MongoDB で名前を変更する

データベース名を変更する

MongoDB にはデータベース名を直接変更するコマンドは存在しない。
そのため、通常はデータベースをコピーしてコピー元を削除する。

最新のバージョンでなければ、以下の方法でデータベースをコピーできる可能性がある。

> db.copyDatabase('old_dabatabase', 'new_database')

この方法は MongoDB 4.0 までは使えたが 4.2 以降では使えなくなっている。

4.2 以降ではコピー元を mongodump して mongorestore でデータベース名を変えてリストアする必要がある。
（ copyDatabase が提供される前はこの手法が使われていたので、古いやり方に戻ったとも言える）

コレクション名を変更する

以下のコマンドで user から users に変更できる。

> db.user.renameCollection("users")
{ "ok" : 1 }

コレクション名の変更にはドキュメントの件数は関係なく通常、一瞬で終わる。

フィールド名を変更する

フィールド名は $rename を使えば変更できる。
（データベースの特性上、自然なことだが） こちらは1件ずつ更新が走るためそれなりに時間がかかる。

> db.users.find().count()
10000000
> db.users.update({}, { $rename: { 'nickname': 'alias' } }, false, true)
WriteResult({ "nMatched" : 10000000, "nUpserted" : 0, "nModified" : 10000000 })

1000万件のドキュメントに対してフィールド名を変更して、手元の環境では2分弱かかった。
（このあたりの時間は実行環境によって差が大きいと思うし、ローカルでの時間はあまり参考にはならないかもしれない）

ちなみに、コレクションの全件に対してフィールド名の変更を行っている途中に対象のフィールド名を用いた update を行うことで簡単に意図とは異なる処理が実現できる。
たとえば、上記の update コマンドを走らせてからすぐに別のコンソールで update を走らせると以下のようになる。

> db.users.update({nickname: {$exists: true}}, {$set: {has_nickname: true}}, false, true)
WriteResult({ "nMatched" : 9838702, "nUpserted" : 0, "nModified" : 9838702 })

変更されたのは約984万件。つまり16万件程度が更新されていないことになる。

インデックスを貼ったフィールドの名前を変更する

変更対象のフィールドにインデックスが貼ってあっても、特に問題はない。
（し、速くもならない）

また、 $rename によってインデックスの情報は更新されない。
つまり、以下のケースでは update 後、どのドキュメントにも存在しないフィールド alias にインデックスが貼られている状態になる。

> db.users.createIndex({alias: 1})
{
        "createdCollectionAutomatically" : false,
        "numIndexesBefore" : 1,
        "numIndexesAfter" : 2,
        "ok" : 1
}
> db.users.update({}, { $rename: { 'alias': 'nickname' } }, false, true)
WriteResult({ "nMatched" : 10000000, "nUpserted" : 0, "nModified" : 10000000 })
> db.users.getIndexes()
[
        {
                "v" : 2,
                "key" : {
                        "_id" : 1
                },
                "name" : "_id_",
                "ns" : "sandbox.users"
        },
        {
                "v" : 2,
                "key" : {
                        "alias" : 1
                },
                "name" : "alias_1",
                "ns" : "sandbox.users"
        }
]

ちなみに unique index を貼っておくとエラーになる。

> db.users.createIndex({alias: 1}, {unique: true})
{
        "createdCollectionAutomatically" : false,
        "numIndexesBefore" : 1,
        "numIndexesAfter" : 2,
        "ok" : 1
}
> db.users.update({}, { $rename: { 'alias': 'nickname' } }, false, true)
WriteResult({
        "nMatched" : 0,
        "nUpserted" : 0,
        "nModified" : 0,
        "writeError" : {
                "code" : 11000,
                "errmsg" : "E11000 duplicate key error collection: sandbox.users index: alias_1 dup key: { alias: null }"
        }
})