はじめに
AWS認定試験の勉強では、S3やVPCなどのサービスに目が向きがちです。一方で、身分証が足りない、登録した氏名が一致しない、オンライン試験の環境チェックが通らないといった理由で、試験を受けられなくなることもあります。
この記事では、予約から試験後までの確認事項を整理します。初めて受ける方が、勉強と並行して当日の準備を進められることを目指します。
分かることは、身分証の必要数、受験方式の選び方、予約・変更の注意点、採点と結果通知、再受験、割引バウチャーの確認方法です。特に、ベータ版は1回のみ受験可能で、再受験には正式版の提供開始を待つ必要がある 点も押さえます。
先に結論
次の表は、AWS認定FAQとPearson VUEのAWS受験案内などの公式情報をもとに、受験前に使える形へ筆者が整理したものです。各項目の詳しい出典は本文の該当箇所に示します。
| 確認すること | 押さえたいポイント |
|---|---|
| 身分証 | テストセンターは原則2点、オンラインは一次身分証1点。登録氏名との一致も必要 |
| 受験方式 | 自分のPC・部屋・通信環境を準備できるかで判断する |
| 予約 | 新規予約の受付条件と、変更・キャンセルの24時間前という期限を分ける |
| 結果 | 多くの試験では終了直後に合否が出ない。最終結果は5営業日以内 |
| 再受験 | 正式版で不合格なら14日待つ。ベータ版は同じベータ試験を再受験できない |
| 割引 | 合格後はBenefitsで50%割引バウチャーの条件と期限を確認する |
前提
- 対象読者:AWS認定試験を初めて受ける成人の方、次の資格や再受験を検討している方
- 対象:日本でのテストセンター受験、またはOnVUEによるオンライン監督付き試験
- 情報確認日:2026年10月5日
- 扱わない範囲:非公開の試験問題・解答、合格保証、特定キャンペーンの適用保証
身分証には国・受験方式などによる例外があります。未成年者の受験は別の同意・本人確認要件があるため、この記事の必要数をそのまま当てはめないでください。
1. 学習と受験に使うアカウントを分けて理解する
最初に、名前が似ているサービスを整理します。
| 名前 | 役割 |
|---|---|
| AWS Builder ID | AWSの学習サービスなどにサインインするための個人用ID |
| AWS Skill Builder | AWS公式の学習サイト。試験準備コンテンツや公式問題セットなどを探す場所 |
| AWS Certification Account | 試験予約、試験結果、特別な配慮の申請、認定特典を管理する場所 |
AWS Builder IDは、AWSマネジメントコンソールでクラウド環境を操作するためのルートユーザーやIAMユーザーとは別です。資格の受験準備のために、会社の本番環境のIAMユーザーを作る必要はありません。
参考:AWS Builder IDのサインイン、AWSの試験準備ページ、AWS Before testing
準備は次の順で進めると、確認漏れを減らせます。
- 受ける試験の公式Exam Guideで、試験コード、出題範囲、時間、対応言語を確認する。
- Skill Builderで、その試験のExam Prepや公式問題セットを探す。
- AWS Certification Accountで登録氏名を確認し、必要な配慮を申請する。
- 受験方式・日時を選び、予約する。
学習コンテンツには無料とサブスクリプション対象があるため、利用条件を確認して選びます。
英語試験の30分延長は予約前に申請する
AWSのBefore testing「Language options」では、英語を母語としない方が英語の試験を受ける場合、ESL +30 という30分延長を申請できると案内されています。
日本語の試験を選ぶと自動で30分延びる制度ではありません。利用する場合は、試験予約前にAWS Certification Accountから申請します。
2. 新規予約と、変更・キャンセルの期限を混同しない
試験はAWS Certification AccountからPearson VUEの予約画面へ進んで申し込みます。Pearson VUEは、AWS認定試験の実施を担う事業者です。
「24時間」という数字が出てきても、何の手続きかで意味が変わります。以下はAWS Before testingとAWS認定FAQをもとにした筆者の整理です。
| 手続き | 確認する条件 |
|---|---|
| 新規予約 | 選んだ受験方式・会場・日時の予約画面に出る受付条件 |
| 予約済み試験の変更・キャンセル | 試験開始の24時間前まで。24時間以内になると変更・キャンセルできない |
| 予約した試験を欠席した後の再登録 | 欠席した試験時刻から24時間後まで再登録できない |
新規予約について、会場に空きがあることだけで「今から予約できる」と判断しないでください。たとえば、受付締切が開始24時間前の枠なら、翌日10時の試験を前日の11時に申し込もうとしても、残り23時間なので締切を過ぎています。
これは締切を逆算する例であり、すべての新規予約に一律の24時間制限があると断定するものではありません。実際の受付条件は予約画面で確認し、余裕を持って申し込みましょう。
また、欠席後の24時間は、不合格後の再受験に必要な14日間とは別です。欠席によって不合格になるわけではありませんが、原則として受験料は返金されません。
予約後は、確認メールで日時、タイムゾーン、会場、チェックイン方法を確認します。変更する場合は、利用したバウチャーの有効期限も見直してください。
