概要

mock の生成方法が複数存在し、複雑だったので整理した。

mockとは

mock を知らない人のために簡単に説明を。

テストにおける mock とは、テストに必要なオブジェクトを代替するもの。
mock を使用することで、オブジェクトの属性や戻り値を自由に設定できる
DB から値を取得する必要のあるメソッドをテストしたい時などに重宝する

mock を生成する方法

unittest.mocker.patch を使用する

以下のいずれかの方法で指定したオブジェクトを mock 化できる
- @patch() アノテーションを使用する
- patch() メソッドを使用する
  - with 文で生成可能
以下の例では os.getcwd() メソッドの戻り値を固定している

import os
from unittest.mock import patch
class TestApp:
    @patch('os.getcwd')
    def test_patch(self, mock_getcwd):
        mock_getcwd.return_value = 'mocked'
        print(f"cwd={os.getcwd()}")

    def test_with(self):
        with patch('os.getcwd') as mock:
            mock.return_value = 'mocked-with'
            print(f"with={os.getcwd()}")

# 実行結果
# cwd=mocked
# .with=mocked-with

以下のように、patch() 内で戻り値を定義することもできる

import os
from unittest.mock import patch
class TestApp:
    @patch('os.getcwd', return_value = 'mocked')
    def test_patch(self, mock_getcwd):
        print(f"cwd={os.getcwd()}")

    def test_with(self):
        with patch('os.getcwd', return_value = 'mocked-with') as mock:
            print(f"with={os.getcwd()}")

# 実行結果
# cwd=mocked
# .with=mocked-with

pytest-mock

@pytest.fixture を付与したメソッドに mocker を渡す
fixture を用いて mock を定義しているので、テスト後に自動でモックが破棄される

import os
import pytest

@pytest.fixture()
def fixture_pytest_mocker(mocker):
    return mocker.patch(
        'os.getcwd', return_value='mocked'
    )

def test_pytest_mock(fixture_pytest_mocker):
    print(f"pytest_mocker={os.getcwd()}")

# 実行結果
# pytest_mocker=mocked

各方法のメリットとデメリットについて

unittest.mocker.patch
- メリット
  - Python 標準ライブラリの機能であるため、追加でライブラリをインポートする必要がない
- デメリット
  - mock を使用する毎に処理を記述しなければならないので、冗長なコードになりがち
pytest-mock
- メリット
  - fixture で mock を管理でき、mock を使用する毎に処理を記述する必要がなく、コードが簡潔になる
- デメリット
  - pytest を追加でインポートする必要がある

まとめ

pytest を使える環境なら、2 の pytest-mock を使用する方がコードが簡潔になって良さそう