はじめに
Anthropicが公式でマイコン用ファームウェア anthropics/claude-desktop-buddy を公開しているのですが、日本語での紹介記事をほぼ見かけないので、実際に試した記録として残します。
Claude Codeで出てくる「Bashコマンドを実行していい?」「このファイル書き込んでいい?」といった承認プロンプトを、手元の小型マイコンの物理ボタンで承認/拒否できる、というリポジトリです。
半田付けや配線は不要で、既製品のマイコンをUSB Type-Cで繋ぐだけです。電子工作の経験が一切なくても試せます。
何ができるか
- Claude Codeで承認が必要な操作(Bashコマンド実行、ファイル書き込み、MCPツール呼び出しなど)が発生すると、マイコン側に操作内容が表示される
- 前面の大きなAボタンで承認、右側面のBボタンで拒否
- 承認するとハートアニメーションが可愛く出る
Claude Desktopの開発者モード限定機能として、Anthropicが自作勢向けに正式に解放している仕組みを使っています。
必要なもの
| 項目 | 備考 |
|---|---|
| M5StickC Plus(初代推奨) | 完成品。4,000-5,000円程度。半田付け不要 |
| USB Type-Cケーブル | データ通信対応 のもの。充電専用ケーブルだとデバイスを認識しない |
| Macと Claude Desktop | 開発者モードを有効にする必要あり |
| Homebrew | PlatformIO Coreのインストールに使用 |
手順
1. PlatformIO Core をインストール
$ brew install platformio
$ pio --version
2. リポジトリをclone
$ git clone https://github.com/anthropics/claude-desktop-buddy.git
$ cd claude-desktop-buddy
3. M5StickCをMacに接続
USB Type-Cケーブルで接続すると自動で電源が入ります。
4. 認識確認
ls /dev/cu.*
/dev/cu.usbserial-XXXX が見えればOKです。見えなければドライバをM5Stack公式からインストールしてください。
※ /dev/ はmacOSのシステムデバイスディレクトリで、ここに接続中のシリアルデバイスが現れます。
5. ビルドと書き込み
pio run -e m5stickc-plus -t upload
初回はライブラリのダウンロードなどで5〜10分かかります。SUCCESS と表示されれば完了です。
6. Claude Desktopとペアリング
- Claude Desktopで ヘルプ → トラブルシューティング → 開発者モードを有効にする
- メニューバーに 開発 が出現
- 開発 → ハードウェアバディを開く
- 接続 → デバイス一覧からM5StickCを選択
- macOSのBluetooth権限ダイアログが出たら許可
接続できればセットアップ完了です。
M5StickCのバージョン違いを買ってしまった場合
推奨は初代Plusですが、自分は店頭で後継のPlus2を購入してしまいました。初代Plusとは電源管理ICが違うため、本家mainブランチではブートループして起動しません。
2026年4月時点で、imliubo 氏による M5Unifiedライブラリへの移行Pull Request #3 がオープンしているので、そのブランチを使うとPlus2でも設定変更なしで動きました。
$ git remote add imliubo https://github.com/imliubo/claude-desktop-buddy.git
$ git fetch imliubo
$ git checkout -b plus2-migration imliubo/feat/migrate-to-m5unified
$ pio run -e m5stickc-plus -t upload
使用感
承認プロンプトが出ると、マイコンの画面にバディキャラ(内蔵で18種類)と一緒に、ツール名(例: Write)、対象ファイルパス、A: approve / B: deny のガイドが出ます。Aボタンで承認すると画面にハートアニメーションが出て、拒否するとクロスマーク。
バディキャラは Aボタン長押しで設定メニューに入り、ascii pet 1/18 から好きなキャラを選んで切り替えられるので、お気に入りを常駐させておけます。
自動モードを常用していても、重要な操作では承認確認が出るタイミングがあるので、そこで物理ボタンで意思表示できるのは思っていた以上に良い体験でした。
おわりに
知らなくても何も困らないけど、知ると試したくなる系のプロダクトです。ハードウェア4,000円前後と30分の作業で試せるので、Claude Codeを日常的に使っていて気になった方はぜひ。