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【個人開発】「自分は何も覚えなくていい」認知負荷ゼロ開発でSaaSを公開した3日間

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【個人開発】「自分は何も覚えなくていい」認知負荷ゼロ開発でSaaSを公開した3日間

導入

普通の個人開発は、頭がパンクしがちです。
過去の修正内容、依存関係、同じバグの解決策――すべて自分の脳で覚えていなければなりません。

しかし今回、自分は真逆のアプローチを取りました。
「何も覚えなくていい」=認知負荷ゼロの開発手法。

実装はAI(Claude Code)に任せ、記憶はシステム(Serena MCP)に預ける。
自分はただ「どんなサービスを作りたいか」だけを考える。

ChatGPT Image 2025年8月18日 18_10_03.png

結果、気づけば3日間でSaaSが完成していました。
副業フリーランス向け見込み売上管理ツール「Monerion」のローンチ記録を紹介します。


認知負荷ゼロの開発スタイル

開発者の脳はCPUであり、同時にRAM(作業記憶)でもあります。
しかし人間のワーキングメモリには限界があり、心理学の研究では「同時に保持できる情報は7±2個」程度とされています。

普通の個人開発では、

  • 「依存関係をどこで解決したか」
  • 「バグを直したときの再発防止策」
  • 「過去の仕様変更の理由」

といった情報を頭の中で全部抱え込むため、ワーキングメモリが常に圧迫されます。
これが「認知負荷」であり、結果としてミスが増え、効率は低下します。

認知負荷理論と開発効率

教育心理学の「認知負荷理論」(Sweller, 1988)では、人の作業効率は「ワーキングメモリの空き容量」に依存するとされています。

  • 認知負荷が高い → 新しいアイデアが浮かばず、バグ対応も場当たり的になる
  • 認知負荷が低い → 集中力を保て、設計判断や創造的タスクに時間を回せる

つまり開発の生産性は、スキルや知識量だけでなく、**「いかに認知負荷を減らせるか」**に左右されるのです。

外部化による解放

そこで今回実践したのが――

  • 実装はClaude Codeに
  • 記憶はSerena MCPに

すなわち「脳のRAMを外部に逃がす」スタイルです。
自分は「どんなサービスを作りたいか」だけに集中し、細かい履歴やバグの解決策は記憶システムが保持する。

この外部化によって、ワーキングメモリの消費はほぼゼロに近づきました。
結果として、頭を空っぽにしたまま設計と方向性に集中でき、3日間でSaaSに到達できたのです。


Day 1(8月15日): ブランド刷新と基盤づくり

  • 「Money Commit」から「Monerion」へブランド刷新
  • LocalStorage → IndexedDBへ完全移行(7,000行超の基盤)
  • デモデータを追加して初回UXを改善
  • Cloudflare DNS + GitHub Pagesでデプロイ準備
  • GDPR対応・税金自動計算まで一気に実装

👉 普通なら「これ全部覚えておかないと破綻する」レベルのタスクを、Serena MCPが整理してくれたおかげで脳のメモリを浪費せず進められました。


Day 2(8月16日): バグ修正と緊急復旧

  • 深夜に「支出・給与タブ」表示不具合 → 即修正
  • 定期評価システム+キャッシュ自動クリアでCI/CD完成
  • 夜にindex.html重大破損 → Local Historyで即復旧

👉 通常なら絶望する局面も、「過去の復旧手順を覚えておく必要がない」。
Serena MCPに残していた知識と仕組みで、冷静に戻せました。


Day 3(8月17日): モジュラー化とローンチ

  • 巨大HTMLを6,478行 → 110行に分割
  • Python + Jinja2で静的サイトジェネレーター構築
  • ブログ記事11本を同時公開
  • CAMPFIREサポーター認証を追加
  • 正式公開 → 独自ドメイン monerion.net

👉 3日目は整理と仕上げ。記憶に頼らず「やるべきことだけ」を拾っていけたから、迷わずローンチまで到達できました。


技術スタック

  • フロント: Vanilla JS 7,000行(フレームワークレス)
  • IndexedDB(オフライン完全対応)
  • Chart.js(安全なグラフ実装)
  • バックエンド: Python + Jinja2静的サイトジェネレーター
  • インフラ: GitHub Pages + Cloudflare DNS/CDN
  • PWA対応(Service Worker, Manifest)

成果と数値

  • 開発期間: 3日間(実働24時間)
  • コード量: JS 7,020行
  • 記事数: 11本同時公開

学び

  1. 覚えないことで、開発は加速する
  2. 記憶を外部化すれば、人間は設計と判断に集中できる
  3. 「便利より安心」を選ぶ設計も価値がある

まとめ

今回の経験で実感したのは、
「覚えないこと」が最強の開発効率化だということ。

3日間でSaaSを公開できたのは、AI駆動+メモリ駆動という「認知負荷ゼロ」のスタイルのおかげでした。

👉 公開版はこちら → https://monerion.net

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