UNICORNプログラミングコンテスト2022(AtCoder Beginner Contest 269) A~E問題の解説記事です。
灰色~茶色コーダーの方向けに解説しています。
その他のABC解説、動画などは以下です。
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A - Anyway Takahashi Dif:8
指示通りに出力を行います。
「Takahashi」は文字列なので「""」(ダブルクオーテーション)をつけなければならないことに注意してください。
入力の受け取り、出力がわからない方は以下の記事を参考にしてください。
【提出】
# 入力の受け取り
a,b,c,d=map(int,input().split())
# (a+b)*(c-d)を出力
print((a+b)*(c-d))
# 「Takahashi」を出力
print("Takahashi")
B - Rectangle Detection Dif:68
A,B,C,Dについて全通り試してみましょう。
以下のように4重ループを書けば全ての組を作ることができます。
for A in range(10):
for B in range(A,10):
for C in range(10):
for D in range(C,10):
これで以下のように代入しながら処理ができます。
(A,B,C,D)
(0 0 0 0)
(0 0 0 1)
(0 0 0 2)
(0 0 0 3)
...
(0 0 0 9)
(0 0 1 1)
(0 0 1 2)
(0 0 1 3)
...
(9 9 8 8)
(9 9 8 9)
(9 9 9 9)
pythonは0インデックスなのでリストの先頭は0番目、文字の先頭は0文字目となりますから、A=1,2,3,...ではなくA=0,1,2,...と一つずれます。
答えを出力するときに+1してずらします。
i=0~9,j=0~9について、Siのj文字目を確認します。
まず条件を満たしている間はTrueとする変数OKを用意します
A≤i≤B かつ C≤j≤D で、Siのj文字目が「.」→条件を満たさない→OKをFalseにする
上記以外でSiのj文字目が「#」→条件を満たさない→OKをFalseにする
OKが最後までTrueのままになっているA,B,C,Dの組があればそれが答えになります。
【提出】
# 入力の受け取りリスト
Slist=[]
# 10回
for i in range(10):
# 入力の受け取り
S=input()
# リストへ追加
Slist.append(S)
# A=0~9
for A in range(10):
# B=A~9
for B in range(A,10):
# C=0~9
for C in range(10):
# D=C~9
for D in range(C,10):
# 条件を満たしている間True
OK=True
# i=0~9
for i in range(10):
# j=0~9
for j in range(10):
# A≤i≤B かつ C≤j≤D の場合
if A<=i<=B and C<=j<=D:
# Siのj文字目が「.」ならば
if Slist[i][j]==".":
# 条件を満たさない
OK=False
# そうでなければ
else:
# Siのj文字目が「#」ならば
if Slist[i][j]=="#":
# 条件を満たさない
OK=False
# 条件を満たしていれば
if OK==True:
# 答えの出力
print(A+1,B+1)
print(C+1,D+1)
# 終了
exit()
C - Submask Dif:384
なにやらややこしく見えますが、要するに
Nが「0」の桁はxも「0」
Nが「1」の桁はxは「0」か「1」
となるようにxを作ればいいということです。
例えばN=11であれば2進数に直すと(1011)で、右から0桁目,1桁目,3桁目が「1」です。
つまりxは右から0桁目,1桁目,3桁目が「0」か「1」で、2桁目は「0」になります。
よって
0000=0
0001=1
0010=2
0011=3
1000=8
1001=9
1010=10
1011=11
となります。
xを右から0桁目から順に作っていきます。
まず空の文字「""」が入ったリストxを作ります。
i=0,1,2,...について、
・Nの右からi桁目が「0」ならば
x内の各要素について、左端に「0」を付け足します。
・Nの右からi桁目が「1」ならば
x内の各要素について、左端に「0」または「1」を付け足します。
付け足したものはNewxというリストに記録します。
処理が終わったらx=Newxと更新します。
後はソートして2進数→10進数へ戻せば終わりです。
実装にはいくつかコツがあります。
・Nを2進数へ変換して反転
まずNを2進数へ変換しましょう。名前をNbitとします。
bin(10進数)
とすることで10進数を2進数の文字列へ変換できます。
ただし頭に「0b」という文字が入ります。
(例)bin(11)="0b1011"
邪魔なので2文字目以降を取るようにして「0b」を消しましょう。
更にこのままだと右からi桁目が取りづらいので反転します。
反転は
文字列[::-1]
と書きます。
(例)Nbit="1011"→Nbit[::-1]="1101"
これでNbit[i]とすることでNの右からi桁目を確認できます。
・リストxの要素を順に格納して処理