3. 身分証は「必要数」と「氏名の一致」を確認する
AWS During testingの本人確認要件では、成人の受験者について次のように案内されています。以下は筆者による要約です。
| 受験方式 | 必要な身分証 |
|---|---|
| テストセンター | 一次身分証2点、または一次身分証1点と二次身分証1点 |
| オンライン監督付き試験 | 一次身分証1点 |
一次身分証は、原則として有効期限内の政府発行の原本で、氏名、本人と分かる写真、署名などの要件を満たすものです。二次身分証にも氏名と署名、または氏名と写真などの条件があります。
ただし、日本での受験や現地語の身分証には例外があります。具体的な組み合わせは、AWSとPearson VUEの最新の案内で確認してください。判断が難しい場合は、予約後すぐに問い合わせる方が安心です。
枚数と同じくらい大事なのが、AWS Certification Accountに登録した氏名と、身分証の氏名が一致していること です。
確認するのは、姓・名、ローマ字表記、改姓などによる不一致です。名前の変更が必要なら、試験当日ではなく事前に手続きを進めます。身分証の写真やコピーだけで済ませず、受験方式ごとの要件を確認しましょう。
4. 受験方式は、当日の負担で選ぶ
オンライン試験は移動が不要です。テストセンターは移動が必要ですが、試験用のPCや部屋を自分で用意する負担がありません。
私は、初めて受ける方にはテストセンターをおすすめしています。長い問題文を読む試験で、通信や部屋の状態まで気にすると、集中力を使ってしまうためです。これは筆者の推奨であり、AWSが特定の方式を推奨しているという意味ではありません。
オンライン試験:同じPC・ネットワークでシステムテストをする
以下はPearson VUEのAWS OnVUE受験案内とAWS During testingをもとに整理した準備事項です。
- 本番と同じPC・ネットワークで、事前のシステムテストを行う。
- カメラ、マイク、スピーカーの動作を確認する。
- 使用するディスプレイを1台にする。複数モニターは使えない。
- ヘッドホン・イヤホン、VPN、会社のネットワーク、公共・共有ネットワークなどの禁止条件を確認する。
- 机の上の紙、筆記具、参考書、時計、余計な電子機器を片付ける。
- 試験中に他の人が入らない個室を用意する。
チェックインは予約時刻の30分前から開始できます。本人・身分証の撮影、機器のチェック、部屋の確認などがあるので、開始時刻直前まで別の作業を入れない方が安心です。
本人確認でスマートフォンを使っても、試験中に自由に使えるわけではありません。監督者の指示に従って片付けます。画面外を見る、声に出して読む、カメラの範囲から離れるなどの行動にも制限があります。
オンライン試験では、トイレを含めた休憩のために席を離れることは認められていません。医療上必要な物や配慮がある場合は、事前に公式の案内・申請方法を確認してください。
紙とペンでメモを取る代わりに、案内されているデジタルホワイトボードを事前に試しておくと、操作の負担を減らせます。
テストセンター:受付時間と持ち物を確認する
AWS During testingでは、試験時刻の15~30分前に到着するよう案内されています。実際の受付手順は確認メールも見てください。
身分証の確認、署名、写真撮影、私物の保管などを行い、会場のPCで受験します。スマートフォン、参考書、メモなどは係員の指示に従って保管します。自分の紙やペンを持ち込める前提にせず、筆記用具が必要なら会場で許可・提供されるものを使います。
テストセンターでは予定外の休憩が可能ですが、試験時間は止まらず、建物の外にも出られません。休憩や機器の不具合は、必ず係員に伝えてください。
5. 非採点問題と合格スコアを理解する
65問すべてが採点されるとは限らない
SAA-C03の公式Exam Guideでは、採点対象50問と非採点15問という構成が案内されています。
非採点問題は、将来の採点問題として使えるかをAWSが評価するためのものです。ただし、受験者にはどれが非採点か分かりません。難しい問題を「採点されないはず」と決めつけず、すべての問題に回答します。
問題数は試験によって異なるので、受ける試験のExam Guideで確認してください。
720点は「正答率72%」を意味しない
AWS認定試験は、100~1,000のスケールドスコアで結果を報告します。スケールドスコアは、試験問題の組み合わせによる難易度差を調整したスコアです。
以下は各公式Exam Guideに基づく例です。数値は試験ごとに確認してください。
| 区分 | 試験の例 | 最低合格スコア |
|---|---|---|
| Foundational:基礎 | Cloud Practitioner(CLF-C02) | 700 |
| Associate:役割別の実務知識 | Solutions Architect(SAA-C03) | 720 |
| Professional:高度な設計・判断 | Solutions Architect(SAP-C02) | 750 |
| Specialty:特定分野の専門知識 | Security(SCS-C03) | 750 |
「720点だから65問の72%を正解すればよい」と単純に計算することはできません。
解くときは、要件と時間配分を見る
筆者のおすすめは、難しい1問に時間を使いすぎず、見直し用のフラグを立てて後から戻ることです。選択肢を見る前に、問題文で求められている条件を整理します。
