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PlantUML で UML お絵描き生活

Last updated at Posted at 2020-09-22

はじめに

今回は PlantUMLについて紹介します。PlantUMLは最近連携ツールが増えつつある特定の記法のテキストからUMLを生成するツールです。本記事は9月15日、オンラインで社内勉強会を開催した際の資料を元に書いたものです。

この記事の対象者は、

  • UMLってなんか聞いたことある人
  • UML知ってるけど描くのにいいツールないかなぁと思ってる人
  • UMLがGitで管理できたら最高じゃんと思う人

を想定しています。

1. ゆーえむえるってなぁに?

統一モデリング言語

統一モデリング言語(とういつモデリングげんご、UML、英: Unified Modeling Language)は、主にオブジェクト指向分析や設計のための、記法の統一がはかられた(Unified)モデリング言語(Modeling Language)である。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

つよそう

こういう図のこと

sample1.png
sample3.png
sample4.png
※以上PlantUML公式から引用

sample2.png

色々あるけど全部UML。UMLは色んな図の書き方のルールをまとめたもの。

2. どんな風に使うの?

シーケンス図

sequence1.png

複数のオブジェクトの間のメッセージのやり取りと、それぞれのオブジェクトの活性・非活性を時系列で描くための図。

ユースケース図

usecase1.png

ユーザ視点でのシステムの利用例を表す図。顧客への説明で使うことを想定している。

アクティビティ図

activity1.png

フローチャートを発展させた図。フローチャートと違ってハードウェアを直接表すような記号は無い。並列処理・例外にも対応している。

現在はステートメントを一つ一つ記述するフローチャートはナンセンスとされている。そのためアクティビティ図では概念的な処理の流れを記述する。

状態遷移図

statemachine1.png

状態の移り変わりを表す図。システムがどんな振る舞いをするのかを表す。queue構造と相性がいい。

配置図

deployment1.png

システムの物理的な構成を表す図。ネットワーク図もここに含まれる。

ほかにもいろんな図がある

  • クラス図
  • コンポーネント図
  • タイミング図
  • まだ見ぬ強敵達...

その時々の用途に合わせて使おう。

3. UMLってどうやって描くの?

UMLを描くツール

デファクトスタンダードと言えるようなツールは無いみたい。
完全にUMLのみのツールというのはあまりない。

  • draw.io
    最近人気が高いドローイングツール。Webサービスなのでブラウザで使う。
    色んな図が描ける。

  • Microsoft Visio
    昔からあるドローイングツール。
    Microsoftに買収されてからはOfficeの一つとして扱われている。でも別売り。

  • パワポ
    パワポさえあればなんでもできるぞ!!

4.PlantUML ってなんですの?

PlantUMLはテキストをUMLに変換するコンポーネント。
テキストなので他のツールに組み込みやすい。テキストなのでバージョン管理もできる。Markdownに組み込めるツールも結構ある。
Visual Studio Codeでもプラグイン入れればMarkdownにUMLを埋め込んだ文書を作れる。

今回使う環境

今回は社内勉強会のために用意したCodiMD環境を使います。
CodiMDにPlantUMLでUMLを描くにはサーバ側で設定ができていれば以下の記述で表示されるはずです。

version.png

最も簡単に使うには

最もかんたんで素早く PlantUML を使いたい方には、PlantUML オンラインサーバ がおすすめです。

5. 今回描く図

今回は

  • シーケンス図
  • アクティビティ図
  • 状態遷移図

を描いていきます。

6. PlantUMLでシーケンス図を描く

さっきのはこう書いてた

@startuml
Activate 母
母 ->> 息子: おきなさい!
母 ->> 息子: おきなさい!
母 ->> 息子: おきなさい!
Activate 息子
息子 ->> 母: おきたー
Deactivate 息子
母 ->> 息子: 二度寝するな!
@enduml

sequence1.png

図の意味は?

矢印はメッセージ。太線になっている部分はアクティブな状態。
アクティブな状態を維持している期間を表すことができる。

@startuml
A -> B: 塗りつぶし実線矢印は同期呼び出し
activate B
B --> A: 点線はレスポンス
A ->> B: 線だけ実線矢印は非同期呼び出し
B -->> A: 非同期のレスポンス
deactivate B
@enduml

sequence2.png

もちろん3つ以上でも

@startuml
activate A
A -> B: 起動
activate B
B ->> C: 起動
activate C
C -->> B: 起動完了
B --> A: Cの起動完了
deactivate B
C -->> A: 処理完了
deactivate C
@enduml

sequence3.png

分岐とループ

分岐はalt、ループはloopで記述する。
他にも色々定義されている。

@startuml
A ->> B: 起動

loop 起動完了まで
  A ->> B: 起動チェック
end

alt 正常起動
  B ->> A: 正常
else 異常
  B ->> A: エラー
end
@enduml

sequence4.png

見やすくする

オブジェクトがたくさんある時は分類したり境界線を入れたりすると見やすいかもしれません。

@startuml
box 社内
  participant A
  participant B
end box
box 客先
  participant C
end box