for 変数 in リスト:
と書くことでリストの要素を変数へ順に格納して処理ができます。
・2進数→10進数へ変換
int(2進数,2)と書くことで2進数の文字列を10進数へ変換できます。
【提出】
# 入力の受け取り
N=int(input())
# Nを2進数へ変換
Nbit=bin(N)
# 「0b」を消す
Nbit=Nbit[2:]
# 反転
Nbit=Nbit[::-1]
# xへ空の文字列を入れておく
x=[""]
# i=0~(Nbitの長さ-1)まで
for i in range(len(Nbit)):
# 新しいxのリスト
Newx=[]
# Nの右からi桁目が「0」ならば
if Nbit[i]=="0":
# xの要素を順にaへ格納して処理
for a in x:
# 先頭に「0」をつける
Newx.append("0"+a)
# Nの右からi桁目が「1」ならば
else:
# xの要素を順にaへ格納して処理
for a in x:
# 先頭に「0」をつける
Newx.append("0"+a)
# 先頭に「1」をつける
Newx.append("1"+a)
# xを更新
x=Newx
# 小さい順に並び替え
x.sort()
# xの要素を順にansへ格納して処理
for ans in x:
# ansを10進数へ変換
print(int(ans,2))
D - Do use hexagon grid Dif:612
BFSを使います。
BFSは幅優先探索(breadth first search)の略称で、グラフを探索するアルゴリズムです。
BFSの解説動画を作りましたので、本問が難しいと感じた方は是非御覧ください。
黒いマスを辿ってどのマスに進めるかを確認し、連結成分の数を数えていきます。
まず入力を受け取ると同時に黒いマスの座標をStartというリストに入れていきます。
これはスタート地点の候補という意味です。
また、黒いマスの座標をGridという二次元配列で管理します。黒いマスは1、そうでなければ0とします。
例えばGrid[1][3]=1ならば(1,3)は黒いマスということです。
次に訪問済みの座標を記録するvisitedという二次元配列を用意します。
初期値は全てFalseで、既に訪問済みの座標についてはTrueにします。
更にキューを用意します。
これはリストのような物だと思ってください。
詳しくは後述の「dequeについて」を読んでください。
以下の手順で連結成分数を数えていきます。
(1)Startから座標を取り出す
(2)取り出した座標が訪問済みでなければキューに入れて、訪問済みにする
(3)連結成分数を+1する
(4)キューが空になるまで以下を繰り返す
・今いる場所(キューから取り出した座標)から進める座標が黒いマス かつ 訪問済みでなければ
(4_1)訪問済みにする
(4_2)座標をキューに入れる
(5)キューが空になったら(1)へ戻る
Startから座標を取り出した時、
・初めて訪れる座標なら→連結成分数が増える
・他の座標から黒いマスを辿って訪問済みならば(visited=1)→連結成分数は増えず、無視する
ということを繰り返しています。
実装では座標としてマイナスが入力されることがありますが、管理がややこしいで+1000して全て0以上にすると良いです。
dequeについて
dequeはリストのようなものですが、先頭から要素を取り出す操作をO(1)で行うことができます。
(リストだとO(N)かかります)
インポート:from collections import deque
作成:変数名=deque()
先頭(左端)に要素追加【O(1)】:変数名.appendleft(要素)
末尾(右端)に要素追加【O(1)】:変数名.append(要素)
先頭(左端)から要素を取り出して削除【O(1)】:変数名.popleft()
末尾(右端)から要素を取り出して削除【O(1)】:変数名.pop()
【使用例】
# インポート:from collections import deque
from collections import deque
# 作成:変数名=deque()
que=deque()
# 先頭(左端)に要素追加【O(1)】:変数名.appendleft(要素)
que.appendleft(1)
# 末尾(右端)に要素追加【O(1)】:変数名.append(要素)
que.append(3)
# 先頭(左端)から要素を取り出して削除【O(1)】:変数名.popleft()
x=que.popleft()
# 末尾(右端)から要素を取り出して削除【O(1)】:変数名.pop()
y=que.pop
詳しく知りたい人は以下のページを見てください。
【提出】
# 入力の受け取り
N=int(input())
# 黒いマスの管理
Grid=[[0]*3000 for i in range(3000)]
# スタート地点の候補
Start=[]
# N回
for i in range(N):
# 入力の受け取り
X,Y=map(int,input().split())
# 0以上にするため1000プラスする
X+=1000
Y+=1000
# (X,Y)が黒いマス
Grid[X][Y]=1
# スタート地点の候補
Start.append([X,Y])
# 訪問済み座標の管理
visited=[[False]*3000 for i in range(3000)]
