先日、1週間の開発インターンに参加するため、僕は普段住んでいる東北から東京へ向かった。
この記事は、インターンの成果物について書くものではない。インターン期間中のたった2日間の放課後、僕が文字通り人生を変えるほどの経験をした物語だ。地方でエンジニアを目指すすべての学生に、僕の熱量が届けば嬉しい。
プロローグ:なぜ僕は、疲れ果てた足で勉強会へ向かったのか
バックエンドエンジニアを目指す僕にとって、東京は刺激の宝庫だ。特に、普段は画面越しにしか見られないような企業のエンジニアと直接交流できるリアルイベントは、何にも代えがたい価値がある。
「体力のある限り、参加できるものにはすべて参加する」
そう決めていた僕は、インターン3日目と4日目の放課後、2日連続で外部の勉強会へ向かった。正直、体はクタクタだった。それでも僕を突き動かしたのは、「ここでしか得られない知識と出会いがある」という確信だった。
Swiftの知識がない僕でも、登壇者の話は初学者にも分かりやすく、セッションを聞くだけで「iOSエンジニアの道も面白いかもしれない」と視野が広がるのを感じた。しかし、本当の衝撃は、その後の懇親会で待っていた。
第1章:現役エンジニアが教えてくれた「面接を突破する視点」
懇親会で、僕は勇気を出して社員の方々に話しかけた。そこで得られたのは、ネットの記事を読むだけでは決してわからない、リアルで実践的なアドバイスだった。
学び①:経験の「定量化」
「今、スクラム開発をやっていて、スクラムマスターをしています」
そう話すと、ある社員の方は言った。
「素晴らしい経験だね。面接でその話をするなら、リーダーシップをどう発揮したか『定量化』できるとすごく良いよ」
頭を殴られたような衝撃だった。「頑張った」ではなく、「何人のチームで、何を、どれだけ改善したか」で語る。自分の経験の伝え方が、根本から変わった瞬間だった。
学び②:行動の根拠としての「一次情報」
面接で見ているポイントについても、驚くべき話が聞けた。
「技術力も見るけど、それ以上に**『目標に対してどんな行動をしているか』**が重要。そして、その行動が何に基づいているかがもっと大事」
「『やりながら覚えました』は少し弱い。『〇〇という本(公式ドキュメント)を元に、こう考えて実装しました』のように、行動の根拠として一次情報を提示できると、説得力が全く違う」
学び③:「一緒に働きたい」と思われること
早期化する選考への焦りを口にすると、別の社員の方は優しく諭してくれた。
「結局、企業が欲しいのは**『一緒に働きたくなるようなエンジニア』**なんだ。だから、選考の速さなんて気にせず、今はとにかく面白い経験をたくさん積むのが一番だよ」
この言葉に、僕は目の前の不安ではなく、長期的な成長に目を向ける勇気をもらえた。
第2章:奇跡の出会いがくれた「具体的な道筋」
そして、この2日間で最も僕を揺さぶる出来事が起こる。
1日目、Sansanの勉強会で社員の方と熱心に話した。そして翌日、Progateの勉強会に参加すると、信じられないことに、昨日話題に出たSansanのインターン生に遭遇したのだ。
僕たちは何かに引き寄せられるように話し始め、気づけば4時間も話し込んでいた。
そこで話したのは、まさに僕が今一番聞きたかったことのすべてだった。
- Sansanの各事業部のリアルな話や、具体的な面接フロー
- 「君の今のスキルなら、ここから勉強するといい」という具体的な学習ロードマップ
- 「今の活動内容なら、このへんの企業は目指せるんじゃない?」という客観的な実力評価
- 彼の経験談、好きな言語、Vimの魅力、そして僕自身のキャリアの悩み相談…
たった4時間で、僕のキャリアに対する解像度は劇的に向上した。何をすべきかが明確になり、進むべき道に光が差した感覚だった。
エピローグ:東京での48時間が、僕の未来を変えた
DMMやSansanの社員の方々とは、一緒に駅まで帰るほど親睦が深まり、入社後のリアルな働き方まで聞くことができた。X(旧Twitter)も交換した。これはもう、単なる勉強会参加者と社員という関係ではない。
「この期間で自分の人生はマジで大きく変わるんだな」
帰りの新幹線で、僕はそう確信していた。
技術を学ぶだけがインターンじゃない。少しの勇気を持って行動すれば、そこには人生を変えるほどの出会いが待っている。
まじでこの期間に、動けるだけ動いて良かった。心からそう思う。
もし、かつての僕と同じように、地方で燻っている学生がいるなら伝えたい。
チャンスがあるなら、迷わず飛び込め。その一歩が、あなたの未来を大きく変えるはずだ。