白くてカッコカワイイNZXT H3 Flowを使ったPC作例
はじめに
Pythonを用いた株式投資の利益を活用したPC自作企画の第3回、組み立て編です。
投資で自力で収益を得て、会社を辞めて、博士課程でも行ってやろうという魂胆で始めたこの活動。もう半年も経ってしまいました。
最初はMacBookでコードを書いて、たまに動かすくらいだったんです。でも、本気で「会社に行かなくてもいい生活」を夢見るなら、寝てる間もサボらず市場を監視してくれるBotがいないと、話にならない。
ところがどっこい!、その大事なBotを、いつスリープするかわからないノートPCの片隅や、よくわからないクラウドサーバーで動かすのって、怖くないですか?自分のお金、預けるわけですから。
そんなこんなで、
これからの投資家は、Botという「ソフト」だけ作っても片手落ちで、そいつが安心して24時間走り続けられる専用の「ハード」まで自分で用意して、初めてスタートラインに立てるんだと思い立ったわけです。
なんとなくPCを作りたくなったのを無理やり正当化しただけです。
☝️では、PCのコンセプトを定め、市場調査を通じて各パーツを18%安く調達しました。
☝️では、Mac環境でWindows 11のインストール用USBメディアを作成する技術的な課題を、自動化スクリプトを用いて解決しました。
今回は、これまでに準備したパーツを使い、一台のPCとして組み上げるまでの工程を、初心者の視点から説明します。
1. 各パーツの製品概要と選定理由
組み立て作業に入る前に、今回採用したパーツの紹介です。
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CPU: AMD Ryzen 7 8700G
- 製品概要: 最新の「RDNA 3」アーキテクチャに基づくRadeon 780Mという高性能な内蔵グラフィックスを搭載したCPU(APU)。CPUコア自体の性能も高く、AI処理に特化した「Ryzen AI」エンジンも内蔵しています。
- 選定理由: グラフィックボードなしでも軽めのゲームや開発作業を快適にこなせる描画性能が決め手。初期投資を抑えつつ、将来的な拡張も見据える本企画の中心として最適な選択でした。
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マザーボード: ASRock B850M Steel Legend WiFi
- 製品概要: AMDの最新プラットフォーム「AM5」に対応するマザーボード。堅牢な電源回路(VRM)と大型ヒートシンクを備え、CPUの性能を安定して引き出します。白銀のデザインとWi-Fi 6Eを標準搭載している点も特徴です。
- 選定理由: 将来CPUをアップグレードした際の安定性と、PC全体の「白」というデザインコンセプトを両立できる点が魅力でした。コストと性能、拡張性のバランスに優れています。
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PCケース: NZXT H3 Flow
- 製品概要: 前面をフルメッシュにすることで、外気を効率的に取り込む「高エアフロー」を重視したPCケース。各パネルはツールレスで着脱可能で、裏配線スペースも広く取られており、組み立てやすさにも定評があります。
- 選定理由: 白くて小型でかっこいいデザインに加え、将来の高性能パーツ増設に不可欠な冷却性能を最優先しました。初心者がつまづきがちな配線作業を助けてくれる設計も高く評価しました。
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メモリ: Crucial PRO DDR5-6400 32GB (16GB×2)
- 製品概要: AMDの自動オーバークロック技術「EXPO」に対応した高速DDR5メモリ。APUはメインメモリの一部をグラフィックス用に使用するため、メモリの速度がPC全体の性能、特に描画性能に大きく影響します。
- 選定理由: Ryzen 7 8700Gの性能を最大限に引き出すため、安定動作が見込めるスイートスポットのDDR5-6400を選択。32GBの容量は、複数の開発ツールを同時に動かす際にも安心です。
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SSD: KIOXIA EXCERIA G5 1TB (PCIe 5.0)
