GENDA のryosuke749です。kintoneの管理やセキュリティ業務に携わっています。
本記事は GENDA Advent Calendar 2025 シリーズ3 Day 15 の記事です。
この記事では、AnthropicのClaudeを利用してkintoneローカルMCPサーバー (以下、kintone MCP)を動かし、kintone標準のAI機能が利用できない環境下でどのようにAI連携を実現したのか、その基本的な利用方法や具体的な活用事例についてご紹介します。
この記事の内容
1. なぜ、kintone標準のAI機能を使わないのか??
2. 利用開始するまでのステップ
3. kintone MCPでできること
4. 活用方法
1.なぜ、kintone標準のAI機能を使わないのか?
「kintoneにもkintone AIがついているのに、わざわざ外部のClaudeを使う意味があるの?」と思われた方もいるかもしれません。
おっしゃる通り、kintone自体にも2025年4月頃に「kintone AI」機能が追加され(当時はβ版)、多くの企業で期待されていた機能です。しかし、GENDAのkintone環境においては、この機能を利用するにあたり大きな壁がありました。
kintone AIは、kintone内で組織間連携を「オフ」(組織間でデータを連携しない設定)にしている環境では、機能を利用することができません。この仕様により、弊社のkintone環境では、セキュリティポリシーに基づき、kintone AIの利用が困難な状況でした
🌟 救世主!kintoneローカルMCPサーバーの登場
そんな中、今年の8月28日にkintoneローカルMCPサーバーがリリースされ、ようやくGENDAでも kintone と AI の連携が可能になりました。
このような背景から、私たちはClaudeとkintone MCPを利用することになったのです。
2. 利用開始するまでのステップ
早速ですが、利用を開始するための準備ステップをご紹介します。
(1)Claude Desktopのインストール
以下からClaude Desktopをダウンロードしインストールします。
アカウントの作成も必要です。
利用制限がありますが、無料でも利用することが可能です。
(2)kintone MCPのmcpbファイルをダウンロード
以下からClaudeに読み込ませる、最新の「kintone-mcp-server.mcpb」をダウンロードします。
(3)Claude Desktopでの拡張機能設定
1, Claudeで「設定」=> 「拡張機能」 => mcpbファイルをインストール
インストール後は以下の様な画面になります。

(4)kintone MCP Server とkintoneの接続設定
kintone MCP Serverの「設定」から接続するkintoneの情報を入力し「保存」します。
- 接続kintone環境のURL
- 接続に利用するkintoneアカウント情報 or 接続するアプリのAPIトークン
などが必要となります。
(5)接続確認
Claude で「利用可能なアプリの一覧を出して」など指示を出しで問題なく帰ってくれば設定は完了です!
3. kintone MCPでできること
kintone MCPで実行できる基本操作の詳細は、以下のリンク先で確認できます。現時点の機能に加えて、更新ファイルがリリースされることで機能は随時更新されます。今はできない操作も、今後の機能追加で可能になることが期待できます。
4. 具体的な活用方法
kintone MCPとClaudeの連携によって可能になる具体的な活用事例を一つご紹介します。
- 資料からのkintoneアプリ作成
Claudeは、Excel・Word・PDFといった多様なファイル形式のアップロードに対応しています。
「アップロードした資料をもとにkintoneアプリを作成して」
と指示するだけで、アプリの作成が可能です。
これにより、既存の資料をkintoneに落とし込む際のアプリ化の時間を大幅に短縮できます。
今回は、サンプルの注文書Wordファイルをアップロードしたところ、5分もかからずに以下のアプリを作成してくれました。
計算式が設定されたフィールド(例: 合計金額)も自動で作成してくれます。

もちろんこれ以外にも基本的な活用方法として以下の様なものがあります。
・既存のアプリ構成に対するレビューと改善提案
・アプリの棚卸(一覧化)
・アプリ内のデータの集計・分析や要約
など、これ以外にも他ツールとの連携も考えると夢が広がります。
まとめ
kintoneローカルMCPサーバーとClaudeの連携により、簡単な設定でkintoneアプリの作成・管理といった業務のAI活用が実現できました。今後の機能拡充にも期待したいと思います。
本記事が、私たちと同じようにkintone AIの利用が難しい環境下でAI導入を目指す方々の一助となれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