- 可用性を高めたいのか
- 運用負荷を減らしたいのか
- コストを抑えたいのか
- セキュリティ上の条件を満たしたいのか
サービス名を知っているだけでなく、「なぜこの構成を選ぶか」を説明できると、実務にもつながります。
SAA-C03のExam Guideでは、未回答は不正解になり、推測で回答することへのペナルティはないと案内されています。空欄を残さず、最後まで回答しましょう。
6. 結果通知とデジタルバッジを確認する
AWS認定FAQでは、多くの試験は終了直後に合否が表示されず、詳細な結果は試験終了後5営業日以内 に確認できるとされています。結果が利用可能になるとメールで通知されます。
終了直後に合否が見えなくても、不合格と判断しないでください。AWS Certification Accountで試験結果とスコアレポートを確認します。
合格後のAWS認定デジタルバッジは、Credlyのプラットフォームで提供されます。バッジは、認定が有効であることを第三者が検証でき、プロフィール、Webサイト、メール署名などに共有できます。
資格名を履歴書に書くだけでなく、検証可能なバッジへのリンクを添えると、相手が資格を確認しやすくなります。有効期限も含めて確認し、バッジを改変したり、持っていない資格のバッジを使ったりしないでください。
7. 再受験は、正式版とベータ版を分けて確認する
以下はAWS After testing「試験を再受験」をもとにした筆者の要約です。
| 状況 | 再受験の条件 |
|---|---|
| 正式版で不合格 | 不合格になった日から14日間待つ。受験回数に上限はないが、再受験ごとに受験料が必要 |
| ベータ版を受験した | 同じベータ試験を受けられるのは1回のみ。その認定試験の正式版の提供開始を待つ |
| 同じ試験に合格済み | 原則2年間、同じ試験を再受験できない。新しい試験ガイド・試験シリーズコードに更新された場合は、新バージョンを受験できる |
ベータ版に不合格だった場合、「14日待てば、同じベータ版をもう一度受けられる」という扱いではありません。対象試験の正式版が提供されているかを、公式の試験ページと予約画面で確認してから再受験を計画してください。
ベータ版と正式版の提供状況は、試験ごとに異なります。別の試験が正式版になったというニュースだけで、自分が受けたい試験も予約できると判断しないことが大事です。
合格後は50%割引バウチャーを確認する
AWS認定特典では、再認定や別の試験に使える50%割引バウチャーが案内されています。バウチャーは、試験予約時に割引などを適用するためのコードです。
次の資格を予約する前に、AWS Certification AccountのBenefitsで、利用できる特典、適用条件、有効期限を確認してください。期限が資格の有効期限と常に同じだと決めつけず、画面に表示される条件を確認します。
時期によってキャンペーンが案内されることもありますが、割引や再受験特典が必ず適用されるわけではありません。申し込む前に対象試験、期間、申込方法、コードの条件を確認しましょう。
スクリーンショットを共有する場合は、バウチャーコード、認定ID、個人情報を隠してください。
受験前チェックリスト
ここまでの内容を、筆者が当日の準備用にまとめました。
- 受ける試験の正式名称、試験コード、ベータ版・正式版の提供状況を確認した
- 公式Exam Guideと試験準備ページを確認した
- AWS Certification Accountへログインでき、登録氏名と身分証が一致している
- 受験方式に合った必要数・種類の身分証を用意した
- 英語試験でESL +30を使う場合は、予約前に申請した
- 新規予約の受付条件、日時、タイムゾーン、会場を確認した
- 変更・キャンセルの期限と、バウチャーの有効期限を確認した
- オンラインなら本番と同じ環境でシステムテストを済ませた
- オンラインなら机・部屋・モニターを準備し、チェックイン時間を確保した
- テストセンターなら経路と受付時間、私物の保管方法を確認した
- 結果は5営業日以内が公式の目安であることを理解した
- 再受験の場合は、14日間の待機とベータ版の例外を確認した
最初に確認したいのは、予約日時、登録氏名、身分証、受験環境 です。勉強の仕上げと一緒に、受験を最後まで進められる準備も整えましょう。
参考・確認先
- AWS認定FAQ
- AWS Before testing:予約、変更、言語、特別な配慮
- AWS During testing:本人確認、チェックイン、休憩
- AWS After testing:再受験とベータ試験
- AWS Certification Exam Guides
- AWS試験準備ページ
- AWS認定特典
- AWS認定デジタルバッジ
- Pearson VUE:AWS OnVUE受験案内
本稿は受験ガイド台本を記事向けに再構成し、2026年10月5日に公式情報を照合したものです。受験時には、最新の公式案内と予約確認メールを確認してください。
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おわりに
まずは、予約する日に登録氏名と身分証を確認するところから始めてみてください。資格の勉強で得た知識は、構成を選ぶ理由まで説明できるようにすると、仕事でも使いやすくなります。
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