:
    # Tcm
    print(T)
# そうでなければ(M<X)
else:
    # (T-(X-M)D)cm
    print(T-(X-M)*D)

B - Counterclockwise Rotation Dif:180

回転行列を知っていれば
回転後のx座標=acos(d)-bsin(d)
回転後のy座標=asin(d)+bcos(d)
とわかります。

回転行列を知らなくても「座標 回転」で検索すればすぐに出てきます。コンテスト中でも知らないことはググりましょう。

sin,cosはmathライブラリで計算できます。
import mathと書いた後、math.sin,math.cosと書くことでそれぞれの計算ができます。
が、これらは度数法ではなく弧度法で値を指定するので、入力の度数法を弧度法に変換する必要があります。
math.radians(度数)と書くことでラジアンへ変換できます。

入力例1のサンプルを試すと
-2.0000000000000004 -1.9999999999999998
と違う値が出てきて焦った人がいるかも知れません。が、これは単に計算の誤差であり、「各出力について、解との絶対誤差または相対誤差が10^−6以下であれば正解として扱われる。」と記述があるので問題ありません。

【提出】

# 入力の受け取り
a,b,d=map(int,input().split())

# mathライブラリのインポート
import math

# 度数法→弧度法へ変換
d=math.radians(d)

# 回転後の座標を計算
x=a*math.cos(d)-b*math.sin(d)
y=a*math.sin(d)+b*math.cos(d)

# 答えの出力
print(x,y)

C - XX to XXX Dif:451

まず各文字がいくつ続いているのかを二次元配列に記録します。
(例)S:abbbaaac
→[['a', 1], ['b', 3], ['a', 3], ['c', 1]]
このような記録方法をランレングス圧縮と呼びます。

ある文字が2つ以上続いているなら文字数を増やすことが可能です。例えば2つ目の['b', 3]を['b', 6]に変えることはできます。
1文字しかない場合は増やすことができず、また減らすこともできません。

「No」となるのは以下の4パターンです。
・文字の種類数が違う
・文字の種類が違う
・S側よりT側の文字が多く、かつSが1文字
・T側よりS側の文字が多い

これらを順に判定すればOKです。

【提出】

# 入力の受け取り
S=input()
T=input()

# 何文字連続しているか記録するリスト
Slist=[]
# 今連続している文字
Now=S[0]
# 連続している文字数
Count=1
 
# i=1~(N-1)
for i in range(1,len(S)):
    # Sのi文字目=Nowなら
    if S[i]==Now:
        # カウントを増やす
        Count+=1
    # そうでなければ
    else:
        # リストへ記録
        Slist.append([Now,Count])
        # 次の文字へ
        Now=S[i]
        Count=1
# 最後のカウントを追加
Slist.append([Now,Count])

# Tも同じことをする
Tlist=[]
Now=T[0]
Count=1
 
for i in range(1,len(T)):
    if T[i]==Now:
        Count+=1
    else:
        Tlist.append([Now,Count])
        Now=T[i]
        Count=1
Tlist.append([Now,Count])

# ・文字の種類数が違う
if len(Slist)!=len(Tlist):
    # 「No」を出力
    print("No")
    # 終了
    exit()

# i=0~(Slistの長さ-1)
for i in range(len(Slist)):
    # S側の文字
    SMozi=Slist[i][0]
    # T側の文字
    TMozi=Tlist[i][0]

    # S側の文字数
    SCount=Slist[i][1]
    # T側の文字数
    TCount=Tlist[i][1]

    # ・文字の種類が違う
    if SMozi!=TMozi:
        print("No")
        exit()

    # ・S側よりT側の文字が多く、かつSが1文字
    elif SCount<TCount and SCount==1:
        print("No")
        exit() 
    
    # ・T側よりS側の文字が多い
    elif TCount<SCount:
        print("No")
        exit() 
    
# 「Yes」を出力
print("Yes")

D - Circumferences Dif:947

2つの円が共通の点を持っている、すなわちある円の円周上を進んで別の円周上に移れることを「乗り換え可能」と表現しましょう。
円が「乗り換え可能」かどうかは中心間距離と半径の合計によって決まります。
以下ページの「中心間の距離と半径」というところがわかりやすいです。

コードにするときは誤差が出ないように2乗して計算します。
例えば外接する場合は
d=r1+r2
ですが
d^2=(r1+r2)^2
とします。

スタートの点からゴールの点にいけるかというのは要するにスタートの点が載っている円から「乗り換え可能」な円をいくつか乗り継いでゴールの点が載っている円に到達できるかということです。
「乗り換え可能」な円をグラフに表した時、連結である円同士は到達可能です。
ABC259_D_1.png
図の例でいうと円1,2,3、円4,5はそれぞれ連結です。

どの円が連結しているかはUnionFindで管理します。

UnionFindはグループ分けを高速でできるデータ構造です。
具体的には以下のことができます。
・a,bを同じグループとする⇔a,bを連結する:【O(logN)くらい】(厳密には違いますがO(logN)くらいと思っておけばOKです)
・a,bが同じグループか判定する⇔a,bが連結か確認する:【O(1)くらい】(厳密には違いますがO(1)くらいと思っておけばOKです)
とにかくめちゃくちゃ速く上記2つができるデータ構造だと覚えましょう。