- 製品概要: 現行主流のPCIe 4.0の2倍の転送速度を持つ最新規格「PCIe 5.0」に対応した超高速SSDです。大容量データの読み書きや、OS・アプリの起動時間を劇的に短縮します。
- 選定理由: 現在のCPU(8700G)はPCIe 4.0までの対応ですが、将来CPUを交換した際にストレージがボトルネックにならないよう、あえて上位規格の製品を選びました。ASRock B850M Steel Legend WiFiはPCIe 5.0対応なので。
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電源ユニット: NZXT C850 White ATX3.1 850W
- 製品概要: 最新の電源規格「ATX 3.1」に準拠した850Wの電源ユニット。近年の高性能グラボが見せる一時的な大電力消費(スパイク)にも安定して対応できるよう設計されています。
- 選定理由: 将来の高性能グラフィックボード増設を見据え、十分な容量と信頼性を確保。変換ケーブル不要で最新パーツに対応できる最新規格であることが必須条件でした。
2. 基幹部品の組み立て:マザーボードの準備
ここからが本番です。マザーボードに、CPU、メモリ、SSD、CPUクーラーといった主要部品を組み付けていきます。
ここであれこれ具体的に書きたいところですが、マザーボードの取説を見たら大体のことがわかります。要点だけを書くのでご容赦ください。
① CPUの取り付け
マザーボードのCPUソケットレバーを上げ、プラスチックの保護カバーを外します。CPU本体とソケットにある小さな▲印同士を合わせ、そっと置きます。AMDのAM5ソケットはCPU側にピンがないLGA方式のため、ピンを曲げる心配がないのは精神的に大きな救いでした。CPUが正しく収まったことを確認し、レバーを戻して固定します。レバーを戻す際に「ミシミシ」と音がして少し肝を冷やしましたが、これは正常な音のようです。
② メモリとSSDの装着
メモリは、説明書で推奨されているスロット(2番と4番など)に、切り欠きの位置を合わせて「カチッ」と音がするまで押し込むだけ。これは最も簡単で満足感のある作業でした。
SSDは、マザーボードのM.2ヒートシンクをドライバーで外し、スロットに差し込みます。ヒートシンク裏の熱伝導シートから保護フィルムを剥がし忘れないように注意し、SSDの上から被せてネジで固定します。
③ CPUクーラーの取り付け
NZXT T120 RGBクーラーの取り付けは、最初の難関でした。まず、マザーボードに標準で付いているAMDのリテンションブラケット(黒いプラスチックのパーツ)をドライバーで外す必要があります。これが意外と固い。その後NZXTのクーラーに付属していたスペーサーを噛ませて、その上にクーラー本体をねじ止めした記憶があります...
クーラーを設置するときは、あらかじめCPUの表面にサーマルグリスを適量(どのくらいが適量かは知らん)塗布し、クーラー本体を設置。ネジは対角線順に少しずつ均等に締めていくのが、CPUに均等に圧力をかけるための重要なポイントです。
3. PCケースへの組み込みと配線
マザーボードという「ユニット」が完成したら、次はPCケースに組み込み、各部品へ電力と信号を供給する配線作業に移ります。
配線って難しそうで、最初さっぱりわからなかったんですが
電源からはマザボとCPUにだけ電源を供給して、あとは、マザボからCPUクーラーとケースファン(ファン自体とLED)への供給とケースの電源ボタン・USBプラグへの接続をするだけなのでそんなに大したことではありません。マザボ自体に接続する部分は書いてありますし、コネクタの形状から深く考えなくても、どこに刺すかはすぐにわかります。
① マザーボードと電源の固定:PCの基本構造の組み立て
ASRock B850Mは、PC背面の端子部分を覆う「I/Oパネル」が一体型になっているため、自作PCで頻発する「パネルの付け忘れ」という致命的なミスを防げます。これは初心者にとって非常にありがたい設計です。ケースにあらかじめ取り付けられているスペーサー(ネジ穴)の位置にマザーボードを合わせ、ネジで固定しました。
次に、電源ユニットをケース下部の所定の位置に設置し、背面からネジで固定します。NZXT C850はフルモジュラー式なので、この時点では最低限必要なケーブル(マザーボード24ピン、CPU 8ピン)だけを接続しておくと、後の作業が楽になるかも🦆。
② ケーブルの接続:忍耐力が試される最難関
