Model Context Protocol(MCP)を使った技術記事収集システムの構想を紹介します。
「記事収集 → AI要約 → チーム共有」の全自動化を目指すシリーズの第1回です。
1. はじめに — 技術記事収集の課題
「あの記事、どこで見たんだっけ?」
Slackで流れた記事、Xで見かけたブログ、HackerNewsのトレンド——。気になる記事は山ほどあるのに、体系的に管理・共有できていないのが現実です。
そこで構想しているのが、AIエージェントと連携した技術記事収集システムです。単なる記事収集ではなく、要約からチーム共有まで全自動化を目指します。
2. システム全体構想
理想的なワークフロー
開発フェーズ
Phase 0: 構想・設計(← 今回)
- システム全体設計、技術選定、MCP基礎理解
Phase 1: 記事収集基盤
- Qiita記事取得、MCPによるClaude連携
Phase 2: AI要約・分析
- Gemini APIによる要約・分類・関連性分析
Phase 3: マルチソース対応
- 複数技術メディア連携、RSS統合
Phase 4: チーム共有・ナレッジ管理
- Slack/Discord Bot連携
- Notion Database・Obsidian自動保存
- 定期レポート生成
Phase 5: パーソナライゼーション
- 読書履歴に基づく記事推薦、個人最適化
3. 技術選択の背景
なぜMCPを選んだのか?
従来手法の課題:
- REST APIサーバー: 運用コスト高、設定複雑
- Webhook: 依存関係強い、デバッグ困難
- スクレイピング: 仕様変更で頻繁に破綻
MCPの優位性:
- 軽量: Node.jsプロセス1つで完結
- 標準化: JSON-RPC準拠で互換性高い
- 拡張性: ツール追加が容易
- 将来性: Anthropic公式、エコシステム拡大期待
Gemini API採用理由
- コスト効率: 無料枠充実(100万トークン/月)
- 日本語対応: 技術記事の理解度が高い
- パフォーマンス: 高速レスポンス、安定したJSON出力
4. MCP(Model Context Protocol)の基礎
MCPは、LLMと外部ツールを標準化された方法で接続するプロトコルです。まるでUSBポートのように、異なるツールを統一的に利用できます。
構成要素
- MCP Host: Claude DesktopやIDEなど
- MCP Server: 特定機能を提供する軽量プログラム
- Tools: 機能定義(関数名、引数、戻り値)
5. 今後の展開
Phase 1: Qiita記事取得基盤
次回の第1回では、いよいよ実装に入ります:
- MCP Server基本構築(Node.js)
- Qiita API連携で人気記事取得
- Claude Desktop統合
- 基本的なレスポンス整形
Phase 2: Gemini API要約機能
実装予定: 記事要約・技術タグ抽出・関連性分析
Phase 3〜5: 高度化
- マルチソース: 複数技術メディア・RSS対応
- チーム共有: Slack/Discord Bot・Notion/Obsidian連携
- パーソナライゼーション: 学習履歴に基づく推薦
6. 期待される効果
個人レベル
- 関連記事自動収集、要約による時短、体系的分類
チームレベル
- 朝会での情報共有自動化、技術選定の参考情報
将来的な可能性
- 学習履歴に基づく最適化、技術レベル対応
7. おわりに
MCPを使った技術記事収集システムの全体構想を紹介しました。
MCPの魅力は、軽量でありながらAIエージェントとの親和性が非常に高いことです。従来なら複雑なサーバー構築が必要だった機能が、簡単に実現できる時代になりました。
次回は、Gemini APIを使った記事要約機能を実装し、「収集した記事を読みやすい形で提供する」ステップに進みます。
技術記事の収集・要約・共有が全自動化されることで、エンジニアの学習効率とチーム連携が劇的に改善されるはずです。
参考リンク
本記事は 2025年6月時点の情報に基づいています。
次回記事: Phase 1の実装編を公開しました!業務の合間の個人開発でしたが、MCPサーバーとQiita API連携が完成しています。