この記事について
アドカレはそのときの自分でないと書けない内容があるというお話に後押しされ、児童発達支援事業所の指導員からQAになるというちょっと変わった社内異動をした過程で感じたことを書き留めておきたいと思います![]()
指導員として働いていたころ
私は2023年1月にLITALICOジュニアの指導員として株式会社LITALICOに入社しました。児童発達支援の指導員は、発達に特性のあるお子さんに対し、個別支援計画に基づき、遊びや学びを通して成長をサポートする仕事です。
指導員歴は他法人も含めると5年目に突入していたのですが、現場の忙しさというものに強く課題感を抱きはじめていました。目の前のお子さんに集中したいのに、それ以外の教室運営でやらないといけない業務が思っている以上に多いのです。
「本当は空いている時間もお子さんと接したり、保護者さまと他愛もない会話をしたい!」
そんな気持ちがある一方で、日々の記録やスケジュール調整などでPCに向き合う時間が長いことに課題を感じていました。
福祉の現場でデジタル化は不可欠
福祉現場において、業務のデジタル化は情報の質と継続性を高める上で不可欠だと思います。LITALICOジュニアでは、個別支援計画を作るための情報収集、分析、日々の記録、情報共有などが、業務支援アプリやスプレッドシートなどのデジタルツール上で管理されています。
前職も児童発達支援事業所で働いていたのですが、紙管理している書類がほとんだったので、LITALICOに転職してほぼすべての業務がデジタル化されていることに非常に驚きました。
驚くと同時に現場業務のデジタル化は情報が残る、情報を引き出しやすい、必要な人が情報にアクセスできるといった、支援の質を高める上でのメリットが非常に多いと感じました。データの収集・分析・応用のサイクルが全国の教室で統一されて回っており、私自身もその情報にアクセスできることで指導員として支援の質やスキルを高めることにつなげられている実感がありました。
デジタル化の課題
デジタル化には先述したようにたくさんのメリットがありますが、一方でデメリットも感じるようになりました。
例えば、PC作業をしている傍らでお子さんの出入りが頻繁にあり、何度も作業が中断されます。PC作業から離れるときには情報漏洩を防ぐため、PCを閉じて鍵付きキャビネットにしまいます。再び作業に戻ろうとPCを立ち上げると「何してたっけ?」となることもしばしば。PCは色々な機能が詰まっている分、アナログ管理よりも頭の切り替えに負担がかかると感じました。
また、PCにはトラブルも付き物。データの保存忘れ、WiFiの接続が不安定、各所に保存されたファイルなど業務の本質からそれた内容を解決するために時間を要することも少なくありませんでした。これらを解決しようとして気づいたらあっという間に時間が過ぎていたということもあり、本質とは違うことに時間を割いていることにもどかしさを感じることもありました。
指導員からQA担当への異動
現場のデジタル化に課題を感じながら働いていたころ、自社内の公募に日頃業務で使用している運営支援ナビちゃんというSaaSプロダクトのQA担当の募集があることを知りました。
プロダクトについて簡単に説明させて頂きます。
LITALICOでは児童発達支援事業所や放課後等デイサービスの運営する事業所向けの業務支援サービスとしてLITALICO発達ナビを提供しています。LITALICO発達ナビは様々な形態で運営する事業所での利用を想定しているため自由度が高いプロダクトとなっています。
一方で運営支援ナビちゃんはLITALICOが運営するLITALICOジュニアの各教室で使用されるプロダクトです。LITALICOジュニアの運営に合わせて個別最適化された専用のプロダクトとなっています。
応募をして話を聞く中で、LITALICOのQAの役割として、ユーザーの利用時の満足度やリスク分析をするにはドメイン知識が必要であり、現場での経験を活かしてユーザー目線でプロダクトをよりよくしてほしいという思いからQAを指導員から応募している理由だと知りました。漠然と抱えていた現場での課題を解決できるのではないかと思い、公募に応募をして指導員からQAエンジニアとなりました。
QAとしての現在地
現在の運営支援ナビちゃんの大きな動きとして今までスプレッドシートや他のアプリケーションで管理していた情報や業務を、段階的に運営支援ナビちゃんに統合していく動きがあります。情報が一箇所に集約されれば、指導員がアプリ間を行き来したり、必要な情報を探したりする時間が大幅に短縮できると感じています。
現場からQA担当に異動してきての成果みたいなものをドーンと書ければよかったのですが、QAエンジニアとしてはまだまだ知識・経験ともに不足しており、残念ながら際立つような成果をあげることはできていませんorz
業務全体を俯瞰してユーザーストーリーを考えたり、法令などドメイン知識を深めて必要な情報が網羅されているかなど現場での経験を少しでも還元できるように日々思考錯誤しています。目の前のアプリの中だけではなく、業務全体を俯瞰してとらえた中の一部分をアプリが担っているという視点はこれからも大事にしていきたいです。
指導員がお子さんに向き合う時間の最大化に向けて
現在取り組んでいるアプリ統合だけではなく、グロース案件での改善など少しずつの積み重ねも【指導員がお子さんに向き合う時間の最大化】のための一歩であると思います。アプリそのものが主役なのではなく、現場でアプリを使うユーザーが主役であることを忘れずに今後もQA業務に向き合いたいと思います。