自作PCにおける最大の山場、ケーブル配線です。太くて接続先が分かりやすい電源ケーブルは問題ありません。本当の敵は、細くて小さく、どこに挿せばいいか分かりにくいフロントパネルヘッダーです。
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主要電源ケーブル: マザーボード(24ピン)とCPU(8ピン)は形状が決まっているので迷うことはありません。
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ケース付属ケーブル: USBやオーディオ端子もコネクタが一体化しているので簡単です。問題は、電源スイッチ、リセットスイッチ、LEDランプ類。これらはピンがバラバラで、+とーの極性も合わせる必要があります。マザーボードの説明書とにらめっこしながら、一つずつピンセットで慎重に差し込んでいく、まさに修行のような時間でした。
と不安を煽る記事が多くみられますが、そんなに難しくありません。ピンを曲げる覚悟で色々刺してみてください。間違ってる穴にはハマりませんからw
- ケーブルマネジメント: NZXT H3 Flowは裏配線スペースが広く、ケーブルをまとめるためのガイドやマジックテープが標準装備されています。これを最大限活用し、余分なケーブルをすべてケース背面に回して整理します。これは見た目を良くするだけでなく、ケース内の空気の流れ(エアフロー)を確保し、冷却性能を高めるための重要な工程です。
4. 起動確認とOSインストール
すべてのパーツの組み込みと配線が完了したら、モニターとキーボードを接続し、最初の起動確認(POST: Power-On Self-Test)を行います。
電源ボタンを押し、ファンが回転してモニターにメーカーロゴ(ASRock)が表示されれば、ハードウェアの基本的な組み立ては成功です。
☝️初回起動の様子 HDMIケーブルを買ってもなかったし、繋いでもなかったから、当然起動するわけもなく...
① BIOS/UEFI設定
多くの場合、OSがインストールされていない最初の起動時には、PCが起動デバイスを見つけられないため自動的にBIOS/UEFI設定画面が表示されます。もし起動しない場合や、2回目以降の起動では、メーカーロゴ表示中に指定のキー(DelキーやF2キーなど)を押して設定画面に入ります。ここで、メモリがDDR5-6400として正しく認識されているかを確認し、メモリの性能を最大限に引き出すためのオーバークロックプロファイル「AMD EXPO」を有効化します。設定を保存して再起動します。
② Windows 11のインストール
第2話で作成したインストール用USBメディアをPCに接続し、再起動します。自動的にUSBからインストーラーが起動し、画面の指示に従ってWindows 11のインストールを進めます。有線LANを接続していない場合、ネットワーク接続の画面でShift + F10
を押してコマンドプロンプトを起動し、「OOBE\BYPASSNRO
」と入力・実行することで、オフラインでの初期設定が可能です。
5. 最後の配線整理とセットアップ
OSインストール後、PCが起動することを確認したら、一度電源を落として最後の仕上げを行います。
裏配線スペースのケーブルを結束バンドで綺麗にまとめ、サイドパネルを閉じれば、物理的な組み立ては完了です。
ケーブルではなくて、結束バンドを切ってください。
その後、再度PCを起動し、ドライバのインストールを行います。ASRockのマザーボードは、初回起動時にネットワークへ接続すると、必要なドライバを自動で検索・インストールしてくれるユーティリティが表示されるので非常に便利でした。
まとめ
PC組み立ての一連の流れを紹介しました。
スクリーニングモデルもPCも、自分で考えて作るのは楽しいですね。
次回は性能テスト編です。Cinebenchとかありふれてるベンチマークも良いですが、実用性を見るなら、今作ってるコードが、Macよりどのくらい早く動くのか?みたいなテストもやった方がいいですかね?
ところで、自作PCをいっぱい作ってるチャンネルの人って、そんなにPC作って何に使うんだろうね〜w
記事書いておいてだけど、
こういうPC作りましたみたいな記事や動画って溢れてる。
理由は、箱は作るのは誰でもできるくらい簡単な事だから。大した事してないのにそれっぽく見える。でもそれをどう活かすかわかってない事多いよね!?自治体の箱物行政ってこんな感じで増えていくんだなとつくづく思った。
いい加減、早よ投資の話に戻れよ!(by 読者)
知らんがな(´∀`)