はじめに
私は地方の中小企業で総務をしている55歳です。
プログラマーではありません。IT企業に勤めたこともありません。本業は総務 ── 安全管理、設備管理、IT機器管理、ネットワーク管理、その他もろもろ、会社の「何でも屋」です。
そんな私が、2026年3月にClaude Code(Anthropic社のAIコーディングエージェント)を使い始めてから5ヶ月で、Google Playストアに8本のアプリを公開しました。
全部無料。広告なし。課金なし。
この記事は、「プログラミングの天才がAIでさらに加速した」という話ではありません。「普通のおっさんが、AIによってソフトウェア開発の参入障壁を超えた」という話です。
自己紹介:資格だけは多い総務
まず私のバックグラウンドを説明します。
本業は総務ですが、仕事の幅が広いので、関連する資格を片っ端から取ってきました。2018年から本格的に取り始めて、現在30個以上。分野もバラバラです。
IT系: ITパスポート、情報セキュリティマネジメント
電気通信: 工事担任者(第一級デジタル通信、第一級アナログ通信など4つ)
電気: 第二種電気工事士、認定電気工事従事者
建設: 2級土木施工管理技士補、2級建築施工管理技士補
安全衛生: 第一種衛生管理者、防災士、防火管理者
危険物・高圧ガス: 危険物取扱者乙4、第三種冷凍機械責任者、2級ボイラー技士
その他: 運行管理者、アマチュア無線、損害保険募集人、教員免許
プログラミング言語も一通り触ってはいます。C、C++、C#、Java、JavaScript、Python、Ruby、PHP、VB。ただし、どれも「業務で少し使った」「独学でかじった」レベルです。10年前にunityで7本ほどアプリを作ったくらいでずっとアプリは作ってませんでした。
Claude Codeとの出会い
2026年3月、Claude Codeを試しに使ってみました。
衝撃でした。
今まで「こういうアプリが作りたい」と思っても、途中でエラーが解決できなくて止まる、設計がわからなくて止まる、UIが作れなくて止まる ── その繰り返しでした。
Claude Codeは違いました。「こういうゲームを作りたい」と伝えると、コードを書いてくれる。エラーが出たら貼り付ければ直してくれる。「このキャラクターにこういうセリフを言わせたい」と言えば、世界観に合った台詞を生成してくれる。
私がやるのは、何を作るか決めることと、出来上がったものを判断すること。
プログラミングの知識はゼロでは困りますが、完璧である必要もない。「この変数が何をしているか」「このエラーが何を言っているか」がなんとなく分かれば、あとはAIが埋めてくれる。
5ヶ月で作った8本のアプリ
ジャンルは意図的にバラバラにしています。
| # | アプリ名 | ジャンル | 概要 |
|---|---|---|---|
| 1 | カンフる! | アクション | レトロ風カンフーアクション |
| 2 | カンフる!2 | アクション | 続編。新技・新コンボ追加 |
| 3 | 灰色のリフレイン | ノワールADV | 探偵が主人公のビジュアルノベル。5言語対応 |
| 4 | EntropyLock | パズル | 色を使った論理パズル |
| 5 | City Peace Maker | 格闘アクション | ストリートファイト系ベルトスクロール |
| 6 | 簿記3級 合格! | 学習アプリ | 日商簿記3級の試験対策 |
| 7 | めいしポケット | ビジネスツール | QRコード対応の名刺管理 |
| 8 | Space Drifter | シューティング | 宇宙を舞台にしたSTG |
ゲームだけじゃなく、学習アプリやビジネスツールも入っています。資格も経験も、全部コンテンツの素材になります。
全アプリ共通のポリシーとして、広告なし・課金なし・オフライン動作を貫いています。収益化よりも「自分が作りたいものを作って世に出す」ことが目的です。
開発の実際
使っている環境
Unity(ゲーム開発エンジン)
Claude Code(AIコーディングエージェント)
nanobanana2(画像生成AI ── キャラクターやアイコンの素材作成)
Blender(3Dモデリング ── 最近Claude Codeとの連携を導入)
1本あたりの開発期間
短いもので数日、作り込んだADVで2〜3週間。
私がやっていること
企画を考える ── 何を作るか、誰が遊ぶか
仕様をClaude Codeに伝える ── 「28×31マスの迷路で、ゴーストが4体いて...」
出来上がったものをテストする ── 動かして、おかしいところを指摘する
ストア掲載情報を作る ── 説明文、スクリーンショット、多言語翻訳
Google Playに提出する
コードを書く作業の大部分はAIがやっています。ただし「AIに丸投げ」ではありません。ゲームデザイン、キャラクター設定、UIの使い勝手、ストアでの見せ方 ── これらは全部、人間の判断です。
AIは優秀なプログラマーですが、「何が面白いか」「何が必要か」は教えてくれません。
多言語展開もAIで
Google Playでダウンロード数を増やすには、多言語対応が重要です。
Claude Codeに指示すると、ストア掲載情報(アプリ名、説明文)を8言語(英語、中国語簡体字・繁体字、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、ドイツ語)に翻訳したCSVファイルを一括生成してくれます。Google Playにそのままインポートできるフォーマットで。
以前なら翻訳だけで何日もかかる作業が、数分で終わります。
55歳・非エンジニアだからこそ思うこと
「若い人や、もともとプログラマーだった人がやるのとは違う」とよく言われます。
確かに違います。私は新しい技術をゼロから学ぶ体力はもうありません。でも、30年分の社会経験と、いろんな業界を渡り歩いた引き出しがあります。
建設業の経験があるから安全管理系のアプリ構想がある。簿記を勉強したから学習アプリが作れる。教員免許を持っているから「教える」コンテンツの組み立て方がわかる。
AIは「コードを書く力」を民主化しました。でも「何を作るべきか考える力」は民主化できません。それは経験からしか来ない。
55歳の強みは、経験の蓄積です。AIがコーディングのハードルを取り払った今、その経験がそのままコンテンツになる時代が来ています。
これからやりたいこと
Blender × Claude Code で3Dコンテンツ制作に挑戦する
ゲーム以外の業務アプリ(建設業向け)にも手を広げる
この経験をもとに、地方の中小企業でもAIを活用できることを発信していく
最後に
「プログラミングを学ばなければアプリは作れない」という時代は終わりつつあります。
もちろん、基礎知識はあった方がいい。エラーメッセージが読めた方がいいし、変数とは何かくらいは知っていた方がいい。でも、「完璧に書けなければ何も作れない」という壁は、AIが壊してくれました。
必要なのは、作りたいものがあることと、出来上がったものの良し悪しを判断できること。
55歳でも、地方でも、非エンジニアでも、やれます。
やるかやらないかだけです。
使用ツール:Claude Code (Anthropic) / Unity / nanobanana2 / Blender
全アプリはGoogle Playストアで無料公開中
Claude Codeで Google Play 多言語ストア掲載情報CSVを一発生成する