A -> B: 社内接続
== ここから危ない処理 ==
B -> C: 客先接続
@enduml

sequence5.png

7. PlantUMLでアクティビティ図を描く

さっきのはこう書いてた

@startuml
start
if (おなかすいた?) then (すいた)
  :おやつたべる;
endif
end
@enduml

activity1.png

開始と停止・終了

startは任意の範囲内での始端。
stopは任意の範囲内での終端。
endはプロセスとかの全体の終了位置。

@startuml
start
stop

start
end
@enduml

activity2.png

単純なアクティビティの遷移

:;の間に書いていくだけ。

@startuml
start
:起きる;
:ご飯食べる;
:寝る;
stop
@enduml

activity3.png

条件分岐(if)

if then else endifで条件分岐。
then elseの後の条件は省略可能。

@startuml
start
if (今日のご飯は?) then (肉がいいな)
  :しょうが焼き定食;
else (魚がいいな)
  :サバの味噌煮定食;
endif
stop
@enduml

activity4.png

3つ以上への条件分岐(elseif)

elseifで3つ以上のルートへの分岐ができる。

@startuml
start
if (今朝はご飯だった) then (Yes)
  :お昼はパンにしよう;
elseif (今朝はパンだった) then (Yes)
  :お昼はご飯にしよう;
else (No)
  :お昼は豪勢にしよう;
endif
stop
@enduml

activity5.png

前判定のループ処理

while endwhileで繰り返し処理を表現する。

@startuml
start
while (お腹いっぱい?) is (まだいける)
  :食べる;
endwhile (もう食べられないよぉ)
stop
@enduml

activity6.png

後判定のループ処理

後判定ではrepeat repeat whileを使う。
backwardで繰り返し処理を継続する場合のみの処理を記述できる。

@startuml
start
repeat :ご飯が来る;
  :食べる;
backward :「おかわり!」;
repeat while (足りた?) is (まだまだ)
stop
@enduml

activity7.png

並列処理

fork fork again end fork
並列処理を表現する。

@startuml
start
fork
  :食べる;
fork again
  :飲む;
end fork
stop
@enduml

activity8.png

8. PlantUMLで状態遷移図を描く

さっきのはこう書いてた

@startuml
hide empty description
state 出社 {
  仕事 -> 休憩
  休憩 -> 仕事
}
state 退社 {
  呑む -> 寝る
}
出社 -d-> 退社
退社 --> 出社
@enduml

statemachine1.png

図の意味は?

枠内は状態、矢印は状態の遷移を表す。

@startuml
state 状態1: 状態1の解説
state 状態2: 状態2の解説

状態1 --> 状態2: 状態1から2への\n遷移条件
状態2 --> 状態1: 状態2から1への\n遷移条件
@enduml

statemachine2.png

始点と終点

[*]で始点または終点を表す。

@startuml
[*] -> 状態
状態 -> [*]
@enduml

statemachine3.png

状態を列挙する

stateで状態をあらかじめ定義しておく。単純な図であれば省略できる。

状態遷移図は記法が似ているのでシーケンス図と認識されてしまう事が多い。stateで一つでも状態を作っておけば正しく認識される。

@startuml
state A: Aの解説
state B
C: Cの解説
@enduml

statemachine4.png

矢印の書き方

矢印は-の数を増やすと長くなる。
矢印の途中にup down right leftあるいはu d r lのいずれかを入れると矢印の向きをある程度制御できる。

@startuml
state A
A -> B
B --> C
A ---> D

V -u-> W
V -r-> X
V -d-> Y
V -l-> Z
@enduml

statemachine5.png

複合状態

状態の中に複数の状態がある場合は状態の中に状態を描く。

@startuml
hide empty description
state 画面A {
    [*] -> 設定画面
    設定画面 --> 確認画面: 確認ボタン
    確認画面 --> 設定画面: 戻るボタン
}
state 画面B {
    [*] -> 実行中画面
    実行中画面 -> 実行結果画面
}

[*] --> 画面A
確認画面 --> 画面B: 実行ボタン
実行結果画面 --> [*]
@enduml

statemachine6.png

9. みんな上手く描けた?

そんなにたくさん覚えられない・・・

私も覚えて使ってるわけじゃないです。
毎回公式サイトを見ながら描いてます。見ながらでいいのよ。

PlantUMLはまだまだいろんな記法があります。
UML以外にも対応しているので興味があれば使ってみてください。

Ditaaとかね・・・!

@startuml
ditaa
+-----+-----+   +----+
|     | bbb |-->|    |
| aaa +-----+   | dd |
|     | ccc |...|    |
+-----+-----+   +----+
@enduml

ditaa.png

終わりに

俺たちの戦いはこれからだ!
おしまい。

*本記事はクオリティアの中の一人、中本さんに書いていただきました。

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