皆さん、こんにちは。
私は普段、スーパーで店員として働いており、商品の仕入れや計画を担当しています。また、商品の陳列や販売も行っています。
デジタルに関しては初心者ですが、幸運にもデジタルや最新ツールを学ぶ機会に恵まれ、現在は自己投資としての学習に毎日真剣に取り組んでいます。そして、デジタルツールの活用を同僚や先輩、後輩へと広めていきたいという目標を持っています。
今回はデジタルツールの力を借りて、身近な業務改善を進めていきます。
目的
①自分の身近な問題から業務改善をしたい
②自分だけでなく、実際により多くの人に活用してもらいたい。喜んでもらいたい。
③デジタルツールを活用したことも合わせて発信し、自己学習でデジタルツールの使用を推奨する啓蒙活動も合わせて行いたい
Excel関数の活用不足で非効率な作業が続くスーパーの現状
普段のパソコン業務で最も頻繁に使うアプリケーションは、おそらくExcelです。最近、Zoomを使用したオンライン講習の場で、社内講師を務めていた先輩から「Excelには約450種類以上の関数があり、うまく使えば非常に便利」と紹介されました。しかし、特に店舗内でやり取りするExcelファイルでは関数がほとんど使われていません。
私たちの主な業務はパソコン業務ではなく、商品陳列や管理などのスーパーの店員としての仕事です。そのため、先輩や同僚の作業を見ても「コピー、切り貼り、同じ作業の繰り返し」が多く、効率が悪い状態です。私も関数やマクロの便利さは知っていましたが、基礎の難しさに時間を割くのが難しく、効率が悪くても単純な切り貼り作業を続けてきました。そのような教育もまだ普及していないのが現状です。
ルール
①会社が業務内で使用を認めていないツールは使用しない。
②使用するのは出来るだけ簡単であること
今回使用するツール
・Excel
・ChatGPT
生成AIは私の社内で使用を認められてませんが、自己学習として業務外にコードを教えてもらう、関数を教えてもらうなど業務内で直接的な使用をしなければ可としました。
上記の "職場環境" と "ルール" を考慮して、今回はExcel
の関数を使った身近な業務改善を進めていこうと思います。
関数活用でExcel表の作業効率を改善
今回作成するのは、「広告商品の計画・実績表」です。
スーパーの店員として、商品の入荷数(計画)や実績を見て次回に活かすというサイクルは日々行われています。大きな改善は難しいかもしれませんが、日々の改善が月単位や年単位で大きな効率改善につながると考え、まずは思いついたこの表を作成していきます。
※今回は数値の部分にはランダム関数を用いています。
一見、普通のExcel表のように見えますが、部門やJANコード、商品名、売価はこれまで通りコピー貼り付けで簡単に入力できます。しかし、入荷数と販売数は店舗によって異なり、データの出力形式もバラバラなため、単純なコピー貼り付けでは対応できません。
そこで今回は、関数を使用してJANコードを参照し、入荷数や販売数も各1回の貼り付けだけで全て自動取得できるようにしました。
Chat GPTに聞いてみよう。
"Sheet1"のB列2行目に、"Sheet3"のM列を返したい
このようにやり方が複数の場合は、いくつかの回答をくれます。
自分が作りたいものに向けてどんどん質問をしていきます。
エラーになったときも出ているエラーをそのまま質問することで、トラブルシューティングを提案してくれます。
実際に入っている関数
今回ChatGPTが教えてくれた関数を一部載せてます。
※多くの方への汎用性はないので、作成の過程や詳細などは省略しています。
B列
=FILTER(チラシ原稿!M:M, チラシ原稿!M:M = A1)
D列
=IFERROR(TEXT(INDEX(チラシ原稿!$Q:$Q, SMALL(IF(チラシ原稿!$M:$M=A$1, ROW(チラシ原稿!$M:$M)-ROW(チラシ原稿!$M$1)+1), ROW()-1)), "0"), "")
G列
=IFERROR(INDEX(発注伝票!$O:$O, SMALL(IF(SUBSTITUTE(発注伝票!$F:$F, "'", "") = 見るところ!D2, ROW(発注伝票!$F:$F) - ROW(発注伝票!$F$1) + 1), ROW($A$1))), "")
私が使ったことのない関数ばかりで、見ても何となくしか理解できません。
関数の知識はほとんどありませんが、それでも関数を組み合わせて少し複雑なものも作ることができます。
誰でも簡単操作で2分で完了
今回、このファイルを作成するにあたり工夫した点は、「より多くの人が簡単に使える」を考えて作成した事です。
広告の原稿、実績、入荷数量 この3つのファイルを事前に用意する時間を除けば、動画の通りゆっくりやっても2分弱で出来ます。
数値の部分は全て関数を使用してランダムな数値が入っています。 pic.twitter.com/Bkg4ajER48
— Ry7081031 (@Ry40562466201) May 30, 2024
広告の原稿・実績・入荷数量の3つのファイルをそれぞれそのままコピーして貼り付けるだけです。
最後に、メインのシートの一番左上のセルに広告の日付(動画では7/2)を入力すると、全て自動で参照してくれます。
動画と同じような量の表だと、切り貼りを繰り返して作成すると10分~15分かかっていたものが、約2分と大幅に効率改善できました。
実際に使ってもらった
実際にこのプロトタイプを会社の先輩へ使ってもらいました。
さらに、良かった点や改善点もフィードバックしてもらいました。
●良かった点
・単純にコピーをするだけで、より多くの情報が自動で取得できること。
・広告以外でも、多くの商品数で実績が欲しい場合は大幅な時間効率の短縮が期待できる。
●改善点
・商品数が少ないと、時間効率の短縮の期待値が低い。
・何日もまたぐ通しの広告の際や、複数日ではまだ使用できない。
●今後への期待
・さらに発展させていき、週間・月間での計画と反省のフォーマットにできると良い。
・最小限でのコピーや貼り付けの作業が必要なため、これらが無くなればもっと多くの人が使用できそう。
最終的に上記のような改善点や、今後への期待といったレビューを貰えたので改善の余地はまだまだありそうです。
ChatGPT活用で迅速にプロトタイプ作成と改善
今回はChatGPTを使って、関数の勉強をせずに回答をコピー&ペーストして作成しました。そのため、1日もかからずに仮のプロトタイプができました。このおかげで、実際に最終フィードバックを受ける前に、何度も「もっとこうして欲しい」というフィードバックを受ける事が出来ました。動画やスクリーンショットの完成した物は、これらのフィードバックに基づいて修正・改善されたものになります。結局、最初から完璧なものを時間をかけて作るよりも、簡単なものから始めて、率直な意見をもらいながら一つずつ改善していく方が、より良いツールを作る近道だと感じました。
業務の制約を踏まえたChatGPT活用で新しいアイディア創出を期待
職場にはたくさんの縛りがあり、業務で使用が出来ないツールもあるため、もっと良い方法はありふれていると思いますが、こういった縛りも合わせてChatGPTに考えてもらうのも新しいアイディアが生まれてくるかもしれません。
今回は目的である「多くの人に使用してもらう」、「デジタルツールの推奨」までできませんでしたが、これからも改善を続けていきより多くの人に活用してもらえるようなモノを作っていきます。