kintone の海外展開は、本気らしい。
それに乗っかって米国向けに、kintone プラグインの販売を試してみよう。
きっとブルーオーシャンが待っている!
ということで、stores rex0220e にて販売を開始した。
日本、中国に続き、米国へ進出できるか?
米国 kintone の市場
「失敗したら辞める」、サイボウズがkintoneの海外拡販策 によると、
- 2017/9時点で、米国のkintone 約130社。米国現地法人が100社超。
米国版 kintone は、ライトコースが無く、すべてプラグインが使える環境。
100社いれば、プラグイン数本くらいは、売れそうな気がする。
今後の米国市場拡大に期待。kintone がんばれ!
英語圏では、オーストラリアにも kintone があるが、こちらの情報はあまり無い。
「1年目に関しては日系企業を中心に90~100社での導入を目標」だが、実績は発表待ち。
kintone Australia
開発案件
IoTも得意なジョイゾー山下竜氏、70日間の北米勤務で見たモノとは? によると、
- 北米でのkintone案件は、おしなべてカスタマイズが必要
- 9割はカスタマイズが必要で、そのうち6割はサービス連携に難
開発案件の3割程度は、プラグインの出番があるかもしれない。
英語対応のプラグイン
英語対応および複数言語対応のプラグインは、それほど多くはない。
主に、developer network のサンプルプラグインと中国版複数言語対応プラグインのみ。
kintone plug-ins list
rex0220 で販売しているプラグインにも、複数言語対応のものがいくつかあるが
マニュアルが日本語版だけなど、英語圏向けとはなっていない。
競合他社さんで、米国向けに販売しているところは、まだ無さそうなので、一番乗り?
販売するプラグイン
rex0220 で販売しているプラグインで売れそうなものをピックアップ
-
タブ表示プラグイン
rex0220 stores で、一番人気のプラグイン -
計算式プラグイン
Excel の計算式のように、簡単にテーブル集計が出来る。人気上昇中の一押し。 -
ルックアップコピー項目編集プラグイン
無償提供プラグイン。いわゆる撒き餌的な
とりあえず、これで勝負してみよう。
試用版も用意した。面倒なので試用期間3年の試用版だ。
まあ、売りたい商品とお客様が欲しいものは違う場合が多いので
品ぞろえは、様子をみながら増やしていければいいか。
プラグインの複数言語対応
kintone が対応している言語は、日英中の3言語なので、プラグインの対応も日英中対応で考える。
ただし、米国は多民族国家で、英語以外にスペイン語なども多い気がする。
日英中だけだと、その辺がネックになるかも。
実装は、昔からのやり方で、日本語が使われている個所を動的に、言語別の文字に置き換える。
単純に英訳すると文字長が長くなって、表示調整が必要になる場合がある。
ユーザー情報の取得API で、ユーザが使用している言語 language で、取得できる。
- ja : 日本語
- en : 英語
- zh : 中国語
ユーザの使用している言語で変換すると、米国 kintone 環境でも、日本語設定を使っているユーザは、プラグインのメッセージが日本語表示となる。
動作検証
kintone 環境
まず、プラグインが米国の kintone 環境で、動作するかを検証しないと、販売出来ない。
幸いなことに、米国版 kintone 開発環境が無償提供されている。
米国版 kintone 開発環境の申請は、自動化されていないらしく、申請してから2営業日くらいで連絡が来た。
クライアント環境
-
Windows PC
英語版 Windows PC をそのまま使いたいところだが、別途用意して維持するのも面倒。
今回は、英語版 Windows PC を日本語化したもので、検証する。
以前と違って、日本語版 Windows PC でも、フォント以外はそれほど違いはないと思う。 -
Mac
もともと言語選択するだけで、日英とも使えるので、問題ないと思う。 -
Android
kintone アプリで、接続先を kintone.com に変更すると接続できた。 -
iOS
初代iPadしか実機が無く、シミュレータでテスト。
ポータル画面
ログインすると、いきなり kintone ポータル画面が表示される。
ユーザを追加するところで、ちょっと迷う。
米国版 kintone は、cybozu.com 共通管理が無く、管理メニュー内にユーザ管理がある。
kintone ユーザ言語設定
規定値は、ブラウザーの言語設定になっているので、「English(US)」にする。
アプリ作成
テンプレートからプラグイン検証用アプリを作成する。
テンプレートのアプリは、日本版より少し少ないようだ。
今回は、human Resources > Timesheets を使う。
アプリのフォーム設定
カスタマイズ用の項目等を追加。
日本版と異なるのは、既定のフィールドコードが英語設定されているところ。
プラグインの設定画面
問題なく、動作したようだ。
タイトルやメッセージも英語表記されている。
Timesheet アプリの編集画面
編集画面でも、問題なく計算式プラグインの計算結果が表示される。
米国版 kintone
日本版 kintone との比較
ぱっと目に付く違いとして
- URL が、 xxx.kintone.com/...
