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NECプログラミングコンテスト2022(ABC267) A~D問題 ものすごく丁寧でわかりやすい解説 python 灰色~茶色コーダー向け #AtCoder

Last updated at Posted at 2022-09-07

NECプログラミングコンテスト2022(AtCoder Beginner Contest 267) A~D問題の解説記事です。
灰色~茶色コーダーの方向けに解説しています。

その他のABC解説、動画などは以下です。

更新時はツイッターにて通知します。
https://twitter.com/AtCoder4

日本電気株式会社(NEC)様について

本コンテストはNFC様が主催されています。
研究開発内容

採用情報

A - Saturday Dif:13

入力が
Mondayなら5
Tuesdayなら4
...
と条件分岐します。「Monday」「Tuesday」は文字列なので「""」(ダブルクオーテーション)で囲むのを忘れないように気をつけましょう。

入力の受け取り、出力がわからない方は以下の記事を参考にしてください。

【提出】

# 入力の受け取り
S=input()

# S=「Monday」ならば
if S=="Monday":
    # 5を出力
    print(5)
# S=「Tuesday」ならば
elif S=="Tuesday":
    # 4を出力
    print(4)
# S=「Wednesday」ならば
elif S=="Wednesday":
    # 3を出力
    print(3)
# S=「Thursday」ならば
elif S=="Thursday":
    # 2を出力
    print(2)
# S=「Friday」ならば
elif S=="Friday":
    # 1を出力
    print(1)

B - Split? Dif:171

まず各列についてピンが1本以上立っているか?を確認します。
入力例2の図を見てください。
ABC267_B_1.png
左から1,3,4,7列目はピンが立っており、2,5,6列目は立っていません。
ピンが立っている列をA、そうでない列をBとして、xという文字列に表しましょう。
x=ABAABBA
xの1,3,4,7番目はAで、2,5,6番目はBになっています。

『ある二つの異なる列であって・・・』という条件は、すなわち以下のいずれかがxのなかにあればよいということになります。
ABA
ABBA
ABBBA
ABBBBA
ABBBBBA

ピン1が倒れており、かつxに上記の中のどれかがあれば「Yes」です。

入力を受け取るとき、そのままだとSの1文字目=S[0],Sの2文字目=S[1]、...となって実装しづらいので0文字目を"?"などてきとうな文字で埋めると良いです。

【提出】

# 入力の受け取り
# 0文字目を「?」で埋める
S="?"+input()

# ピン1が倒れていなければ
if S[1]=="1":
    # 「No」を出力
    print("No")
    # 終了
    exit()

# どの列が倒れているかを確認
x=""

# ピン7が倒れていなければ⇔S[7]=「1」ならば
if S[7]=="1":
    # xの末尾に「A」を追加
    x+="A"
# それ以外(ピン7が倒れていれば⇔S[7]=「0」ならば)
else:
    # xの末尾に「B」を追加
    x+="B"

# ピン4が倒れていなければ⇔S[4]=「1」ならば
if S[4]=="1":
    # xの末尾に「A」を追加
    x+="A"
# それ以外(ピン4が倒れていれば⇔S[4]=「0」ならば)
else:
    # xの末尾に「B」を追加
    x+="B"

# ピン2 または ピン8が倒れていなければ⇔S[2]=「1」 or S[8]=「1」ならば
if S[2]=="1" or S[8]=="1":
    # xの末尾に「A」を追加
    x+="A"
# それ以外(ピン2とピン8両方が倒れていれば⇔S[2]=「1」 and S[8]=「1」ならば)
else:
    # xの末尾に「B」を追加
    x+="B"

# ピン5が倒れていなければ⇔S[5]=「1」ならば
if S[5]=="1":
    # xの末尾に「A」を追加
    x+="A"
# それ以外(ピン5が倒れていれば⇔S[5]=「0」ならば)
else:
    # xの末尾に「B」を追加
    x+="B"

# ピン3 または ピン9が倒れていなければ⇔S[3]=「1」 or S[9]=「1」ならば
if S[3]=="1" or S[9]=="1":
    # xの末尾に「A」を追加
    x+="A"
# それ以外(ピン3とピン9両方が倒れていれば⇔S[3]=「1」 and S[9]=「1」ならば)
else:
    # xの末尾に「B」を追加
    x+="B"

# ピン6が倒れていなければ⇔S[6]=「1」ならば
if S[6]=="1":
    # xの末尾に「A」を追加
    x+="A"
# それ以外(ピン6が倒れていれば⇔S[6]=「0」ならば)
else:
    # xの末尾に「B」を追加
    x+="B"

# ピン10が倒れていなければ⇔S[10]=「1」ならば
if S[10]=="1":
    # xの末尾に「A」を追加
    x+="A"
# それ以外(ピン10が倒れていれば⇔S[10]=「0」ならば)
else:
    # xの末尾に「B」を追加
    x+="B"

