1. 指数関数モデル(制約なしの増殖)
制約のない個体数増加は次式で表されます:
[
N(t) = N_0 e^{rt}
]
| 記号 | 意味 | 説明 |
|---|---|---|
| ( N_0 ) | 初期個体数 | 最初のラプラスの数 |
| ( r ) | 成長率 | 単位時間あたりの増加割合 |
| ( t ) | 時間 | 経過時間 |
🟦 特徴
- 増加速度は個体数に比例する。
- 環境制限がない理想状態を仮定。
- 初期段階では現実と近いが、長期的には非現実的(無限増加)。
2. シグモイド関数(制約ありの増殖)
現実には、環境の資源制限・捕食・生息域の限界が存在します。
これを考慮した式が**ロジスティック成長(Logistic Growth)**です:
[
N(t) = \frac{K}{1 + \frac{K - N_0}{N_0} e^{-rt}}
]
🟩 特徴
- 初期:指数関数的に増加
- 中期:急増期(ほぼ指数増加)
- 後期:飽和(成長率が低下し、Kに近づく)
3. 指数増殖 vs シグモイド増殖の比較
| 特徴 | 指数関数モデル | シグモイド(ロジスティック)モデル |
|---|---|---|
| 式 | ( N(t) = N_0 e^{rt} ) | ( N(t) = \frac{K}{1 + A e^{-rt}} ) |
| 環境制約 | なし | あり(Kで上限) |
| 増加速度 | 無限に増大 | 飽和により減少 |
| グラフ形状 | 急上昇 | S字カーブ |
| 生物例 | 初期の細菌培養 | 生態系や保護種の個体数 |
4. Python比較例
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
# パラメータ
N0 = 10
K = 1000
r = 0.3
t = np.linspace(0, 50, 300)
# モデル
N_exp = N0 * np.exp(r * t)
N_log = K / (1 + ((K - N0) / N0) * np.exp(-r * t))
# グラフ
plt.plot(t, N_exp, 'r--', label="Exponential Growth")
plt.plot(t, N_log, 'b-', label="Logistic (Sigmoid) Growth")
plt.title("Lapras Population Models")
plt.xlabel("Time")
plt.ylabel("Population")
plt.legend()
plt.grid(True)
plt.show()
5. 比喩的理解
-
指数増殖:
海が安全になり、ラプラスが自由に繁殖できる初期段階。
増加スピードは止まらない。 -
シグモイド増殖:
個体数が増えるにつれ、食料や生息域に制限が生じ、
最終的に安定個体数 ( K ) で落ち着く。