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SystemVerilog による論理回路設計(授業用) - 1章 実習ボード、開発ツールの使い方

Last updated at Posted at 2018-07-27

1章 実習ボード、開発ツールの使い方


実習ボードについて

本実習では Intel社(ALTERA社)のFPGAチップCyclone Vが搭載された
DE0-CV開発ボードを使います。
このボードは、スライドスイッチ(SW9-0)、プッシュスイッチ(KEY0-4)、
LED(LEDR9-0)、7セグメントLED(HEX5-0)、GPIOなど多くのI/Oを
備えています。

http://cd-de0-cv.terasic.com
より、ユーザーマニュアルをダウンロードしておいてください。


開発ツールについて

本実習では回路設計を行うための EDA(electronic design automation) ツールとして Quartus Prime Lite Edition を利用します。

インテル Quartus Prime


実習ボード・開発ツールの使い方

実習ボードのスライドスイッチSW7-0に入力された0/1のビットパターンを
そのままLEDのLEDR7-0に表示する回路の設計実装を行う実習を通して、
実習ボードと開発ツールの使い方を学んでいきましょう。

DE0_CV_simple_io.png


Directory, Name, Top-Level Entityの設定

Quartus Prime Lite Editionを起動します。

起動したら、[File]>[New Project Wizard]
よりプロジェクト作成のためのウィザードを起動し、下記を設定します。

  • working directory (プロジェクトフォルダが置かれる作業フォルダ)
  • project (プロジェクト名)
  • top-level entity (PIN接続される一番外側の回路モジュール名)

設定例:

  • working directory: Z:/digital/working_directory
  • project: simple_io
  • top-level entity: simple_io

Project Typeの設定

今回はEmpty projectを選択してください。


Add Filesの設定

既に作成したデザインファイルやライブラリを
プロジェクトに取り込みたい場合に設定します。

今回は何も追加せずに次に進んでください。


Family, Device & Board Settings

開発対象のデバイス(FPGAチップ)を選択します。

今回は Cyclone V 5CEBA4F23C7 を選択します。


EDA Tool Settings

シミュレータなど他のEDAツールを使う場合の設定です。

今回はそのままで次に進んでください。


Summary

これまでの設定をここで確認します。
問題なければ[Finish]を押してください。
プロジェクトのひな型が作成されます。


デザインファイルの作成

[File]>[New]>[Design Files/SystemVerilog HDL File]を選択します。

エディタが立ち上がりますので、リスト1.1のデザインファイルを作成し、
適切なファイル名を付けて保存します。
ファイル名は simple_io.sv の様に拡張子を .sv としてください。

なお、モジュール名(module の後についている名前)は
top-level entityと同じにする必要があります。

<リスト1.1 siple_io.sv>

simple_io.sv
module simple_io(
  input   logic [7:0] sw,
  output  logic [7:0] led
);

  assign led = sw;

endmodule

デザインファイルの解析

[Processing]>[Start]>[Start Analysis & Elaboration]
を選択し、デザインファイルの解析を行います。

下記の様に表示されれば大丈夫です。

Info: Quartus Prime Analysis & Elaboration was successful.

デザインファイルに誤りがあると下記の様なエラー表示がでます。
修正を行ったうえで再度[Start Analysis & Elaboration]を行ってください。

Error (10161): Verilog HDL error at simple_io.sv(8): ...

Pin plannerによるピンの設定

[Assignments]>[Pin Planner]を選択してPin Plannerを起動します。

作成した simple_io モジュールの入出力ポートが適切なI/Oデバイスに
接続されるよう、ピンの割り当てを行います。

今回はled[7]-led[0]がボードのLEDR7-LEDR0、sw[7]-sw[0]がSW7-sw0に接続されるように表1.1のとおりピンの設定を行います。

<表1.1 simple_ioモジュールのピン割り当て>

Node Name Location 割り当てデバイス 入出力
led[0] PIN_AA2 LEDR0 output
led[1] PIN_AA1 LEDR1 output
led[2] PIN_W2 LEDR2 output
led[3] PIN_Y3 LEDR3 output
led[4] PIN_N2 LEDR4 output
led[6] PIN_U2 LEDR5 output
led[5] PIN_N1 LEDR6 output
led[7] PIN_U1 LEDR7 output
sw[0] PIN_U13 SW0 input
sw[1] PIN_V13 SW1 input
sw[2] PIN_T13 SW2 input
sw[3] PIN_T12 SW3 input
sw[4] PIN_AA15 SW4 input
sw[5] PIN_AB15 SW5 input
sw[6] PIN_AA14 SW6 input
sw[7] PIN_AA13 SW7 input

実習ボードDE0-CVにおいて、
各ピンがどのI/Oデバイスに接続されているかは
ユーザーマニュアルを確認してください。


プロジェクトのコンパイル

[Processing]>[Start Compilation]を選択して、
プロジェクトのコンパイルを行います。

しばらく時間がかかります。下記の様に表示されるとコンパイル成功です。

Info (293000): Quartus Prime Full Compilation was successful.

デバイスへの回路情報の書き込み

コンパイルで作成された回路情報を実習ボードに書き込みます。

まず、PCと実習ボードDE0-CVをUSBケーブルで接続し、実習ボードの電源を入れます。
SW10はRUNに設定しておいてください。

Quartus Primeの方で、[Tools]>[Programmer]を選択しProgrammerを起動します。

  • [Hardware Setup]でUSB-Blaster[USB-0]を選択
  • ModeはJTAGを選択

Fileが空欄の場合は[Add File]より output_files/ 下にあるsofファイルを選び追加してください。

sofファイルのProgram/Configureにチェックを入れてください。

この状態で[Start]をクリックすると、書き込みが開始されます。
Progressが100%になると書き込み完了です。


動作確認

実習ボードDE0-CVのスライドスイッチSW7-0をいろいろと切り替えて、
LEDR7-0がどの様に点灯するかを確認しましょう。

プロジェクトの保存

[File]>[Save Project]より、プロジェクトの保存ができます。

次回以降、保存したプロジェクトを利用したいときは
[File]>[Open Project]からプロジェクト名の付いたqpfファイルを選択します


演習課題

新たなプロジェクトを作成し、リスト1.2に示すデザインファイルで設計される回路を実装しましょう。
ただし、プロジェクトのtop-level entity は bitwise_and とします。
また、ピンの割り当ては表1.2の通りとします。

この回路がどのような動作をするか、スライドスイッチsw7-0をいろいろと切り替え観察しましょう。

<リスト1.2 bitwise_and.sv>

bitwise_and.sv
module bitwise_and(
  input   logic [3:0] sw_high,
  input   logic [3:0] sw_low,
  output  logic [3:0] led
);

  assign led = sw_high & sw_low;

endmodule

<表1.2 bitwise_and のピンの割り当て>

Node Name Location
led[0] PIN_AA2
led[1] PIN_AA1
led[2] PIN_W2
led[3] PIN_Y3
sw_low[0] PIN_U13
sw_low[1] PIN_V13
sw_low[2] PIN_T13
sw_low[3] PIN_T12
sw_high[0] PIN_AA15
sw_high[1] PIN_AB15
sw_high[2] PIN_AA14
sw_high[3] PIN_AA13
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