Appleの開発者用ドキュメントは実によくまとまっています。
うれしいことに日本語訳も用意されていますが、残念ながら翻訳が必要なためすべてが最新であるというわけではありません。
しかし根底の部分についてかかれているものに関しては最新でなくてもさほど影響はないでしょう。
Objective-C プログラミングの概念
Objective-CとCocoa / Cocoa Touchフレームワークを使う上でのデザインパターンについて書かれています。
MVC(Model-View-Controller)はもちろんのこと、Foundationフレームワークで多用されているクラスクラスタについても記述があります。
アプリケーションを作る上で必要となるほぼすべての基礎が記述されていますが、実に様々なデザインパターンや手法があるため必要最低限のもののみ記述されていると思って下さい。
もちろんポイントは押さえられているので、概念的なものを頭に入れておくくらいの気持ちでまず最初に読んでみてください。
もしよくわからない部分が出てきたら、他の書籍を読んだり調べたりして知識を深めましょう。
Cocoa向けコーディングガイドライン
Appleが薦める命名規約が載っています。
AppleのサンプルコードやAPIのメソッド名などをみると一定の規則に則って書かれているのがわかるでしょう。
この命名規約を守る義務はありません。守らなくともプログラムは動きます。
しかしある一定の規模になった場合や、他の人にソースを公開する必要が出てきたときにソースが読みづらくなったりして困ることになります。
Appleがオープンにこの命名規約を用意しているということは、開発者全員がこれに準拠するかたちでコーディングをすることにより、誰がみても混乱することなくソースをみる、もしくはライブラリのAPIを使うことができるということです。
このドキュメントで提示されていない規則については他人のソースをみたり、あるいは自分で一定のルールを作りコーディングすると良いでしょう。
キー値監視プログラミングガイド
KVO (Key-Value Observing)について書かれています。
プロパティの値が変わったときに、通知をして欲しいときに使う仕組みです。
たとえばModelのプロパティが変わった時点でControllerがその状態を知りたいときなどに使います。
それほど難しいものでもありませんので、目を通しておいてください。
iOS View Controller プログラミングガイド
View Controllerの概念やView Controllerで処理すべきことなどが書かれています。
今のiOSのプログラミングで欠かすことのできないストーリーボードについてもここで簡単に書かれています。
View Controllerはストーリーボードを使わずともインスタンスは生成できますが、そういう部分についても記載されています。
View Controllerではなにをすべきなのか？という基礎部分についてしっかり書かれていますのでMVCに沿ってコーディングする上で必要な知識となるでしょう。
iOS View プログラミングガイド
MVCのVにあたるViewの概念や操作方法、アニメーションについて書かれています。iOSのアプリでは普段あまり気にすることの無いWindowについての記述もあり、どのような構成でViewが表示されているのかという部分についても知ることができるでしょう。
その他のドキュメント
日本語のドキュメントはこちらにあります。
英語とセットになっており公開日も表示されているので、翻訳前なのかどうかがわかりやすいです。
また上記であげたドキュメントの他にも沢山公開されています。
どれも有用なドキュメントですが全部読まなくちゃ！と思っても辛いだけです。自分のアプリで使う技術や興味のあるものから順に読んでいき、知識を付けていきましょう。