きちんとした説明はAtCoder公式が解説スライドを作っているのでそちらを御覧ください。

UnionFindの実装はかなり難しいです。ですが問題を解くのにそこまで理解する必要はなく、以下のUnionFindクラスをコピペして使えればOKです。

# UnionFind
class UnionFind:
    def __init__(self,n):
        self.n=n
        self.parent_size=[-1]*n
 
    def leader(self,a):
        if self.parent_size[a]<0: return a
        self.parent_size[a]=self.leader(self.parent_size[a])
        return self.parent_size[a]
 
    def merge(self,a,b):
        x,y=self.leader(a),self.leader(b)
        if x == y: return 
        if abs(self.parent_size[x])<abs(self.parent_size[y]):x,y=y,x
        self.parent_size[x] += self.parent_size[y]
        self.parent_size[y]=x
        return 
 
    def same(self,a,b):
        return self.leader(a) == self.leader(b)
 
    def size(self,a):
        return abs(self.parent_size[self.leader(a)])
 
    def groups(self):
        result=[[] for _ in range(self.n)]
        for i in range(self.n):
            result[self.leader(i)].append(i)
        return [r for r in result if r != []]

上記をコードの最初にコピペしてから以下のように使います。
・初期化:変数名=UnionFind(要素の数)
・グループリーダー(根)の確認:変数名.leader(要素番号)
・グループ化:変数名.merge(要素番号1,要素番号2)
・同一グループかの確認:変数名.same(要素番号1,要素番号2)
 (同一ならTrue,違うグループならFalseを返す)
・所属するグループのサイズ確認:変数名.size(要素番号)
・グループ全体の確認:変数名.groups()

【使用例】

# 初期化:変数名=UnionFind(要素の数)
UF=UnionFind(10)

# グループ化:変数名.merge(要素番号1,要素番号2)
UF.merge(0,2)
UF.merge(1,3)
UF.merge(3,0)

# グループリーダー(根)の確認:変数名.leader(要素番号)
leader_x=UF.leader(1)

# 同一グループかの確認:変数名.same(要素番号1,要素番号2)
if UF.same(1,5)==True:
    print("同一グループ")
else:
    print("別グループ")

# 所属するグループのサイズ確認:変数名.size(要素番号)
size_x=UF.size(1)

# グループ全体の確認:変数名.groups()
print(UF.groups())

連結とは頂点同士をいくつかの辺を使って行き来できる、すなわち頂点同士がつながっているということです。
A,Bをグループ化、というのが頂点の連結、すなわちA,Bに辺を張るということを意味します。

これで「乗り換え可能」可能な円を連結しながら管理します。

あとはスタートの点が載っている円と、ゴールの点が載っている円の組全てについて、連結かどうかを確認します。
連結であれば「Yes」を出力します。

pythonでは間に合わないのでpypyで提出します。

【提出】

# pypyで提出

# UnionFind
class UnionFind:
    def __init__(self,n):
        self.n=n
        self.parent_size=[-1]*n
 
    def leader(self,a):
        if self.parent_size[a]<0: return a
        self.parent_size[a]=self.leader(self.parent_size[a])
        return self.parent_size[a]
 
    def merge(self,a,b):
        x,y=self.leader(a),self.leader(b)
        if x == y: return 
        if abs(self.parent_size[x])<abs(self.parent_size[y]):x,y=y,x
        self.parent_size[x] += self.parent_size[y]
        self.parent_size[y]=x
        return 
 
    def same(self,a,b):
        return self.leader(a) == self.leader(b)
 
    def size(self,a):
        return abs(self.parent_size[self.leader(a)])
 
    def groups(self):
        result=[[] for _ in range(self.n)]
        for i in range(self.n):
            result[self.leader(i)].append(i)
        return [r for r in result if r != []]

# 入力の受け取り
N=int(input())
sx,sy,tx,ty=map(int,input().split())

# 円の情報
p=[]

# N回
for i in range(N):
    # 入力の受け取り
    x,y,r=map(int,input().split())
    # 記録
    p.append([x,y,r])

# UnionFindを用意
UF=UnionFind(N)

# i=0~(N-1)
for i in range(N):
    # k=(i+1)~(N-1)
    for k in range(i+1,N):
        # 座標と半径を取り出し
        ix,iy,ir=p[i]
        kx,ky,kr=p[k]

        # 中心間距離の二乗
        d=(ix-kx)**2+(iy-ky)**2

        # 外接
        if d==(ir+kr)**2:
            # 円iと円kは「乗り換え可能」
            # ⇔連結
            UF.merge(i, k)
        # 2点で交わる
        elif (ir-kr)**2<d<(ir+kr)**2:
            UF.merge(i, k)
        # 内接
        elif d==(ir-kr)**2:
            UF.merge(i, k)

# スタートの点が載っている円
Start=[]
# ゴールの点が載っている円
Goal=[]

# i=0~(N-1)
for i in range(N):
    # 中心、半径の取り出し
    ix,iy,ir=p[i]

    # スタートの点が円周上にあれば
    if (sx-ix)**2+(sy-iy)**2==ir**2:
        # 記録
        Start.append(i)
    # ゴールの点が円周上にあれば
    if (tx-ix)**2+(ty-iy)**2==ir**2:
        # 記録
        Goal.append(i)
# x:スタートの点が載っている円
for x in Start:
    # y:ゴールの点が載っている円
    for y in Goal:
        # 連結なら
        if UF.same(x,y):
            # 「Yes」を出力
            print("Yes")
            # 終了
            exit()

# 「No」を出力
print("No")

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