# dequeを用意
from collections import deque
que=deque()
# 答え
ans=0
# (1)Startから座標を取り出す
for X,Y in Start:
# (2)取り出した座標が訪問済みでなければキューに入れて、訪問済みにする
if visited[X][Y]==0:
# キューへ追加
que.append([X,Y])
# 訪問済みにする
visited[X][Y]=1
# 答えをプラス1
ans+=1
# (4)キューが空になるまで
while 0<len(que):
# 今いる座標
NowX,NowY=que.popleft()
# ・今いる場所(キューから取り出した座標)から進める座標が黒いマス かつ 訪問済みでなければ
if Grid[NowX-1][NowY-1]==1 and visited[NowX-1][NowY-1]==0:
# (4_1)訪問済みにする
visited[NowX-1][NowY-1]=1
# (4_2)座標をキューに入れる
que.append([NowX-1,NowY-1])
if Grid[NowX-1][NowY]==1 and visited[NowX-1][NowY]==0:
visited[NowX-1][NowY]=1
que.append([NowX-1,NowY])
if Grid[NowX][NowY-1]==1 and visited[NowX][NowY-1]==0:
visited[NowX][NowY-1]=1
que.append([NowX,NowY-1])
if Grid[NowX][NowY+1]==1 and visited[NowX][NowY+1]==0:
visited[NowX][NowY+1]=1
que.append([NowX,NowY+1])
if Grid[NowX+1][NowY]==1 and visited[NowX+1][NowY]==0:
visited[NowX+1][NowY]=1
que.append([NowX+1,NowY])
if Grid[NowX+1][NowY+1]==1 and visited[NowX+1][NowY+1]==0:
visited[NowX+1][NowY+1]=1
que.append([NowX+1,NowY+1])
# 答えの出力
print(ans)
E - Last Rook Dif:1030
行と列、それぞれについて二分探索で範囲を絞っていきます。
例えばN=10のとき、
・1行目~5行目(1~10の中央)までにいくつルークがあるか聞く。
すなわち(1,5,1,10)を投げる。
・答えが「5」より小さいならば(「4」の場合)
1~5行目のどこかに置ける
・答えが「5」ならば
6~10行目のどこかに置ける
答えが「5」より小さかったとします。
この時点で行の範囲は1~5に絞られます。
・1~3行目(1~5の中央)までにいくつルークがあるか聞く。
すなわち(1,3,1,10)を投げる。
・答えが「3」より小さいならば(「2」の場合)
1~3行目のどこかに置ける
・答えが「3」ならば
4~5行目のどこかに置ける
答えが「3」だったとします。
この時点で行の範囲は4~5に絞られます。
・4~4行目までにいくつルークがあるか聞く。
すなわち(4,4,1,10)を投げる。
・答えが「1」より小さいならば(「0」の場合)
4行目で確定
・答えが「1」ならば
5行目で確定
一般には以下の手順で解きます。
探索範囲の最小をGmin,最大をGmaxとします。
中央はGcen=(Gmin+Gmax)//2です。
・Gmin~Gcen行目(Gmin~Gmaxの中央)までにいくつルークがあるか聞く。
すなわち(Gmin,Gcen,1,N)を投げる。
・答えが(Gcen-Gmin+1)より小さいならば
Gmin~Gcen行目のどこかに置ける
→Gmax=Gcenに更新
・答えが(Gcen-Gmin+1)ならば
(Gcen+1)~Gmax行目のどこかに置ける
→Gmin=Gcen+1に更新
Gmin=Gmaxになったら行が確定
列も同様にします。
【提出】
# 入力の受け取り
N=int(input())
# 行の探索範囲
Gmin=1
Gmax=N
# 列の探索範囲
Rmin=1
Rmax=N
# 20回
for i in range(20):
# 範囲の中央を確認
Gcen=(Gmin+Gmax)//2
Rcen=(Rmin+Rmax)//2
# Gmin~Gcenの個数を確認
print("?",Gmin,Gcen,1,N)
T=int(input())
# 答えが(Gcen-Gmin+1)より小さいならば
if T<Gcen-Gmin+1:
# Gmin~Gcen行目のどこかに置ける
Gmax=Gcen
# それ以外(答えが(Gcen-Gmin+1)ならば)
else:
# (Gcen+1)~Gmax行目のどこかに置ける
Gmin=Gcen+1
# 列も同様
print("?",1,N,Rmin,Rcen)
T=int(input())
if T<Rcen-Rmin+1:
Rmax=Rcen
else:
Rmin=Rcen+1
# 行、列の範囲が定まったら
if Gmin==Gmax and Rmin==Rmax:
# 答えの出力
print("!",Gmin,Rmin)
# 終了
exit()
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