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ABC285 A~D問題 ものすごく丁寧でわかりやすい解説 python 灰色~茶色コーダー向け #AtCoder

Last updated at Posted at 2023-01-19

ABC285(AtCoder Beginner Contest 285) A~D問題の解説記事です。
灰色~茶色コーダーの方向けに解説しています。

その他のABC解説、動画などは以下です。

更新時はツイッターにて通知します。
https://twitter.com/AtCoder4

A Dif:11

図をよく見ると
1と2,3
3と6,7
5と10,11
というように2倍と2倍+1の頂点がつながっているということがわかります。
a<bという条件があるので、bを2で割った商がaであれば「Yes」、そうでなければ「No」ということがわかります。

「Yes」「No」は文字列なので「""」(ダブルクオーテーション)をつけなければならないことに注意してください。

入力の受け取り、出力がわからない方は以下の記事を参考にしてください。

【提出】

# 入力の受け取り
a,b=map(int, input().split())

# bを2で割った商がaならば
if b//2==a:
    # 「Yes」を出力
    print("Yes")
# そうでなければ
else:
    # 「No」を出力
    print("No")

B Dif:108

問題文が何を言っているかよくわかりませんね。
まずは入力例を見てみましょう。

i=1の場合はS1とS2、S2とS3、...を比較しています。
i=2の場合はS1とS3、S2とS4、を比較しています。
つまりある文字からi文字先の文字と一致するか否かが問題のようです。S1とS(1+i)文字目、S2とS(2+i)文字目、...と比較していき、違う文字がどこまで続くか?というのを問われています。

あまり難しく考えずに問題文の条件をそのままコードにしてしまうのが楽です。
k=1,2,3,...について、
・l+i≤Nである。
・全ての1≤k≤lを満たす整数kについて、Sk​=S(k+i)​を満たす。
これらを満たす間はl=kとし、そうでなくなったら最大のlとして出力を行います。

pythonでは最初の文字を0文字目と数えます。そのままだと少しややこしいので入力受け取りの際、最初に「?」などの文字をくっつけて0文字目を埋めてしまうのが良いです。

この方法は計算量がO(N^2)となり、最大で5000^2=25000000≒10^7の計算量となります。
pythonだと間に合わないので、提出するときの言語にpypy3を選択して提出しましょう。

pypy3はpythonと同じ文法で高速に動作するプログラミング言語の一種です。
pythonでTLEするときにはpypy3で提出してみるとうまくいくことがあります。

【提出】

# pypyで提出

# 入力の受け取り
N=int(input())
# 0文字目=S[0]を埋める
S="?"+input()

# i=1~(N-1)
for i in range(1,N):
    # lを作る
    l=0
    # k=1~N
    for k in range(1,N+1):
        # ・l+i≤Nである。
        # ・全ての1≤k≤lを満たす整数kについて、Sk​=S(k+i)​を満たす。
        if k+i<=N and S[k]!=S[k+i]:
            # lを更新
            l=k
        # 条件を満たさない
        else:
            # lを出力
            print(l)
            # 次のiへ
            break

C Dif:157

Zの次はAA
AZの次はBA
ZZZの次はAAAA
というような形です。なんとなく繰り上がりの計算に似ていますね。
例えば10進数だと
9の次は10
109の次は110
999の次は1000
となりますし、2進数の場合だと
1の次は10
101の次は110
111の次は1000
となるイメージです。

2進数を10進数に直すときは各桁に2^iを掛けたものを足していくのでした。
例えば1011だったら
左から0桁目:1*2^0=1
左から1桁目:1*2^1=2
左から2桁目:0*2^2=0
左から3桁目:1*2^3=8
1+2+0+8=11となります。

同じノリでこのアルファベット達を26進数として見てみましょう。A=1,B=2,...,Z=26です。
入力例1のABだと
左から0桁目(=B⇔2):2*26^0=2
左から1桁目(=A⇔1):1*26^1=26
足して2+26=28です。うまくいきましたね。

本当はこれで正しいのか、論理的な根拠が必要なところですが、細かいところは一旦置いておきましょう。気になる人は公式解説を読んで下さい。
特にコンテスト中なら「これでいけそうだなー」で入力例3が通ったらとりあえず提出してみればOKです。

アルファベットを数字に変換するのはordを使うと便利です。
これは文字→文字コードへ変換してくれる機能で、Aの文字コードが65、Bの文字コードが66、...となっているため、(文字コード)-64をすればいい感じに変換できます。

【提出】

# 入力の受け取り
S=input()

# 各文字を数値へ変換したものを格納するリスト
d=[]

# x:Sの各文字について
for x in S:
    # (文字コード-64)を格納
    d.append(ord(x)-64)

# ひっくり返す
# 左から順に処理したいため
d=d[::-1]

# 答え
ans=0

# i=0~(dの長さ-1)
for i in range(len(d)):
    # 26^i*数値
    ans+=26**i*d[i]

# 答えの出力
print(ans)

D Dif:663

どういう場合が「No」になるか考えましょう。
A B
B C
C D
ならば下から順に処理すればできます。
ところがここに
D A
が追加されるとどうやっても処理ができません。
どうやらA→B,B→C,C→D,D→Aというように矢印を張ったとき、ぐるぐる回るループの部分ができるとダメそうだということがわかります。