# 「ABA」がxにあれば
if "ABA" in x:
    # 「Yes」を出力
    print("Yes")
# 「ABBA」がxにあれば
elif "ABBA" in x:
    # 「Yes」を出力
    print("Yes")
# 「ABBBA」がxにあれば
elif "ABBBA" in x:
    # 「Yes」を出力
    print("Yes")
# 「ABBBBA」がxにあれば
elif "ABBBBA" in x:
    # 「Yes」を出力
    print("Yes")
# 「ABBBBBA」がxにあれば
elif "ABBBBBA" in x:
    # 「Yes」を出力
    print("Yes")
# それ以外
else:
    # 「No」を出力
    print("No")

C - Index × A(Continuous ver.) Dif:524

以下の例を考えます。
N M:6 3
A:1 2 3 4 5 6

BはAから連続でM個の要素を取って作るので、B1が決まればBは決まります。
「B1=A1(B:A1 A2 A3)の場合」
1*1+2*2+3*3=14
「B1=A2(B:A2 A3 A4)の場合」
2*1+3*2+4*3=20
...

「B1=A1(B:A1 A2 A3)の場合」→「B1=A2(B:A2 A3 A4)の場合」について、差分を取ってみましょう。
(2*1+3*2+4*3)-(1*1+2*2+3*3)
=4*3-(1*1+2*(2-1)+3*(3-2))
=4*3-(1+2+3)
「A4*M」-「A1~A3の和」になっていますね。
つまり
「B1=A2(B:A2 A3 A4)の場合」=「B1=A1(B:A1 A2 A3)の場合」-(「A1~A3の和」)+A4*M
と計算できるということです。
同様に
「B1=A3(B:A3 A4 A5)の場合」=「B1=A2(B:A2 A3 A4)の場合」-(「A2~A4の和」)+A5*M
と計算できます。

一般には以下のようになります。
「B1=Ai(B:Ai A(i+1) A(i+2) ... A(i+M-1))の場合」=「B1=A(i-1)(B:A(i-1) Ai A(i+1) ... A(i+M-2))の場合」-(「A(i-1)~A(i+M-2)の和」)+A(i+M-1)*M

「Ai~A(i+M-2)の和」をそのまま計算しているとTLEしますので、これは累積和を使って計算します。

区間和(累積和による)
予め累積和を計算しておくことで区間和をO(1)で計算することができます。
Aの累積和(Cumulative sum)をACumとすると区間[l,r]の和はACum[r]-ACum[l-1]と計算できます。
累積和は以下のように計算することでO(N)で計算できます。
i=1,2,3,...,Nについて
ACum[i]=A_cum[i-1]+A[i]
※A[0]=0で埋めておきます

「例」
A:1 3 5 7 9 11 13 15 について区間[3,5]の和を求める場合
まず累積和を求めます。ACum[x]はA[1]~A[x]までの和を意味します。
例えばACum[3]=A[1]+A[2]+A[3]=1+3+5=9です。

ACum[2]=4
ACum[5]=25
ですので区間[3,5]の和は
ACum[5]-ACum[3-1]=ACum[5]-ACum[2]=25-4=21
となります。
なぜこのように計算できるかはACumを開いてみるとわかりやすいです。
ACum[5]-ACum[2]
=(A[1]+A[2]+A[3]+A[4]+A[5])-(A[1]+A[2])
=A[3]+A[4]+A[5]
と、いい感じにいらないところを引き算できるというわけです。

【提出】

# 入力の受け取り
N,M=map(int,input().split())
# 0番目を[0]などてきとうな数で埋める
A=[0]+list(map(int,input().split()))

# 答え
ans=0

# i=1~M
for i in range(1,M+1):
    # i*A[i]を足す
    ans+=i*A[i]

# 累積和の計算
ACum=[0]*(N+1)
# i=1~N
for i in range(1,N+1):
    # 計算する
    ACum[i]=ACum[i-1]+A[i]

# S:「B1=Ai(B:Ai A(i+1) A(i+2) ... A(i+M-1)の場合」のΣi*Biの値
S=ans

# i=2~(N-M+1)
for i in range(2,N-M+2):
    # 「B1=Ai(B:Ai A(i+1) A(i+2) ... A(i+M-1))の場合」=「B1=A(i-1)(B:A(i-1) Ai A(i+1) ... A(i+M-2))の場合」-(「A(i-1)~A(i+M-2)の和」)+A(i+M-1)*M
    S=S-(ACum[i+M-2]-ACum[i-2])+A[i+M-1]*M
    # それまでの答えより大きければ更新
    ans=max(ans,S)

# 答えの出力
print(ans)

D - Index × A(Not Continuous ver.) Dif:864

DPで解きます。

DPとは「ある状態までの答えがわかっていれば→その次の状態の答えも出せる」という手続きを何度も行って最終的な答えを出す方法です。

DPの解説動画を作りましたので、本問が難しいと感じた方は是非御覧ください。

具体的な手順は以下です。
(1)表を作る
(2)すぐにわかるところを埋める
(3)表の小さい方から答えにたどり着くまで埋める
(4)答えを出力する

以下の例で考えます。
N M:5 3
A:3 1 5 7 9

(1)表を作る
今回作る表は「Aからk個を選択し、かつBk=Axとしたときの、Σ[i=1,k]i*Biの最大値」
とします。表の名前はdpとします。
ABC267_D_1.png
例えばdp[2][3]ならば「Aから2個を選択し、かつB2=A3としたときの、Σ[i=1,2]i*Biの最大値」となります
この場合、「B:A1 A3」=「B:3 5」として
Σ[i=1,2]i*Bi=1*3+2*5=13
とするのが最大値です。よってdp[2][3]=13となります。