- ログインすると、いきなり kintone ポータル画面
- ヘッダ部の既定色が黄色(kintone color?)
- ヘッダ部のロゴが kintone
- ユーザ設定は、管理メニュー内
- テンプレートの既定言語が英語
- フィールドコードが英単語設定
- プラグインストアが無い
API について
肝心の API については、API 更新情報の内容を比較すると、同等のバージョンだと思われる。
API 更新について、日米中で同じかどうかの公式の記述は見つけられ無かった。
日本版 kintone developer network
米国版 kintone developer network
中国版 kintone developer network
EC サイト
米国の EC サイトで販売するのが、米国の顧客に売りやすいと思うが、
米国内の銀行口座が必要だったり、ハードルが高そう。
とりあえずは、手軽に始められる国内のECサイトで、これまで使っている stores で販売してみる。
ただし、stores の英語対応はストア全体で日本語か英語の選択しか無い。
国内向けストアとは別のアカウントで、米国向けのストアを開くことにする。
問題点としては、
- 英語化しても、決済は円建て
- きっとプラグインが欲しいと思ったお客様は、円建てでも買ってくれるよ。
- SEO 米国内のサーチエンジンに引っかかってくれない
- どっかに検索で引っかかるようにリンク張るか、SNS で宣伝するか。SNS 苦手。
- 一部日本語が残っている
- たぶん、stores の対応もれ。指摘すればそのうち直るかも。
- プレミアムプランにしたので(980円/月)かかる
- プレミアムにしないとアクセス状況がわからないで仕方なく。
- 1年で1万2千円くらいの投資だと思えばOK 。
プラグインのドキュメント
ドキュメントも英語版を用意しなくては。
翻訳
翻訳は、グーグル先生にお願いした。
英語が苦手な私は、翻訳結果が良いのか悪いのか判断できない。
それで英訳結果を更に和訳して、まずそうなところは元の日本語をいじって調整。
(みんなやっているよね)
あとは、翻訳ごとに異なる単語のぶれが気になるところを直したり。
おかしな表現は、ご愛嬌ということで許してもらおう。
ドキュメントの置き場所
Markdown が使えるところを探して、HackMD を使ってみることにした。
「共同で編集を行う」ことが売りのようだが、自分だけ編集可能に設定もできる。
機能紹介に「HackMDはまだ開発中のため、問題が発生するかもしれません。」とあるが、今のところ問題無い。
プラグインの値付け
日本向け stores で、計算式プラグインは 100,000 円。
米国向け stores で、計算式プラグインは 300,000 円にした。
売れてしまうと英語のサポートが大変そうなので、あまり売れない値段にしておく。
日本向けが安すぎて、米国向けが高い妥当のような気がしてきた。
バランスをとるため、日本向けも値上げしたほうがいいかも。
とりあえず、市場規模が小さくサポートが面倒な分、値段を高くしたということにする。
あとがき
kintone Advent Calendar のネタに困って、 とりあえずやってみることにした。
1万2千円で、1年間楽しめそうだ。
失敗したら(1万2千円が無駄になったら)、あとはフリープランに変えてほっとくゆるい覚悟で。
急に他の開発案件が入り、当分の間そちらに時間がとられることになったが、
米国向けプラグインは当分の間は売れないから大丈夫のはず...