「現代のデータインフラ構築には構造的な変化が起きています。」
LinkedIn、Apple、Netflix、Tencentなど、最先端のテック企業が選ぶデータ技術には、ある共通点があります。それは、リアルタイムかつ拡張性のあるパイプラインを実現するために、Rust、PostgreSQL、Amazon S3、Apache Iceberg を基盤として採用しているということです。
本記事では、これらの技術がなぜ注目されているのか、そしてRisingWaveがそれらをどのように統合しているのかを解説します。
🚀 Rust:パフォーマンスと安全性を両立する言語
Rustは、システムプログラミングの世界で急速に支持を集めている言語です。
- Stack Overflow 2024:最も支持された言語(83%)
- crates.io における1日あたりのダウンロード数:42,712
- 活発なコミュニティ:
r/rust
(322k)、r/learnrust
(31k)、r/rust_gamedev
(40k) - AWS、Dropbox、Cloudflareをはじめ、各種データベースベンダーが採用
Rustは、メモリ安全性とゼロコスト抽象化を実現しながら、並行処理にも強く、スケーラブルなデータエンジンの実装に最適な言語です。
🐘 PostgreSQL:信頼と拡張性に優れたSQLエンジン
PostgreSQLは、従来のOLTPデータベースを超えて、現代のデータスタックにおける「共通言語」として進化しています。
- DB-Engines 2024:3年連続「DBMS of the Year」受賞
- Stack Overflow 2024:48.7%の開発者が使用
- Spark、Flink、dbt、BIツールと高い互換性
- TimescaleDBやRisingWaveなどの次世代DBの基盤
PostgreSQLは成熟性と拡張性を兼ね備え、多くのデータ駆動型アプリケーションにとって理想的なリレーショナルレイヤーとなっています。
☁️ Amazon S3:クラウド時代のデータストレージ標準
Amazon S3は、単なるストレージサービスを超えた「クラウドインフラの中核」です。
- 保存されているオブジェクト数:350兆以上
- 秒間リクエスト数:1億回超
- 耐久性:99.999999999%(11ナイン)
- 対応プロバイダ:MinIO、Cloudflare R2、DigitalOcean、IBM Cloudなど
高い可用性、スケーラビリティ、低コスト、API互換性により、S3は現代の分析・AI・ETL基盤に不可欠な存在となっています。
❄️ Apache Iceberg:オープンデータレイクの新標準
Icebergは、大規模分析データの管理方式を再定義しつつあります。
- 採用企業:Netflix、Apple、AWS、Adobe、LinkedIn、Tencent、Pinterest
- エコシステムの拡大:Databricks(Tabularを買収)、Snowflake(Polaris Catalogを発表)、Dremio(Hybrid Iceberg Catalogを展開)
- 対応エンジン・サービス:Trino、BigQuery、Flink、StarRocks、Redpandaなど
- 特徴:バッチとストリーミングの統合、ゼロETL、オープンなデータ管理
Icebergは、単なるファイル形式ではなく、ベンダーロックインを回避しながらシステム間の相互運用性を高めるオープンな契約モデルとして支持を集めています。
💡 RisingWaveで統合された未来型データ基盤
RisingWave では、これらの技術スタックを1つのストリーミングデータベースに統合しています。
- Rust:高速かつ安全なデータ処理エンジンのコア
- PostgreSQLプロトコル:開発者にとって親しみやすく、エコシステムとの互換性も高い
- S3:スケーラブルかつ低コストなクラウドストレージ
- Iceberg:リアルタイムと履歴データの統一管理を可能にするテーブル形式
これにより、開発者はPostgreSQL風のSQLを使って、ロックインなしでリアルタイムデータをストリーミング・保存・分析できます。