こんにちは。システムアイ人事担当の @ryoTSSです。
普段、私たち人事は多くのエンジニアの方と面談や1on1でお話しさせていただくのですが、実はこんな「あるある」に直面することがあります。
自分:「……最近、どうですか?」
相手:「……あ、はい。まあ、大丈夫です」
自分:「(終了)」
二人:「…………(シーン)」
特にリモートワークと出社のハイブリッドな環境だと、「ちょっとした雑談」のタイミングが掴めず、いきなり本題に入ってしまいがちですよね。
そこで今回は、人事として日々実践している、**「明日から使える、エンジニアとの会話に効くアイスブレイクの技術」**を共有します。
「雑談のセンス」は不要です。必要なのは「手札(ネタ)」だけです。
なぜ、技術記事のサイトで「アイスブレイク」の話をするのか?
「早く本題に入ったほうが効率的(高パフォーマンス)では?」と思う方もいるかもしれません。 しかし、私たち人事はアイスブレイクを単なる「おしゃべり」ではなく、以下の2つの重要な**「初期化処理(イニシャライズ)」**と捉えています。
通信確認(キャリブレーション)
マイクの調子だけでなく、相手のテンションやレスポンス速度を確認する工程です。
心理的安全性の確保
緊張状態はバグ(言い間違いや思考停止)の元です。本来の実力を発揮してもらうために必須のセットアップです。
では、具体的にどんな「ネタ」を振ればいいのか? シチュエーション別にコピペで使えるフレーズを紹介します。
1. 初対面・カジュアル面談編(オンライン)
「天気の話」はもう禁止です。オンラインならではの環境や、エンジニアがこだわりがちなポイントに触れるのが鉄板です。
🎙 機材・環境チェックを兼ねて
エンジニアの方はデバイスにこだわりがあることも多いので、ここを突くと話が弾みやすいです。
「マイクの音質、すごくクリアですね! 何か特別なマイクを使ってるんですか?」(「PC内蔵マイクです」と言われても、「えっ、最近のPCのマイクってそんなに優秀なんですね!」と驚くことで会話が繋がります)
「通信環境、安定してますね。ご自宅は有線LAN派ですか?」
「(背景を見て)バーチャル背景、面白いですね。それ何の画像ですか?」
📍 「物理的な場所」を聞く
「どこに住んでますか?」はプライバシー的にNGですが、「今いる場所」ならOKです。
「今日はご自宅からですか? それともオフィスからですか?」
「背景がシンプルでいいですね、集中できそうな環境ですね」
「リモートワークには慣れましたか?」
2. 社内 1on1・チーム定例編
「調子はどう?」という曖昧な質問は、真面目なエンジニアほど返答に困ってしまいます。 エンジニア向けにおすすめなのは、**「定量化(数値化)」**することです。
💻 「CPU使用率」で聞く(寒いかもしれませんが勇気を出して聞く!)
結論、これが一番エンジニアにウケが良いかもです。
「今の忙しさ(または脳の疲れ具合)、CPU使用率でいうと何%くらいですか?」
相手:「うーん、90%くらいですね……」
自分:「おお、ファンが唸ってますね(笑)。何が重いプロセスになってますか?」
相手:「実は急な割り込みタスクが……」
→ 自然と業務の課題が聞き出せます。
📊 スケールクエスチョン(点数化)
「今の体調、100点満点でいうと何点くらい?」
「今週のメンタル、RPGのHP(ヒットポイント)でいうとあとどれくらい残ってる?」
🆕 Good & New(24時間以内のニュース)
「ここ24時間以内にあった『ちょっと良かったこと』を教えてください」
「コンビニの新作がおいしかった」「コードがきれいに書けた」など、小さなことでOKとするのがポイントです。
3. 人事が使っている「裏技」テクニック
質問のリストを持っていても、話し出しにくい時はあります。そんな時に使えるテクニックです。
「自己開示」から始める(返報性の原理)
いきなり相手に聞くのではなく、自分の情報を先に少し出します。
× 「週末なにしてました?」
〇 「私、週末はずっと寝てて腰が痛いんですけど(笑)、〇〇さんは何かリフレッシュできましたか?」
自分の「ちょっとダメな話」や「失敗談」を先に出すと、相手の警戒心が解けます。
「A or B」で聞く
技術選定と同じで、選択肢があると答えやすくなります。
「作業中は、音楽を聴く派ですか? 無音派ですか?」
「朝型ですか? 夜型ですか?」
「コーヒー派? エナドリ派? それともお茶派?」
4. これは逆効果! NGなアイスブレイク
最後に、私が気をつけているポイント(アンチパターン)も共有します。
プライベートに踏み込みすぎる質問
「一人暮らしですか?」「恋人は?」などはNGです。あくまで「画面に見えている範囲」や「業務に関わる範囲」に留めましょう。
「最近どう?」というフワッとした質問
関係性ができていない相手にこれを投げると、エラーを吐かれます。「何がですか?」と返された時の気まずさは…
政治・宗教・野球の話
現代の職場ではリスクが高い話題です。
まとめ
アイスブレイクの目的は、笑いを取ることではなく、**「スムーズな通信経路(ラポール)を確立すること」**です。
システムアイには多様なバックグラウンドを持つエンジニアが在籍していますが、共通しているのは「技術や仕事への真摯な姿勢」です。だからこそ、最初に少し空気を温めるだけで、すごく深い話ができたりします。
今回紹介した中で、もし「これなら言えそう」というものがあれば、次回のミーティングで一つだけ試してみてください。 「CPU使用率どうですか?」と聞いて、ニヤリとしてくれるエンジニアがいれば、そのミーティングはきっと上手くいきます。