グラフにループがあるかを判定する方法はBFSも使えるのですが、せっかくD問題なのでUnionFindを使ってみましょう。

UnionFind
UnionFindはグラフにおける2つの頂点の「連結」(Union)と「連結であるかの判定」(Find)を高速で行うことができるデータ構造です。

動画での解説はこちら

きちんとした説明はAtCoder公式が解説スライドを作っているのでそちらを御覧ください。
https://atcoder.jp/contests/atc001/tasks/unionfind_a
UnionFindの実装はかなり難しいです。ですが問題を解くのにそこまで理解する必要はなく、以下のUnionFindクラスをコピペして使えればOKです。

# UnionFind
class UnionFind:
    def __init__(self,n):
        self.n=n
        self.parent_size=[-1]*n
 
    def leader(self,a):
        if self.parent_size[a]<0: return a
        self.parent_size[a]=self.leader(self.parent_size[a])
        return self.parent_size[a]
 
    def merge(self,a,b):
        x,y=self.leader(a),self.leader(b)
        if x == y: return 
        if abs(self.parent_size[x])<abs(self.parent_size[y]):x,y=y,x
        self.parent_size[x] += self.parent_size[y]
        self.parent_size[y]=x
        return 
 
    def same(self,a,b):
        return self.leader(a) == self.leader(b)

※きちんと中身が理解したい方は【広告】欄の『AtCoder 最速で緑になる 基礎・典型50問詳細解説』などをご購入ください。

上記をコードの最初にコピペしてから以下のように使います。
・初期化【O(N)】:変数名=UnionFind(頂点の数)
・頂点の連結【だいたいO(logN)】:変数名.merge(頂点番号1,頂点番号2)
・連結か確認【だいたいO(1)】:変数名.same(頂点番号1,頂点番号2)
 (連結ならTrue,そうでないならFalseを返す)

使用例
# 初期化【O(N)】:変数名=UnionFind(頂点の数)
UF=UnionFind(10)

# 頂点の連結【だいたいO(logN)】:変数名.merge(頂点番号1,頂点番号2)
UF.merge(0,2)
UF.merge(1,3)
UF.merge(3,0)

# 連結か確認【だいたいO(1)】:変数名.same(頂点番号1,頂点番号2)
if UF.same(1,5)==True:
    print("連結")
else:
    print("連結でない")

既に連結の頂点同士について、更にそこへ辺を張ろうとするとループが出来上がります。
ABC285D1.png

よって処理内容としては
入力を受け取り、2つの頂点が連結か確認
→連結でなければ連結する
→連結ならループができるので「No」を出力
という形になります。

今回は各頂点にあたるS,Tが数字でなく文字列なので、入力と同時に頂点番号となる数字を割り振っていきます。
やり方としては連想配列を用意し、キーが名前、値が番号となるようして変換するのが楽です。
番号は何でもOKです。【提出】ではSiに2i番、Tiに(2i+1)番を振っています。ただし既に番号が振られていたら無視です。

【提出】

class UnionFind:
    def __init__(self,N):
        self.N=N
        self.parent_size=[-1]*N
    def leader(self,a):
        if self.parent_size[a]<0: return a
        self.parent_size[a]=self.leader(self.parent_size[a])
        return self.parent_size[a]
    def merge(self,a,b):
        x,y=self.leader(a),self.leader(b)
        if x == y: return
        if abs(self.parent_size[x])<abs(self.parent_size[y]):x,y=y,x
        self.parent_size[x] += self.parent_size[y]
        self.parent_size[y]=x
    def same(self,a,b):
        return self.leader(a) == self.leader(b)

# 入力の受け取り
N=int(input())

# UnionFindを用意
UF=UnionFind(2*N+2)

# 連想配列(defaultdict)を用意
from collections import defaultdict

# 名前→頂点番号への変換用連想配列
# 初期値は0
Num=defaultdict(int)

# i~1~N
for i in range(1,N+1):
    # 入力の受け取り
    S,T=map(str, input().split())
    # Sに番号がまだ振られていなければ
    if Num[S]==0:
        # 2i番を振る
        Num[S]=2*i
    # Sに番号がまだ振られていなければ
    if Num[T]==0:
        # (2i+1)番を振る
        Num[T]=2*i+1
    
    # SとTが連結であれば
    if UF.same(Num[S],Num[T]):
        # ループになるので「No」
        print("No")
        # 終了
        exit()
    # そうでなければ
    else:
        # 連結にする⇔辺を張る
        UF.merge(Num[S],Num[T])

# 「Yes」を出力
print("Yes")

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