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OSI基本参照モデルについて

Last updated at Posted at 2019-09-07

基本技術者試験の勉強がてら、まとめてみます。

1. OSI基本参照モデルとは

・ネットワークは、様々な機能と一緒に複数のプロトコルが使われている。
 => 土台となるプロトコルの上に、それを利用するプロトコルが乗っている階層のイメージ。

・この階層の世界規格が、「OSI(Open System Interconnection)基本参照モデル』と呼ばれる。

2. OSI基本参照モデルの7つの階層

・OSI基本参照モデルは、ネットワーク機能やプロトコルを7つの階層に分ける。

階層 レイヤ
第7層 アプリケーション層
第6層 プレゼンテーション層
第5層 セッション層
第4層 トランスポート層
第3層 ネットワーク層
第2層 データリンク層
第1層 物理層

・下の階層にあるほど、基本的な機能やプロトコル(取り決め)を提供する。

第1層:物理層
電線、光ケーブル、電波のどれかを使ってデータを物理的に伝送するかを取り決める。

第2層:データリンク層
直接つながっている相手と通信を行うための取り決め。

第3層:ネットワーク層
データを中継して最終的な目的地まで届けるための取り決め。
(例)
IMG_4579.jpg

第4層:トランスポート層
データの分割と復元、および到達確認を行う。
インターネットで伝達される大きなデータは、いくつかの小さなデータに分割されて送信され、受信先で元のデータに復元される。

第5層:セッション層
複数のデータのやりとりによる一連の通信手段の取り決め。

第6層:プレゼンテーション層
文字、画像、圧縮などのデータ表現の取り決め。

第7層:アプリケーション層
ユーザから見た操作方法の取り決め。

3. OSI基本参照モデルとプロトコル

OSI基本参照モデルに対応付けて、ネットワークで使われている様々なプロトコルを分類できる。

階層 レイヤ プロトコル
第7層 アプリケーション層 HTTP、SMTP、POP3、FTP、NTP、Telnet、SSHなど
第6層 プレゼンテーション層 HTTP、SMTP、POP3、FTP、NTP、Telnet、SSHなど
第5層 セッション層 HTTP、SMTP、POP3、FTP、NTP、Telnet、SSHなど
第4層 トランスポート層 TCP、UDP
第3層 ネットワーク層 IP
第2層 データリンク層 イーサネット
第1層 物理層 イーサネット

1, イーサネット:第1層の物理層と、第2層のデータリング層の機能を提供する。データリング層までは、社外のインターネットに出ていけないので、イーサネットは社内LANのプロトコル。

★インターネットでは、TCP/IPが基本プロトコルになる。
2, IP:第3層のネットワーク層で使うプロトコル。
 Internet Protocolの略。

3, TCP:第4層のトランスポート層で使うプロトコル。
 Transmission Control Protocolの略。

4, UDP:第4層のトランスポート層で使うプロトコル。
 User Datagram Protocolの略。TCPの代わりに使うこともある。
 UDPは、品質より速度を重視したプロトコル。目的地にデータが到達しなかった場合、TCPはデータの再送を行うが、UDPは再送を行わない。
 (例):品質より速度が重視される音楽や動画の配信、時刻を合わせるNTP(Network Time Protocol)などで行われる。

5, HTTP、SMTP、POP3(※)など:第5層のセッション層、第6層のプレゼンテーション層、第7層のアプリケーション層の機能をまとめて提供してくれるもの。
 ※ HTTP:WEBサーバを閲覧、SMTP、POP3:メールを送受信するもの。
 ==> これらのプロトコルは、どれも基本プロトコルとしてTCPとIPを使う。

(その他) DNSサーバ、DHCPサーバは?
・DNSサーバ => DNSというプロトコルを使う
・DHCPサーバ =>  DHCPというプロトコルを使う
 ==> これらのプロトコルは、速度を優先するために、基本プロトコルとしてUDPとIPを使う(DNSでは、TCPを使うことがある)。

4. アプリケーションデータに付加されていくヘッダ

▼データが送られていくイメージは、こちらです。
IMG_4581.jpg
7つの階層を上から順番にたどりながら送信し、下からたどりながら受信されるイメージ。

・データ送信時に、上から下に階層をたどるときに、宛先や差出人など情報がデータ付加される。このデータのことをヘッダ(header)と呼ぶ。

・プロトコルごとにヘッダの形式がちがうので、階層を上から下にたどることで、それぞれのヘッダが追加されていく。逆に、データ受信の際に、下から上に階層をたどる時はヘッダが除去されていき、データだけがユーザに渡される。
==> このデータのことを、アプリケーションデータと呼ぶ。

・ヘッダ + アプリケーションデータ = それぞれの階層に置けるデータのまとまり。

▼追加されていくヘッダのイメージ
IMG_4582.jpg

・アプリケーションヘッダ + TCPヘッダ = TCPセグメント
・アプリケーションヘッダ + TCPヘッダ + IPヘッダ = IPパケット
・アプリケーションヘッダ + TCPヘッダ + IPヘッダ + イーサネットヘッダ = イーサネットフレーム

5. LAN間接続装置

ルータのようにLANとLANの間を接続する装置を、LAN間接続装置と呼ぶ。
・ルータのほかにも、ブリッジリピータがある。

階層 レイヤ LAN間接続装置
第7層 アプリケーション層
第6層 プレゼンテーション層
第5層 セッション層
第4層 トランスポート層
第3層 ネットワーク層 ルータ
第2層 データリンク層 ブリッジ
第1層 物理層 リピータ

ルータ:ルータは、IPアドレスを見て適切なネットワークにデータを中継する。

ブリッジ:ブリッジは、2つのLANをつないで、1つのLANにする。宛先MACアドレスを見てデータを中継する。1つのLANになれば、データリング層までの機能で通信できる。

リピータ:リピータは、長い通信ケーブルを通って弱くなった電気信号を回復させる(= 信号を増幅することによって伝送距離を延長する)。データの内容に関わらず、物理的に回復しているだけ。

(その他)ゲートウェイ:複数の階層のプロトコルをまとめて変換する装置。OSI基本参照モデルの特定の階層に対応付けられない。

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