コードを書く「だけ」じゃない、システムエンジニアの本質的な価値とは
こんにちは、元Yahooエンジニアで、株式会社PRUMの代表をしている岩本です。
https://prum.jp/
ChatGPTやGitHub Copilot、ClaudeなどのAIが急速に進化し、
「もうエンジニアって要らなくなるんじゃない?」なんて言われる時代になってきました。
確かに、AIはコードの自動生成やエラーチェック、リファクタリングまで、驚くほどの精度とスピードでやってのけます。
でも僕は、「だからエンジニアはいらなくなる」とは全く思っていません。
むしろ今後は、「何を作るか」「なぜ作るか」を考えられる人間の価値が、これまで以上に求められていくと感じています。
AIが得意なこと、人間が得意なこと
AIは、大量のコードデータからパターンを学習し、「それっぽいもの」を高速に生成するのが大得意です。
- REST APIの雛形を書く
- フロントエンドのコンポーネントを組み立てる
- バリデーション処理を追加する
- テストコードを自動生成する
といった「行う」部分(手を動かす部分)は、もうほとんどAIで代替できるようになります。すでにだいたいできている部分も多いと思います。
でも、その前段階である
- ユーザーやビジネスの要件を理解する
- 技術選定やアーキテクチャを設計する
- 長期運用を見据えた構成を考える
- チームやクライアントと合意形成する
- 最終的にAIが生成したコードの是非を判断する
こういう「考える」部分、つまり**“設計”や“判断”や“対話”の力**は、まだまだ人間にしかできません。
AIは「正解っぽいコード」を出せる。
でも「本当に必要な仕様」まではわからない。
AIは、「こういうコードが欲しいんだよね?」という意図を前提にして、アウトプットをくれます。
でも、そもそもその前提が間違っていたら?
その仕様、実はユーザーの課題を解決していないとしたら?
そこを見抜くのが、システムエンジニアの一番の価値です。
- 本当にその要件でいいのか?
- この画面ってそもそも必要?
- それって業務フローの方を見直した方が早くない?
こういう「問い」を立てられる人がいるかどうかで、プロジェクトの質も、成功率も大きく変わってきます。
システムエンジニアに求められる“これからのスキル”
AI時代だからこそ、エンジニアに求められる力は変わってきています。
ただ手を動かすのではなく、「価値あるアウトプットを導くプロセス」を支えるスキルが必要です。
問題発見力・課題設計力
「言われたものを作る」から、「本当に必要なものを定義する」へ。
クライアントやユーザーが気づいていない課題を見つける力が問われます。
言語化・コミュニケーション力
仕様を整理して伝える、リスクを説明して納得してもらう、チームでの共通認識をつくる。
すべてにおいて言語化の力がカギです。
抽象化・設計思考
単なる「この機能が欲しい」ではなく、背景や目的を汲んで構造化する力。
変化に強い設計を考える力が価値になります。
審美眼・判断力
AIが出した10通りのコードのうち、どれがベストかを判断する力。
保守性、可読性、パフォーマンス、将来的な拡張性まで含めた“目利き力”が効いてきます。
共感力・チームビルディング
ユーザーの立場に立ち、クライアントの現場を理解し、メンバーと協働する。
人間ならではの“共感”の力も、変わらず重要です。
もちろん、実装力
実装がわからなければ、AIが書いたコードの完全コピペになります。
これでバグが起きた場合は、誰が責任を取るのでしょうか?
いつの日も、エンジニアは自分のアウトプットに責任を持たなくてはいけません。
AIに頼り切らず、まだまだ自分自身のコーディングスキルも上げていきましょう。
これからのエンジニアは「考える力×AI活用力」で差がつく
これからのエンジニアは、ただAIに頼るか、人間力で勝負するか、という二択ではありません。
AIを道具として使いこなしながら、「考える力」「見抜く力」「伝える力」で価値を発揮する人。
そういう人が、今後ますます重宝されていくはずです。
「AIに負けるかも…」と不安になるよりも、
「AIが得意なことは任せて、自分にしかできない領域に集中しよう!」
とマインドを切り替えるのが、これからの戦い方だと思います。
最後に
「コードを書く」だけが、エンジニアの価値ではありません。
システム開発は、「考える仕事」です。
クライアントの本当の課題を見つけ、最適な解決策を設計し、関係者を巻き込みながら形にしていく。
そのプロセスをリードできる人が、これからの時代に本当に価値を持つエンジニアだと、僕は思っています。
焦らなくていいので、まずは目の前の経験を一つひとつ大事にしていきましょう。
その積み重ねが、AI時代に必要とされ続けるエンジニアの道につながっていくはずです。
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