はじめに
こんにちは。普段はバイオインフォマティクス領域でデータ解析基盤の構築や、バックエンド開発を担当しているエンジニアです。
皆さんはmacOSでのコンテナ環境、どうされていますか? 長らくDocker Desktopが標準でしたが、ライセンス変更や「少し重いかな?」と感じる場面も増えてきました。そこで最近、エンジニア界隈でデファクトスタンダードになりつつあるのが Colima (Containers in Lima) です。
今回は、提供されたセットアップスクリプトの内容を分解し、初心者の方でも迷わず手動で環境構築ができるよう、ステップ・バイ・ステップ形式で解説します。特にApple Silicon(M1/M2/M3)ユーザー向けの高速化設定についても触れています。
参考資料
- abiosoft/colima (GitHub)
- Docker Desktopがmac book proのバッテリーを浪費するのでColimaにしてみた話
- Colima で Docker と Docker Compose を使ってみた
目次
- ステップ1:パッケージマネージャー (Homebrew) の準備
- ステップ2:Colimaランタイムのインストール
- ステップ3:Dockerクライアントツールの導入
- ステップ4:Colimaの起動と最適化(Apple Silicon向け設定)
- ステップ5:インストール状況の最終確認
- まとめ
ステップ1:パッケージマネージャー (Homebrew) の準備
まず、macOSの標準的なパッケージ管理ツールである Homebrew が入っているか確認します。これを使ってすべてのツールをインストールします。
ターミナルを開き、以下のコマンドを実行してバージョンが表示されるか確認してください。
brew --version
もし command not found と出る場合は、以下のコマンドを実行してHomebrewをインストールします。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL [https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh](https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh))"
ステップ2:Colimaランタイムのインストール
次に、コンテナを動かすためのバックエンド(ランタイム)となる Colima をインストールします。
brew install colima
これで「Dockerを動かすための土台」が整いました。しかしまだDockerコマンドは使えません。
ステップ3:Dockerクライアントツールの導入
Colimaはあくまで「裏方」なので、人間が操作するための docker コマンドや docker-compose コマンドは別途インストールする必要があります。
3-1. Docker CLIのインストール
brew install docker
【重要】リンク設定の確認
インストール後、Dockerコマンドが正しく認識されない場合があります。以下のコマンドでパスを通す(リンクする)必要があるか確認します。
# すでにパスが通っているか確認
which docker
もし何も表示されない場合や、Homebrewから「run brew link docker」というメッセージが出た場合は、以下のコマンドを手動で実行してください。
brew link docker
3-2. Docker Composeのインストール
複数のコンテナを管理するためのDocker Composeも入れておきましょう。
brew install docker-compose
ステップ4:Colimaの起動と最適化(Apple Silicon向け設定)
インストールが終わったら、いよいよColimaを起動します。ここでマシンスペックに合わせた設定を行うのがポイントです。
パターンA:とりあえず標準設定で起動する場合
まずは動かしてみたい、という方はシンプルに以下のコマンドを実行してください。
colima start
これだけで、デフォルト設定(CPU 2コア、メモリ 2GB、ディスク 60GB程度)でDocker環境が立ち上がります。
パターンB:開発用にリソースを指定して起動する場合(推奨)
特にM1/M2/M3チップ搭載のMacを使っている場合、Rosetta 2を活用した仮想化オプションを有効にすることで、x86_64アーキテクチャのコンテナ実行速度が劇的に向上します。
以下のコマンドは、CPU 4コア、メモリ 8GB、ディスク 100GBを割り当て、さらに高速化オプションを有効にする例です。
colima start \
--cpu 4 \
--memory 8 \
--disk 100 \
--arch aarch64 \
--vm-type=vz \
--vz-rosetta \
--mount-type virtiofs
-
--vm-type=vz: macOSネイティブの仮想化フレームワークを使用。 -
--vz-rosetta: Rosetta 2を使ってIntel用バイナリを高速に実行。 -
--mount-type virtiofs: ホストとコンテナ間のファイル共有を高速化。
ステップ5:インストール状況の最終確認
最後に、すべてのツールが正しく連携して動いているか確認します。以下のコマンドを順に実行してください。
echo "=== Verifying installations ==="
# Dockerコマンドのバージョン確認
docker --version
# Docker Composeのバージョン確認
docker-compose --version
# Colimaの状態確認
colima version
colima status
colima status で Running と表示されれば構築完了です!
補足:よく使う管理コマンド
今後の運用のために、以下のコマンドも覚えておくと便利です。
-
停止:
colima stop -
再起動:
colima restart -
ログ確認:
colima logs
まとめ
Docker DesktopからColimaへの移行手順をステップ形式で解説しました。
スクリプトで自動化するのも良いですが、こうして一つずつ手順を踏むことで「何がどこにインストールされているか」が明確になり、トラブルシューティングもしやすくなります。
この環境が整えば、あとはいつものように docker compose up するだけです。快適なコンテナライフをお送りください!