(2)すぐにわかるところを埋める
すぐにわかるのはk=1の行です。
k=1の行というのは「Aから1個を選択し、かつB1=Axとしたときの、Σ[i=1,1]i*Biの最大値」となります。
dp[1][1]ならばB1=A1となり、Σ[i=1,1]i*Biの最大値=1*B1=1*A1=3となります。
dp[1][2]ならばB1=A2となり、Σ[i=1,1]i*Biの最大値=1*B1=1*A2=1となります。
同様に考えて
dp[1][x]=Ax
と計算できます。
ABC267_D_2.png

(3)表の小さい方から答えにたどり着くまで埋める
k=2の行を考えましょう。
k=2の行というのは「Aから2個を選択し、かつB2=Axとしたときの、Σ[i=1,2]i*Biの最大値」となります。
まずdp[2][1]ですが、これは「Aから2個を選択し、かつB2=A1としたときの、Σ[i=1,2]i*Biの最大値」となります。
ですが、BはAの部分列(Aのインデックス番号が小さい方から取ってくる)のでB2=A1とすることはできません。
(B2=A1とするならB1はなににする?となりますね)
よってここは無視です。

dp[2][2]を考えます。dp[2][2]は「Aから2個を選択し、かつB2=A2としたときの、Σ[i=1,2]i*Biの最大値」となります。
B2=A2とするならB1=A1とする他ありません。Σ[i=1,2]i*Bi=1*B1+2*B2=1*A1+2*A2=1*3+2*1=5となります。
よってdp[2][2]=5です。

dp[2][3]を考えます。dp[2][3]は「Aから2個を選択し、かつB2=A3としたときの、Σ[i=1,2]i*Biの最大値」となります。
B2=A3なので、B1=A1またはA2が考えられます。
B1=A1としたときのBの1番目までの和Σ[i=1,1]i*Biの最大値はdp[1][1]=3です。
B1=A2としたときのBの1番目までの和Σ[i=1,1]i*Biの最大値はdp[1][2]=1です。
これに2*B2=2*A3=10を足して最大値となるようにします。当然大きい方、B1=A1とした場合の3に2*B2=2*A3=10を足すのが良いですね。
dp[2][3]=3+10=13となります。

dp[2][4]を考えます。dp[2][4]は「Aから2個を選択し、かつB2=A4としたときの、Σ[i=1,2]i*Biの最大値」となります。
B2=A4なので、B1=A1またはA2またはA3が考えられます。
B1=A1としたときのBの1番目までの和Σ[i=1,1]i*Biの最大値はdp[1][1]=3です。
B1=A2としたときのBの1番目までの和Σ[i=1,1]i*Biの最大値はdp[1][2]=1です。
B1=A3としたときのBの1番目までの和Σ[i=1,1]i*Biの最大値はdp[1][3]=5です。
これに2*B2=2*A4=14を足して最大値となるようにします。最も大きいもの、B1=A3とした場合の5に2*B2=2*A4=14を足すのが良いですね。
dp[2][3]=5+14=19となります。

なんとなく理屈がわかってきたと思います。
要するに「k=1行目、(1~x)列の最大値」+2*Axがdp[2][x]になっています。
ABC267_D_3.png

これを一般化すると以下のようになります。
(2≤k,k≤x)dp[k][x]=「(k-1)行目,(1~(x-1))列の最大値」+k*Ax

(4)答えを出力する
表をすべて埋めると以下のようになります。
ABC267_D_4.png

k=3行目は「Aから3個を選択し、かつB3=Axとしたときの、Σ[i=1,3]i*Biの最大値」ですから、3行目の最大値dp[3][5]=46が答えになります。

ちなみに「✕」の部分は、実装では初期値としてとても小さな数を埋めておきます。

【提出】

# 入力の受け取り
N,M=map(int,input().split())
A=[0]+list(map(int,input().split()))

# (1)表を作る
dp=[[-10**15]*(N+1) for i in range(M+1)]

# (2)すぐにわかるところを埋める
# x=1~N
for x in range(1,N+1):
    dp[1][x]=A[x]

# (3)表の小さい方から答えにたどり着くまで埋める
# k=2~M
for k in range(2,M+1):
    # (k-1)行目の最大値
    dpMax=dp[k-1][0]
    # x=k~N
    for x in range(k,N+1):
        # (k-1)行目の最大値 dp[k-1][x-1]がそれまでの最大値より大きければ更新
        dpMax=max(dp[k-1][x-1],dpMax)
        # (2≤k,k≤x)dp[i][x]=「「(k-1)行目,(1~(x-1))列の最大値」+k*Ax
        dp[k][x]=dpMax+k*A[x]

# (4)答えを出力する
# M行目の最大値
print(max(dp[M]))

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