Gmail届かない問題、よく見かけますよね。
神奈川県の高校、伊勢福、その他小さなサービスも探せばいくらでも出てくることでしょう。
大きなところでは先日なんとNHK ONEすらこの問題に遭遇しました。
原因としてはNHK ONE側の設定不足など事業者側の問題である可能性が高いとされています。
まあ実際NHK ONEの場合はIPウォームアップ不足が原因ではないかと思っていますが、それではGmail届かない問題の全てが事業者側の問題であるかというと、必ずしもそうとは言いきれません。
なんでそんなこと断言できるのかって?
そりゃあ完璧な対応をしていた弊社のサービスが死んだからさ。
メール送信者のガイドラインへの対応
まず弊社のサービスは基本的にDM等を送信しません。
ユーザがメールアドレスを登録し、そこに対してだけメールを送るという形のサービスです。
Gmailがメール送信者のガイドラインを発表したのが2023年10月のこと。
例に漏れず我々のサービスも、メール送信者のガイドラインへの対応を強いられました。
当時はそもそもSPFってなに?
とかそんなレベルだったので、全く意味のわからないままひいこら言いながら対応を行いました。
もっとも、SendGridを使っておけば大半はなんとかしてくれます。
Sender Authenticationという機能を使うと、なんかs1._domainkey.example.com=s1.domainkey.a123456789.sendgrid.netみたいなレコードが出てくるので、それをDNSに貼り付けるだけでSPF・DKIM・DMARCあたりは自動的に解決します。
仕組みは全くわかっていません。
このあたりは自力でやってたらとてつもなく大変だっただろうからSendGrid様様ですね。
Fromヘッダ偽装などは、そもそも正しい設定にしないとSendGridが送信を止めるので自動的に対応されます。
バウンスメールは、送信に失敗したらその後は送ろうとしてもSendGridが自動で止めてくれるという親切設計。
迷惑メール率は、自分で登録するサービスなので基本的に0です。
HTMLメール関連の注意事項については、テキストメールなので関係ありません。
また前からずっと使用していたドメイン・IPアドレスなので、レピュテーション不足によるSPAM判定の心配もありません。
List-Unsubscribeヘッダを用いたワンクリック解約には対応していなかったので、ここはがんばって実装する必要がありました。
そんなわけでSendGrid上でも、PostmasterTools上でも、そして実際に送ったメールのmailtesterによるチェックも、全く問題ないという完璧なお墨付きをゲットしました。
完璧に見えるじゃろ?
ちなみにプライマリドメインというのはサブドメインの親ドメインのことです。
『このドメイン』=mail.example.comであれば『プライマリドメイン』=example.comです。
メール送信ドメインだけではなく、親ドメインまできちんと設定がなされているのがわかりますね。
死んだ
ある日突然Gmail宛メールが全てSPAM扱いされた。
550 Gmail has detected that this message is likely unsolicited mail.
To reduce the amount of spam sent to Gmail, this message has been blocked.
For more information, go to https://support.google.com/mail/?p=UnsolicitedMessageError
対策
そもそも一切の原因が不明なので対策しようもない。
PostmasterToolsをはじめとしたあらゆるツールは、全く問題ないステータスを示している。
もちろん個別のIPアドレスを使っているので、一般的なブラックリストにも一切登録されていない。
実際Gmail以外の全てのプロバイダには問題なくメールが送信されている。
そもそも登録されたメールアドレスにしか送信していないので、SPAM扱いされる謂れもない。
それなのに、ただただGmail宛のメールだけがブロックされるのだ。
件名・本文を全く別の差し障りのない中身に変更して送ってみたが、エラーメッセージは全く変わらなかった。
どうやら一度SPAM扱いされると、その後は中身を一切見ずに差出人だけで拒否するような挙動に見える。
Googleに問い合わせもしたが、NHKほど有名でもない有象無象の問い合わせにGoogleがどう対応するかなんて言うまでもないですね。
やったこと
・メールを送信している部分について、宛先がGmailだったら送信しないように改修する。
・一か月ほど放置してGmailがレピュテーションを忘れるまで待つ。
・IPウォームアップスケジュールに従い、初日は最大50通、2日目は最大100通、のように徐々にGmail宛メール送信上限件数を増やす。
結局復旧まで一か月かかった。
感想
Gmailほんとクソクソクソのクソ
まとめ
ごめんよ、blastengineは使ったことないんだ。




