はじめに
Oracle Cloud Infrastructure(OCI)には複数のサーバに対して自動トラフィック制御を提供するロード・バランサ(LB)という機能がマネージドで利用出来ます。
この機能によって、拡張性や可用性を向上させることが可能になりますが、今回はそのLBに対してログを取得し、ログの確認(モニタリング)ができるまで実施したいと思います。
また、OCIにはロード・バランサが2種類提供されています。
- フレキシブル・ロード・バランサ(FLB)
- プロキシ型
- レイヤ7(http, https)での制御が可能
- ネットワーク・ロード・バランサ(NLB)
- パススルー型
今回はフレキシブル・ロード・バランサ(FLB)に対してログを取得し、モニタリングをするまでを実施します。
Webサーバの作成
始めにLBにぶら下がるWebサーバをComputeで作成します。
Computeの作成方法やセキュリティリストの設定方法は割愛しますが、今回はhttp(80 Port)前提で作成します。
下記チュートリアルを参考にWebサーバを作成ください
https://oracle-japan.github.io/ocitutorials/intermediates/using-load-balancer/
Web Serverの構築
*今回2台分作成します。OSはOracleLinux8
firewalldの設定と、index.htmlファイルの作成
$ sudo firewall-cmd --add-service=http --permanent #firewalldにhttpを許可
$ sudo firewall-cmd --reload #設定を反映
$ sudo yum -y install httpd
$ sudo systemctl start httpd
index.htmlの中身をそれぞれ下記のように設定
- 1台目
$ sudo sh -c 'echo "Web Server 1 (host:`hostname`)" > /var/www/html/index.html'
- 2台目
$ sudo sh -c 'echo "Web Server 2 (host:`hostname`)" > /var/www/html/index.html'
パブリックIPからhttp(httpsでは無い)にアクセスすることで、下記のようにページが表示されることを確認します。
フレキシブル・ロード・バランサの作成
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ヘルスチェックポリシー
今回はデフォルトのままでOK
プロトコルをhttpsなどにする場合や、正常性確認の感覚を短くしたい場合はこちらで設定
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ロギングの管理
作成するLBのログ設定をこちらで実施することができます。
上記設定をもってFLBの作成が完了する
ヘルスがOKになっていること、ログが有効になっていることを確認
FLBのパブリックIPアドレスに対してアクセスすることで、先程のWebサーバがランダムに接続されることを確認してください
ログ設定・モニタリング
今回は作成時にログを有効化させているため設定は不要ですが、
リソース内のログ画面を選択頂くことで、ログの有効化・無効化の確認が可能です。
ログ名
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アクセス・ログ: アクセスがあった際のログを確認することができます
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エラー・ログ: エラーがあった際のログを確認することができます
ログ・グループ
各種ログの見方についてはロード・バランサ・ログの詳細をご確認ください。
まとめ
ロードバランサにログ設定を付与することで、アクセス時やエラー時のログが格納されることが確認できました。
OCIのロギング機能を用いることで、ロードバランサだけではなく、他のリソースに対してもログを取得し統合監視させることも可能になります。(参考)
参考