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SOLID原則を勉強する その5~依存性逆転の原則(DIP)~

Last updated at Posted at 2021-08-17

目次

  1. SOLID原則を勉強する その1~単一責任の原則 (SRP)~
  2. SOLID原則を勉強する その2~オープン・クローズド原則(OCP)~
  3. SOLID原則を勉強する その3~リスコフの置換原則(LSP)~
  4. SOLID原則を勉強する その4~インターフェース分離の原則(ISP)~
  5. SOLID原則を勉強する その5~依存性逆転の原則(DIP)~ ←いまここ

前置き

書籍を読んだり、ググったりして、自分に分かりやすいようにまとめた記事です。
より詳しく知りたい方は、下記の参考文献を読んでみてください。

参考文献

Clean Architecture 達人に学ぶソフトウェアの構造と設計 | Amazon
Adaptive Code ~ C#実践開発手法 | Amazon
C#の設計の基本【SOLID原則】まとめ
Unity開発で使える設計の話+Zenjectの紹介
C# で SOLID の原則に違反する危険性

依存性逆転の原則(DIP)

  • 上位モジュールが下位モジュールに依存してはいけない
    • 上位モジュールも下位モジュールも抽象に依存すべき
      • 上記モジュール = 相手を使う側のクラス
      • 下位モジュール = 上位から使われるクラス
    • 抽象は詳細に依存してはならない
      • 詳細が抽象に依存すべき

- 依存性注入(Dependency injection)にも話が繋がる - 依存性注入 = オブジェクトを外から注入する - コンストラクタで外からインスタンスを受け取る - クラス内ではインターフェースしか操作しない - Unityだと Zenject という依存性注入を管理してくれるフレームワークがある - 依存性注入と依存性逆転の原則とは別の話なので注意
- 変化しやすい具象クラスを参照しない - 抽象クラス、インターフェースを参照するべき - Abstract Factory パターンを使う - 変化しやすい具象クラスを継承しない - 継承は一種の依存関係なので、気をつけて使うことが賢明 - 具象関数をオーバーライドしない - 具象関数はソースコードの依存関係を要求することが多い = 依存関係を排除できない

コード例

Unity開発で使える設計の話+Zenjectの紹介で紹介されているコードを参考にしていますが、クラス名などを変更しています。

before

SlashAttack.cs
using UnityEngine;

namespace Before.DIP.Attack
{
    public class SlashAttack
    {
        public void ApplyDamage()
        {
            Debug.Log("斬撃攻撃でダメージを与える");
        }
    }
}
Player.cs
using Before.DIP.Attack;

namespace Before.DIP.Player
{
    public class Player
    {
        public void Attack()
        {
            var attack = new SlashAttack();
            attack.ApplyDamage();
        }
    }
}

ダメなところ

  • 下位モジュールである Attack パッケージが変更されると、上位モジュールの Player の変更が必要になる
    • シグネチャ(メソッド名、引数)が変更されたら、 Player を変更しなければいけない
    • Attack の種類が増えたら、処理の分岐を追加しなければいけない

After

  • インターフェースを Player 側に定義する
    • そのインターフェースを使うことで、矢印の向きを逆にする
    • Player は下位モジュールの Attack を知らない
    • SlashAttackPlayer 側で定義したインターフェースを実装する
Player.cs
namespace After.DIP.Player
{
    public class Player
    {
        IAttack _attack;
        public Player(IAttack attack)
        {
            _attack = attack;
        }

        public void Attack()
        {
            _attack.ApplyDamage();
        }
    }
}
IAttack.cs
namespace After.DIP.Player
{
    public interface IAttack
    {
        void ApplyDamage();
    }
}
SlashAttack.cs
using After.DIP.Player;
using UnityEngine;

namespace After.DIP.Attack
{
    public class SlashAttack : IAttack
    {
        public void ApplyDamage()
        {
            Debug.Log("斬撃攻撃でダメージを与える");
        }
    }
}

良いところ

  • SlashAttack が変更されても、 Player を変更せずにすむ
  • SlashAttack から別のクラスに置き換えるときも簡単に可能
    • コンストラクタに渡す IAttack を実装したオブジェクトを変更するだけ
    void Start()
    {
        var attack = new SlashAttack(); // ここを変えるだけ
        var player = new Player(attack);
        player.Attack();
    }

新しい攻撃 MagicAttack を追加しても。 Player に影響がない

終わりに

もし、変なところがあったらぜひ教えてください。
他の設計原則についても、いずれまとめる予定です。

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