はじめに
こんにちは、とまと🍅好きのエンジニアです。
最近MCPサーバーの構築が進められているのをよく見かけるので、改めてMCP(Model Context Protocol)とはなんなのか、どうしてMCPサーバーを作る必要があるかをまとめてみましたので是非ご覧ください。
※この記事で述べられている意見・見解はあくまで執筆者個人のものであり、所属する組織を代表するものではありません。また、事実と異なる解釈などが含まれている可能性もありますので、参考程度に閲覧してくださると幸いです。
対象読者
本記事の対象読者は以下のような方を対象にしています。
- MCPを聞いたことはあるけど、よくわかっていない
- 「MCPサーバーを構築しました」などの記事を見るけど、結局それでどうなるのか、いまいちわからない
なぜMCPサーバーを作る必要があるのか
早速ですが結論から言うと
「AIを使うことが当たり前の世の中になってきた(なっていく)から」
です。
この理由を説明していこうと思います。
AIによるインターフェースの変化
Claude Cowork等の自律型エージェントの登場により、テキストを入力することでデータの処理などが簡単にできる世界へと変わってきています。
つまりユーザーはテキストベースで何かをするという処理が当たり前になっていき、既存のインターフェースが大きく変わっていきます。
例えば、Claude Coworkでは、ローカルPC環境のフォルダに直接アクセスし、散らばったレシート画像から自動で経費精算のエクセルを作成するといったファイル操作まで自律的に行うことが可能
私はMARVEL作品が好きなのですが、映画「アイアンマン」のように、トニー・スタークがAIエージェントであるJ.A.R.V.I.S.(ジャーヴィス)に音声で入力しながらスーツを作るような操作が現実となってきたということでワクワクしています。
という話はさておき、本題に入っていきます。
これまでは、ユーザーが直接触れる画面の設計として「人間中心設計(Human-Centered Design: HCD)」が絶対的な基盤として存在していましたが、
これからは人間中心設計にAIを組み込んだ新たな基盤も求められています。
その一つが、AIが自律的に動くための「システム間の通信インターフェース」であるMCP(Model Context Protocol)です。
人間中心設計とは
人間中心設計(HCD)とは、D. A. ノーマンという認知科学者が提唱したもので、
「ユーザーのニーズと能力に合わせたデザインを行うプロセス」
のことを指します。
具体的には
「ユーザーが問題と感じている部分は何なのか」
「問題を解決するものを試作し、何度もテストを行い、改良する」
「そしてユーザーのニーズを満たすものであるものを生み出す」
というこの全体の流れを人間中心設計といいます。
ソフトウェア開発においては、人間中心設計の思想の下、ボタンやテキストといったオブジェクトの配置(UI)や操作の体験(UX)等を設計してきました。
それでは、これにAIが入るとどうなるでしょうか。
手動の操作から、AIとの共同作業へ
大規模言語モデル(LLM)の台頭により、ソフトウェアが自律的にユーザーの意図を理解し、コンテンツを生成したり、推論することが可能になってきました。
つまりユーザーがソフトウェアを自ら操作するという形から、AIとともに作業を行うというような流れに変化してきています。
具体的には次のようなものです。
例)ユーザーがAIにスケジュールの追加を依頼
ユーザー:明日の10時からの会議をスケジュールに追加して。
AI :会議は何時までのご予定でしょうか?
ユーザー:11時かな。
AI :Googleカレンダーに以下の内容で登録してよろしいですか?
〇月〇日 10:00~11:00 会議
ユーザー:よろしく。
AIエージェントが外部のツールと接続する必要がある
しかし、この例だと、AIエージェントは「Googleカレンダー」と接続しなくては、スケジュールを更新することができません。
これまではシステムごとに専用のAPI連携プログラムを個別に開発する必要があり、多大なコストがかかっていました。
これを解決するものがMCP(Model Context Protocol)です。
AIエージェントにとって良いインターフェース:MCP
それではMCPとはなんなのかを説明していきたいと思います。
本記事では、MCPが必要な理由などを中心に説明しているので、技術的なものを詳細に説明するというより、簡単な概要だけに収めたいと思います。
より詳細が知りたい方は、以下のMCP公式サイトを見てみてください。
MCPとは
MCPとは、Claudeを開発したAnthropic社が発表したAIアプリケーションにおける、オープンなシステム間の通信プロトコルです。
特定のAIモデルに依存しない共通規格として設計されているため、AIにとって必要なツールやデータを外部のシステムから持ってきたり、操作することができるための規格ということです。
MCPはクライアント-サーバー型アーキテクチャを前提としているため、クライアント(AIエージェント等)がサーバーにリクエストを行うことでデータの取得やツールの操作を行えます。
詳しい説明は以下のようなサイトを見てみてください。
先ほどの例の場合、ユーザーのAIエージェント(MCPクライアント)がGoogleカレンダーのMCPサーバーに接続することで実現が可能になるということです。
例)ユーザーがAIにスケジュールの追加を依頼
ユーザー:明日の10時からの会議をスケジュールに追加して。
AI :会議は何時までのご予定でしょうか?
ユーザー:11時かな。
AI :Googleカレンダーに以下の内容で登録してよろしいですか?
〇月〇日 10:00~11:00 会議
ユーザー:よろしく。
AIを使うことが当たり前の世の中
つまり、このようにAIを用いたユーザーが今後増えていくことで、AIから操作できるツールが求められていきます。
そのため、既存のシステムではなく、そのシステムをAIエージェントが接続して使うことができるMCPサーバーが求められてくるということです。
実際に様々な企業がMCPサーバーの構築を進めています。
・Spotify(デザインシステム「Encore」)
・freee
まとめ
この記事では、MCPが求められている理由について、インターフェース(人が操作する画面の設計、通信インターフェース)といった観点から説明してきました。この記事で少しでもMCPの理解につながれば幸いです。
おそらく今後も様々な企業や団体がMCPサーバーの構築を進めることで、今後のソフトウェアが大きく変化していくと思います。
私自身もその波に取り残されないように、いろいろと取り組めて行けたらなと思います。
参考文献
この記事は以下の情報を参考に執筆しました。
- D.A.ノーマン著,岡本・安村・伊賀・野島訳,「増補・改訂版 誰のためのデザイン?ー認知科学者のデザイン原論」,新曜社, 2015.
- Neil Patel, "Designing AI-Native User Interfaces: Foundational Principles", (最終閲覧:2026/03/05)
- Anthropic, "Introducing the Model Context Protocol", (最終閲覧:2026/03/05)